パッカーズがLTチャド・クリフトンを解雇した。ESPNは解雇理由について「フィジカルチェックに合格しなかったため」と報じている。2000年から先発左タックルを務めてきた彼は、2010年にはフル出場してスーパーボウル制覇にも大いに貢献。しかし長年にわたって両ヒザの腱炎に悩まされ、昨季はハムストリングの部分断裂と背中の負傷のためわずか6試合しか出場できず、プレー内容も芳しくなかった。ついに来るべきものが来たという印象だ。
今オフは背中の手術を受け、そちらは非常に順調と本人は語っていたが、これほどの満身創痍ではもはやシーズンを乗り切れないと球団側は判断したのかもしれない。先月のインタビューでマッカーシーHCは、「彼の残留は純粋に健康上の問題」と説明していた。また彼の解雇により、サラリーキャップを$5.7ミリオンほど節約できたことになる。
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チャド・クリフトンはテネシー州マーティン市出身の35歳。テネシー大ではQBペイトン・マニングのブラインドサイドを守り、2000年のドラフト2巡指名でパッカーズに入団。1年目のシーズン半ばで先発LTに昇格すると、以来12シーズンにわたって先発の座を守り続けてきた。優れたパスプロテクション技術でQBファーヴとQBロジャースの背後を守り、2007年と2010年にプロボウル選出を果たしている。通算160試合先発はパッカーズのタックルとしては史上2位。(1位はフォレスト・グレッグの187試合)
ずっと一緒に活躍してきた同期入団のRTマーク・タウシャーは昨年夏に解雇。今回クリフトンが退団することにより、トンプソンGM就任(2005年)以前のドラフト入団選手はWRドナルド・ドライバーだけとなった。ドライバーはロン・ウルフGM(1992-2000)時代の1999年7巡指名。先日Cスコット・ウェルズ(2004年7巡)がFA退団したため、マイク・シャーマンGM(HC兼任2001-04)時代のドラフト入団選手は1人も残っていない。
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後継左タックルの座は、3年目のマーシャル・ニューハウスと2年目のデレク・シェロッドが争うことになる。昨季すでにクリフトンは大きく衰えていたので、彼が抜けたといってもさほど大きな戦力ダウンではない。昨年1巡指名のシェロッドはスネの骨を両方(腓骨と脛骨)とも骨折する大ケガを負ったが、リハビリは順調でトレーニングキャンプに間に合う見通し。ニューハウスは代役で9試合先発してプレッシャーを41.5回も許してしまったが、まだ伸びシロは残っていて、今夏の成長は期待してもよさそうだ。ドラフトでは上位指名があるのかどうか。