過去の記事 |
2012年 >
05月 >
Packers' Draft Consequences
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2012年5月 1日
ドラフト指名8人が加わったことでチームがどう変化したか、おもに既存の選手たちから見たドラフトの影響をまとめてみた。といっても今年は指名がディフェンスに集中していて、「立場が厳しくなった選手たち」のエリアはかなり狭い。
■ 立場が厳しくなった選手たち
- ディフェンシブエンド: この連中はもう大変。FA嫌いのGMがDEアンソニー・ハーグローヴとDTダニエル・ミューアを獲っただけでも球団側のメッセージはひしひしと伝わってきたはず。しかもドラフトでは2巡と4巡で同タイプの俊敏なパスラッシャーを指名。マイク・ニール、ジャリアス・ウィン、C.J.ウィルソン、ローレンス・ガイといった既存選手は誰が開幕ロースターから外れてもおかしくない。新加入ハーグローヴも安泰でないはず。
- アウトサイドラインバッカー陣: 1巡でOLBニック・ペリーを指名し、開幕スターターの本命に。それでもDE陣と比べれば、1人指名で済んだことを感謝すべきかも(5巡指名ILBテレル・マニングをアウトサイドで使う可能性は残っている)。隣りに位置する右DEが強化されれば、OLBは仕事しやすくなるかもしれない。
- 控えコーナーバック: 実戦派のCBケイシー・ヘイワードを2巡30位で指名したことで、4番手あたりの争いが激しくなった。パット・リーはFA退団したものの、ジャレット・ブッシュ(昨季の4番手)とは再契約し、昨季4巡指名のデヴォン・ハウスもいるからだ。昨季伸び悩んだ3番手のサム・シールズを刺激する効果も大きそう。
■ ホッとした選手たち
- インサイドOL陣: 36歳のジェフ・サタデーが先発センターとなり、LG T.J.ラングとの契約も今季で切れるため、後継者候補を(遅くとも中位で)指名するとの予想が多かった。しかしフタを開けてみれば驚きの指名ゼロ。C/Gイヴァン・ディートリック=スミス、Cサンプソン・ジーナス、OGレイ・ドミンゲス(3人とも元ドラフト外)の控えトリオで将来なんとかなるという考えなのか。
- ランニングバック陣: 2巡指名の予想さえあったが、けっきょく指名なしに終わった。スタークス、アレックス・グリーン(ACL手術明け)、ブランドン・セイン(昨季ドラフト外)の3人が残り、ドラフト外でRB3人の契約が報じられている。
- OLBクレイ・マシューズ: 逆サイドやインサイドからのパスラッシュで追い立ててくれれば、それだけ彼がQBを仕留めるチャンスも大きくなる。当然ダブルチームも減ってくるはずだ。
- 先発ディフェンシブバック陣: 昨季はいやと言うほどパスを通されて戦犯扱いされたが、パスラッシュが弱いために長時間カバーしなければならない、という側面も大きかった。QBに時間を与えなければ、カバレッジの仕事は格段に楽になる。CBウッドソンが歓迎コメントをしたのも当然だ。
- 控えクォーターバック陣: B.J.コールマンを指名したといっても7巡選手なら、グレアム・ハレルやニック・ヒルでも互角の争いができるのではないか。たとえば3巡や4巡でラッセル・ウィルソン(SEA)やカーク・カズンズ(WAS)を指名できていたら、彼らの立場は相当苦しくなっていた。
- セーフティ陣: 上位指名の予想もあった中で、4巡でSSジェロン・マクミリアンを獲っただけならば喜ぶべきだろう。今年は即先発級のセーフティが少なかったことも幸いした。
- 左オフェンシブタックル陣: 7巡aでOTアンドリュー・ダトコを指名しただけというのは、先発LTを争うマーシャル・ニューハウスとデレク・シェロッド(スネの骨折)への信頼を示したと言えそう。
- 控えタイトエンド陣: 指名なし。ACL手術明けのアンドリュー・クウォレスにとっては朗報だ。昨年と同じメンバーでキャンプを迎えるが、昨季のように5人枠を確保できるとはかぎらない。
- スペシャルチーム: 予想どおり指名なし。ドラフト外でも契約はないが(リターナーはわからない)、トライアウト参加でキッカーとロングスナッパーがいるようだ。
- 控えワイドレシーバー陣: 指名なし。これ以上競争が激しくなっては大変だ。高給のWRドライバーを解雇する可能性は高いが、ドラフト指名がなかったことで残留の目がわずかながら大きくなった。
■ Unfinished Business
「ホッとした選手たち」と重複する部分も多いが、今回ドラフトで達成できなかった課題について。
- 後継センター: Cジェフ・サタデーが2年プレーしてくれたら非常にありがたい。しかし今年かぎりで引退となった場合、後継候補がいるとはとても言えない。イヴァン・ディートリック=スミス、サンプソン・ジーナスのドラフト外組にスターターが務まらないとなれば、来年のドラフトで上位指名が必須になってしまう。今年のキャンプではドラフト外ルーキーたちにも注目したいところ。
- 後継左ガード: T.J.ラングと契約延長できれば何も問題ないが、来春FA流出した場合に控え候補の層は非常に薄い。
- 控えクォーターバック: 7巡指名のQB B.J.コールマンを加えたトリオでは、ロジャース負傷時にとても勝ち星は望めないだろう。とはいっても、2008年には7巡ルーキーのマット・フリンに2番手QBを任せていた。マッカーシーHCとクレメンツOCは若手QB育成に多大な実績があり、自信も持っている。すべてに小粒のハレルと比べコールマンはスケールが大きそうだが、2006年5巡のイングル・マーティンも同じようにスモールスクール/強肩/粗削りのタイプでモノにならなかった。
- セーフティ陣: 首のケガで退団したニック・コリンズの後継者が確保できたとは言えない。モーガン・バーネットは先発FSに固定し、先発SSの座をペプラー、M.D.ジェニングス、アンソニー・レヴィーン、4巡b指名マクミリアンの4人が争う。キャンプでの競争が楽しみなところだ。
- ランニングバック陣: RB軽視のチーム方針は今さら言うまでもない。ライアン・グラントとの再契約はもう考えていないとの噂もある。アレックス・グリーン(ヒザ前十字靭帯)が順調に回復してくれればよいが、そうならなかった場合にドラフト外ルーキーをアテにしなくてはならない。