グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2013年7月20日

トレーニングキャンプの見どころ 1

今年のトレーニングキャンプは現地25日(練習は26日)にスタートする。ここでは、先発争いやロースター争いなど、注目すべきポイントについてポジションごとにまとめてみた。今日はオフェンスについて。(FAが近い選手は併記した)

なおトレーニングキャンプ全般の紹介はこちらのページで。練習スケジュールは公式サイトを参照のこと。

◆ LTブラガは大丈夫か

コーチ陣はドラフト後に大規模なポジション変更を決断。ブラガに左タックルをまかせ、右タックルはニューハウスと2年目バークレーの争いとなった。

プロ入り以来右タックルをプレーしてきたブライアン・ブラガ(FA2015)は、一流のスピードラッシャーを相手にしっかりブラインドサイドを守れるのか。キャンプではOLBマシューズとのマッチアップが注目される。もし彼がシーズンに入って苦戦するようだと、今年のOL改造はすべて無駄になってしまうので、ここは先発RT争い以上に重要なポイントだろう。両OTのパスプロテクションがよければ6メンや5メンプロテクションにでき、自然とパス攻撃の幅が広がる。

昨季半ばで戦線離脱を強いられた股関節の骨折は問題なく完治している。今季期待通りの活躍ができれば、来オフは大型の契約延長が見えてくる。左タックルと右タックルでは金額が段違いなのでここが頑張りどころだ。

◆ 右タックル争い

マーシャル・ニューハウス(FA2014)は2年ちかく先発LTを務めてきたが、成長は十分でなく、今春のOL大改造を引き起こした張本人といえる。コーチ陣はいちおう今春の暫定スターターとして扱ってきたが、キャンプ本番になればそれも変わってくるかもしれない。「先発RTなら十分やれるはず」「彼ではたいして期待できない」と地元記者たちの意見は割れている。今年が契約最終年だが、よほど活躍できなければ契約延長はないのではないか。

昨季ドン・バークレーはドラフト外ルーキーながら7試合にわたって代役RTを務めた。ランブロッキングはなかなか強力なので、課題はパスプロテクションの向上だ。もしバークレーが勝利を収めれば、ニューハウスは両サイドの控えを兼任することができ、とてもバランスがいい。

4巡a指名のデヴィッド・バクティアリは大学でLT2年・RT1年の先発経験がある。いきなり先発RT争いに加われるようなら面白いが、とりあえずは慣れた左タックルをプレーさせるかもしれない。OTAやミニキャンプでは2ndチームの左タックルを担当していた。

元1巡指名デレク・シェロッド(2011年12月にすね骨折)の完全復帰はいつになるのか、いまだにはっきりしない。ここでは仮に戦力外としておこう。もし彼が復活できるようなら、控えのデプス、OT陣の将来ともぐっと明るくなる。

◆ 先発RB争い

小兵のRBドゥワン・ハリスが昨季終盤に台頭し、4試合+プレーオフ2試合で平均4.2yds・4TDの働きでコーチ陣の信頼を勝ち取った。しかしドラフトでは2巡でエディー・レイシー、4巡でジョナサン・フランクリンを指名し、パッカーズには珍しい念入りなRB補強となった。レイシーはパワーバック、フランクリンは万能タイプ。

3年目のアレックス・グリーンは昨季中盤に先発機会をもらいながら平均3.4ydsと期待に応えられなかった。前年の前十字靭帯断裂が影響していたのはたしかだが、あいかわらず穴を選ぶ感覚に問題がある。その点ではジェームズ・スタークス(FA2014)だが、すぐに足首やヒザを痛めてしまいケガが絶えない。

先発争いは混沌としていて、プレシーズンでの働きしだい。昨季3rdダウンバックは(パスプロを重視して)FBクーンが務めることが多かったが、もっとロングゲインの魅力のある選手に任せたいところ。キャッチングのうまい4巡指名フランクリンやグリーンに期待したい。キャンプではブリッツァー相手のブロッキング練習に注目だ。

ロースター枠は例年3人だが、今年は控えWRのレベルが低下したこともあり、4人枠となる可能性が高いように思われる。ハリス、レイシー、フランクリンの3人はほぼ当確。最後の枠をグリーンとスタークスが争うか。

◆ インサイドOL

OT陣と同じくサイドを入れ替え、ジョシュ・シットンが左ガード、T.J.ラングが右ガードとなった。どちらも器用さは十分あるタイプで、ポジション変更はさほど問題なさそう。シットンは初プロボウル出場も果たし、今季はLTブラガを助けてくれることだろう。昨季ラングはヒジのケガと代役RTの役目で苦しいシーズンだったが、最後のSF戦ではOL陣ベストの働きだった。ガードに専念できる今年はさらなる成長が期待できそう。

センターは昨季終盤にサタデーから先発の座を奪ったイヴァン・ディートリック=スミス(FA2014)で決まり。問題はどれくらい伸びシロが残っているかだ。馬力不足が昨季のままであれば、そこそこのスターターで終わってしまう。さらに伸びるようであれば、今季中に契約延長の目も出てくる。

インサイドOL陣で最大の問題は先発トリオよりも控えのデプス。昨季ドラフト外からロースター入りしたグレッグ・ヴァンローテン、今春左ガードをプレーしたアンドリュー・ダトコ(プロ入り時はLT)といった選手だけで、センター経験のある控えがいない。4巡b指名のJ.C.トレッターは将来のセンター候補として期待されたが、なんとOTA初日に足首を骨折。復帰は早くても11月とされていて、今季チームに貢献するのは難しいだろう。

というわけで、今夏はヴァンローテンにセンター修業をさせつつ、先発RT争いで敗れた選手が控えガードも兼ねる、といった感じでゲームデイ・ロースター(通常OLは7人)を組むしかなさそうだ。キャンプでは4巡a指名バクティアリにガードを練習させるかもしれない。

◆ 控えWR

ランドール・コブ(FA2015)、ジョーディ・ネルソン(FA2015)、ジェームズ・ジョーンズ(FA2014)の3人で先発は問題ないが、4番手以降が頼りない。昨季ドラフト外ながら(ドライバーを退けて)実質5番手を務めたジャレット・ボイキンが暫定の4番手。それをチャールズ・ジョンソンケヴィン・ドーシーの7巡指名ルーキーコンビが追う、といった感じ。キャンプでは意外なドラフト外ルーキーが台頭してくるのも期待したい。

昨年は6人枠だったが、今年はおそらく例年どおりの5人枠に戻るだろう。ジョーンズは契約最終年を迎え、高望みをしなければ今季中に契約延長の可能性がある。そうならなかった場合、来春のドラフトではWRを上位指名する必要がありそう。

◆ 2番手QB争い

経験はあるが肩の弱いグレアム・ハレル(プロ3年目)、肩はめっぽう強いが粗削りなB.J.コールマン(昨年7巡)が2番手QBを争う。コールマンの成長に期待したいところだが、まだ荷が重いとなれば今年もプラクティス・スクワッド行きとなる。プレシーズンの出来次第で判断するとコーチ陣は決めているようだ。

◆ タイトエンド

高給のジャーマイケル・フィンリー(FA2014)は解雇されず残留となった。昨季バイウィーク後は精神的に大きく成長したとマッカーシーHCは絶賛。たしかにイージーな落球はなくなったがかつて期待されたほどの働きとは言えない。契約延長はなさそうだが、FA市場にむけてアピールしたいところ。アンドリュー・クウォレス(FA2014)は前十字靭帯断裂(2011年12月)からようやく復帰した。今春の練習ではキレのよいレシービングを見せ、順当ならフィンリーに次ぐ2番手。うまく行けばシーズン後に契約延長の可能性も。

今年チーム唯一のFA補強はマシュー・マリガン。典型的な足の遅いブロッキング・タイトエンドで、最近のパッカーズにはいなかったタイプだ。たまたま手に入るから獲ったのか、ブロッキング強化のチーム方針によるものか。D.J.ウィリアムズライアン・テイラーは勝負の3年目。ウィリアムズは毎年オフシーズン練習では好評だが、パッドを着けたとたんに目立たなくなる。テイラーはスペシャルチームで活躍しているが、TEとしてもっと存在感を示したい。

昨年や一昨年(開幕時は5人)とおなじく4人枠となる可能性が高い。マリガン、ウィリアムズ、テイラーのうち1人を解雇して開幕を迎えることになりそうだ。

カテゴリ : Camp, Player