グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2013年9月 8日
開幕戦を迎える前に、今年のトレーニングキャンプとプレシーズンでの良かった点と悪かった点を、地元メディアの評判を元にしてざっと書き出してみた。悪かった選手の多くがチームを去っているので、"Good"の側に偏っているのはご勘弁を。オフェンスから順に並べてあるので、上にある方がいいというわけではない。
- Excellent : OL唯一のプロボウラー、LGジョシュ・シットンはパスブロックキングドリルで全勝(3年連続勝率トップ)。今夏は皆勤賞で、隣のLTバクティアリとコンビネーションを高めることもできたはず。
- Excellent : ディフェンシブラインはこれまでになく層が厚く、8人が開幕ロースター入り。4年目DEウィルソンがさらに成長し、1巡指名ジョーンズも高いポテンシャルを見せた。4年ぶり参加のDEジョリーは出場停止処分前のような働き。6巡指名ボイドはノーズタックルの控えとして育成枠、といった感じ。ラジを筆頭に5人が契約最終年を迎えている。
- Excellent : CBサム・シールズはきわめてプレーの質が高く、シャットダウン・コーナー的存在に近づきつつある。交渉が頓挫したまままシーズンを迎えるが、キャンプでの好調が本番でも続けば、球団側は大型契約を受け入れざるをえなくなるかも。
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- Very Good: QBアーロン・ロジャースは申し分のないキャンプを過ごした。"Excellent"に入れなかったのはプレシーズンでの出場(5シリーズ45スナップ)が非常に少なかったためだが、レシーバー陣とのケミストリーは練習で十分に醸成できている。仮に今年オフェンスがもたついたとしても、それはプレシーズンで彼を温存したせいではない。彼は毎年オフシーズンに1つずつテーマを作って向上に取り組むが、今年は「ロングパスの精度向上」だったとのこと。
- Very Good : 2巡指名RBエディー・レイシーは期待通りの走りっぷりで開幕スターターに。ビジョンと思い切りの良さ、タックラーを振り切るパワーと巧みなフェイクにくわえ、パスプロテクションも予想以上によかった。新人王の有力候補にも挙がっているが、OL陣のブロッキングしだいで成績が伸びないことは考えられる。
- Very Good : 4巡指名LTデヴィッド・バクティアリは非常に安定感あるパスプロテクションを見せ、ブラガの代役スターターの座を確保した。簡単にアウトサイドを突破されないフットワーク、フットボール頭のよさ、新人離れした落ち着きとプロフェッショナリズムがある。ただしランブロッキングはまだ弱い。ニューハウスを起用しなかったのは過去2年間で実力を把握できているためで、バクティアリが不振に陥ればすぐにでも交代がありうる。
- Very Good : 昨年先発DEとなったC.J.ウィルソンはプレー全般が向上した。得意のラン守備はさらにパワーアップし、パスラッシュドリルでも成績がよかった。足首負傷の1巡指名ジョーンズに先発奪取のチャンスを与えず。
- Very Good : 1巡指名DEデイトン・ジョーンズはキャンプ前半に素晴らしい活躍を見せ、その時点では間違いなく"Excellent"枠だった。プレシーズン初戦で足首を捻挫してからは迫力が大幅ダウン。プレーしながら直す方針だったのだろうが、2009年のB.J.ラジのように能力を発揮しきれずに1年目が終わる可能性もある。当面はパスシチュエーションでの起用が中心に。
- Very Good : DEマイク・ダニエルズはルーキーシーズンも4巡指名にしてはよかったが、2年目の今年はさらにパスラッシュが強く鋭くなった。新人ジョーンズとともにパスラッシュ向上に貢献してくれそう。
- Very Good : 出場停止処分から4年ぶり復帰のDEジョニー・ジョリーがなんとロースター入りに成功。チャンスは与えたものの、ここまでの働きは誰も予想していなかった。ラン守備ではナスティなプレーで破壊力があり、得意のパスディフレクトも連発。オーバー気味だった体重もしっかり絞れてきた。
- Very Good : 先発ILBブラッド・ジョーンズは順調に伸び、ビショップを放出したチームの期待に応えている。
- Very Good : 新人CBマイカ・ハイドは 開幕ニッケルバックの座をつかんだ。5巡指名入団ということを考えれば"Excellent"に入れてもいい。ディープへのスピード不足ははっきりしているが、ショートエリアのカバレッジは嗅覚に優れ、効果的なプレーをする。タックリングやランサポートやブリッツがこれほど優秀な新人CBは珍しく、「将来はセーフティに」という声が多いのもうなずける。
- Very Good : CB陣のデプスは "Excellent"の方に入れるはずだったが、ヘイワードが1か月欠場見込みということで格下げ。それでもトラモン、シールズ、ハイド、ハウスと揃った陣容はなかなかのものだ。
- Very Good : Pティム・マステイは今年も安定感あるキャンプ。左右キッカーのために左右両方でホルダーをこなし、フェアな競争環境を提供してくれた。キックオフ飛距離も向上し、Kクロスビーと互角になってきた。
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- Good: RBジェームズ・スタークスはプレシーズンこそあまり働けなかったが、キャンプを通してパワフルな走りを見せ、2番手RBの座を確保。走る姿勢が高いせいかケガが多いが、元気でさえあればそれなりに魅力のある選手なのはたしか。
- Good: ドラフト外から2年目のRTドン・バークレーは先発RTの座を確保したが、ブラガ戦線離脱でライバルのバクティアリがLTに回ったことも大きい。ランブロックは強いがパスプロテクションが脆い傾向は昨年と同じで、現時点でニューハウスとの実力差はない。
- Excellent : OLBクレイ・マシューズはハムストリング問題に悩まされることなく開幕を迎えることができた。能力はわかりきっているのでケガさえなければいい。
- Good : 昨年の1巡指名OLBニック・ペリーはまずまずのキャンプ。ラン守備の力強さは昨年のウォルデンを明らかに上回るが、もっとパスラッシュ力がほしい。
- Good : M.D.ジェニングスとジェロン・マクミリアンによる先発セーフティ争いは悪くない内容だが、期待以上でなかったのはたしか。
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- Not Bad : 4巡指名RBジョナサン・フランクリンはキャンプ序盤こそよかったものの、その後はパッとしない。鋭く穴に飛び込むことができず、待っているうちに穴が閉じてしまう。キャッチングはよいがパスプロテクションが未熟で、まだ3rdダウンバックとして安心して使えない。リターナーとしても期待外れ。2007年2巡指名のブランドン・ジャクソンのように優秀な3rdダウンバックに成長してほしい。
- Not Bad: 先発2年目のCイヴァン・ディートリック=スミスはとくに悪くもないが、成長はあまりしていない。ランブロックがもう少し力強くなると期待していたのだが。契約最終年なので、今季の出来次第では新スターターを探す必要が出てくる。
- Not Bad: DE/OLBマイク・ニールはほとんどをOLBとしてプレー。練習ではパスラッシュドリルやブリッツドリルでOLBやRBたちを圧倒したが、プレシーズンのプレーぶりはいまひとつ。純粋なOLBではなく、プレーコールの幅を広げ意外性を増すために使われるのでは。
- Not Bad : 控えOLB陣は新人コンビ、アンディ・ムルンバ(ドラフト外)とネイト・パーマー(6巡)がロースター入りを果たした。2年目のデズマン・モーゼスが(つま先のケガのためか)予想外に伸びず解雇となったのが残念。フランク・ゾンボ(2010)、ヴィック・ソート(2011)、そしてモーゼスと、ドラフト外で頑張ったルーキーがなぜ2年目に失速してしまうのだろう。
- Not Bad : キッカー争いはKクロスビーが勝利したが、KタヴェッキオやKラミレスといったライバルのレベルはもともと高くなかった。昨季のKクロスビーは「練習ではほぼ完璧なのに実戦ではスランプ」だったので、とても安心はできない。大幅減俸を飲ませてサラリーキャップを節約できたのはよかった。
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- Bad : ケガ人。マッカーシーHCはオフシーズンからケガを減らすことを重点テーマに掲げてきたが、逆の結果になってしまった。ファミリーナイトでLTブラガが前十字靭帯断裂、WRネルソンがキャンプ序盤にヒザ手術を受けてプレシーズンをほぼ全休、RBハリスが膝蓋腱の負傷でシーズンエンド、CBヘイワードがハムストリング負傷で1か月欠場見込み、Sバーネットもハムストリング問題で開幕戦出場が微妙。
- Bad : 2番手QB争いは無様としか言いようがない内容。期待された2年目のコールマンは最初の10日間で脱落、グレアム・ハレルもたいした成長がなかった。途中加入のヴィンス・ヤングは悪い意味で評判どおり。スクランブルの魅力はあるが、パスはコントロールも判断力もフットワークもさっぱりだった。セネカ・ウォレスは入団から1週間経っておらず、シーズン序盤に出番が来たら大変だ。
- Bad : 控えTE陣は" Bad"に入れるほど悪くないかもしれないが、フィンリーが来春FA退団見込みだというのに後継スターターの見通しが立っていない。クウォレス(こちらも契約最終年)はプレー内容よりも過去の実績を評価されてのロースター残留。ブロッキングがヒザ負傷前の状態に戻っていない。D.J.ウィリアムズは3年目もさほど伸びず解雇。勝ち残ったテイラーもスターターの器ではない。そうなると、元WRのボスティックに期待したいところ。
- Bad : インサイドOL陣のデプスは2年連続で"Bad"。4巡指名J.C.トレッターが足首骨折のためセンター挑戦ができなくなってしまったのが誤算だが、それにしてもインサイドはレベルが低すぎる。2年目ヴァンローテンはセンター経験が浅く、ショットガンスナップのミスが頻繁にある。もし先発センターが負傷したらどうなってしまうのか。