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Notebook: ロングパスを防いだ
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2011年10月12日
- RBライアン・グラントは最初のシリーズで3回キャリーしたが、ファンブルロストしたあとは4キャリーだけ。そのうち3回は最後の時間消費シリーズ(残り7分32秒から1分14秒)でのものだった。しかしジョー・フィルビンOCは、ファンブルは影響していないと言う。 「たまたまそういう配分になっただけだ。ジェリー(フォンテノーRBコーチ)とはそういう話し合いは一切していない」
- Iフォーメーションからのプレーアクションがこれほど効果的なのは久しぶりのことで、まるでこちらがファルコンズのようだった。今季は比較的コンスタントにランが出ているので相手LBは警戒せざるをえず、LBとSの間に大きなスペースができた。WRジェニングスへの29ydsTDパスもそのスペース。
- パッカーズはここまで毎週ロングパスに苦しみ、20yds以上のパスをNO戦6回、CAR戦8回、CHI戦5回、DEN戦4回と計23回も許してきた。しかし今回はわずか1回、それも8点リードした第4Qに入ってからだった。
- ドム・ケイパースDC。 「正しい方向への一歩だ。相手レシーバーの陣容からして、4回か5回はディープを狙ってくると予想していた。そのとおりになったとき、こちらはいいプレーがいくつかできた。CBサム・シールズの方へ2回ほど投げられたが、彼はいいプレーで防いだ。これこそ我々が強調していたことだ。ビッグゲインを容易に許さなければ、相手は我々相手になかなかエンドゾーンまで進めない。昨日はそのとおりのことが起きた」
- ファルコンズはRBマイケル・ターナーに最初の2TDシリーズでラン10回36ydsもキャリーさせたが、その後の8ポゼッションでわずか6回20yds。
- ラン守備がうまく行った理由についてケイパースDC。 「行かせたい所に我々が行かせたことだ。彼は踏ん張って縦に走るときがもっとも効果的だ。そのとおりになったランも1回か2回あったが、全体的にはうちのDLたちはしっかりしたテクニックでプレーし、LBたちもいい仕事をした。ゲインされたプレーは、外へ走らせたのはよかったがミスタックルしてしまった。どこであっても倒すのは容易でないが、縦よりも横へ走っている時の方がまだ倒しやすい」
- 序盤に数回、マシューズに代わり左OLBでジェームズ・ジョーンズが出ていたのは、マシューズの防具のトラブルのため。
- 2006年以来、パッカーズはNFL最多の127インターセプト。つまりCBチャールズ・ウッドソンがFA加入した年からだ。
- WRランドール・コブは先週までのキックオフリターンで自陣20yds未満でタックルされたことがなかったが、今回は3回とも20ydsに届かなかった。キャッチした場所はゴールライン8yds奥、6yds奥、5yds奥。スローカムSTコーチはおおまかに、リターンしてよいのはゴールライン5ydsまでと決めている。WRコブにもっと厳しく原則を守らせることを検討しているか、という質問にスローカムSTコーチ。 「そうだね。もしまた同じキックオフが来たら、タッチバックを選ぶべきだ」
- ただしコーチ陣は、問題はリターナーよりブロッキングユニットだとしている。 「ブロッキングユニットがもっとよい仕事をする必要がある。パントリターンでもキックオフリターンでも、ブロッキングを向上させるのが次への課題だ。一瞬チャンスに見えたときでも、バックサイドのブロッキングが悪くて台無しになっていた」とマッカーシーHC。
- 第3Q残り2分12秒、パントキャッチ後の反則かどうかの場面でサイドラインから選手がぞろぞろ出てしまい、アンスポーツマンライク・コンダクトの反則に。 「サイドライン・ペナルティは言い訳のしようがない。完全にヘッドコーチの責任だ。自分に失望している。オフィシャルは2回も警告をし、ちゃんとこちらとコミュニケートしていたのだから。非常に感情的かつエネルギッシュなゲームの中で、こちらの選手はのめり込んでいた。ただ境界線は守らなければ」とマッカーシーHC。
- 第3Q残り1分08秒あたりでパッカーズ首脳がカメラに映った。左からラス・ボール交渉担当(選手サラリー担当)、テッド・トンプソンGM、マーク・マーフィ社長、ジェイソン・ウィード副社長。
- 土曜にタイタンズから解雇されたFBクイン・ジョンソンはウェイバーでブロンコスへ。
- 地元両紙のファルコンズ戦レビューから。
- 昨季プレーオフでは42%もブリッツを入れてきたファルコンズ(DCは同じブライアン・ヴァンゴーダー)だが、今回はわずか20%。多人数のゾーンカバレッジでパスに飛び込もうとしてきた。QBロジャースはプレーアクションパスが10回、その多くはLBと2ディープのセーフティの間だった。
- 今回の被サック4回・ノックダウン4回ともQBロジャースの責任ではない。パス失敗13回のうち6回はレシーバーの落球。相手パスラッシュにひるむことなく、3rdダウンでのパス成績(9/12、177yds、落球2)は驚くべきもの。
- レシーバーはちゃんと走りさえすればQBロジャースがどんぴしゃのパスを投げてくれる。それだけでなく、キャッチ後にレシーバーが身を守れるだけの1ydsか2ydsのスペースを必ず確保してやっている。
- 昨季はTDになりそうなパスを5回落としたWRジョーンズだが今回は違った。右スロットにセットするとマッチアップ相手がCBブリッツに入ったので、彼はFSデクーを2歩引き離してきれいにキャッチ、SSサンダースもぶっちぎって70ydsのTD。第4Q残り4分46秒には、相手がこの日唯一の6メンラッシュで勝負をかけてきたが、彼は左アウトサイドで5ydsのパスをキャッチし、CBダンテ・ロビンソンのタックルを振り切って21ydsのゲインに。第3Q半ばにも、右に逃げたQBロジャースからのパスをキャッチして30ydsゲインした好プレー。
- TEクウォレス欠場のため、TEクラブトリー(28)と新人TE D.J.ウィリアムズ(16)はどちらも今季最多出場。TEクラブトリーはランのプレーサイドで好ブロックが何度か。TEウィリアムズはフィジカルなブロッキングができている時もあるが、ためらいがちな時もある。
- TEフィンリーはTwitterをやめて親指を休ませればあのTDパスはキャッチできていたかも、とPress-Gazette紙はジョーク。
- パッカーズのRBは滅多にファンブルしないだけに、たまにあると目立ってしまう。
- RBスタークスは最初のキャリーこそノーゲインだったが、その後の読みはよかった。タックラーを吹っ飛ばす馬力に加え、コーナーを回りきって11ydsゲインしたスピードもある。ただ今回もプロテクションが不安定で、プレッシャーを1.5回許した。
- 試合中でのサイド変更(RT14スナップ→LT52スナップ)、騒がしい敵地ではとくに大変なことだが、LTニューハウスは非常によいプレー。被サックゼロ、ノックダウンゼロ、プレッシャー1回、”Bad Run”(1yds以下に抑えられたランプレー)責任は1.5回のみ。8月半ばの彼とは比べ物にならない安定ぶりだった。(この項Journal Sentinel紙)
- LTニューハウスは手の使い方がいい。最初のパンチがよいだけでなく、パスラッシャーのインサイド側をターゲットに手を出しているのがいい。それがよいパスブロッキングのカギ。その手がアウトサイドの肩に近づくと、カウンター・ムーヴの餌食になりやすい。彼は相手の体の中心近くに手を当てている。試合を通じて簡単に崩されることがなく、シーズン末までには(衰えてきた)LTクリフトンよりよくなっているかも。かつて代役LTに入ったLGダリン・カレッジは大失敗だったが、いまはクリフトン抜きでも勝てそうに見える。(この項Press-Gazette紙)
- 意外なことに、新人RTシェロッドは右タックルでも場違いに見えなかった。ここが彼のベストポジションである可能性もなくはない。手の使い方がよく、DEレイ・エドワーズやDEシドベリー相手に長い腕を活かした。DEシドベリーにサックとノックダウンを1回ずつ許した。デビュー戦としてはまずまず。(この項Journal Sentinel紙)
- RTシェロッドは技術面が今ひとつで、腰高になることが多く、序盤はスタントやブリッツに混乱することも。かならずしも見た目はよくなかったが、なんとか仕事はやりおおせた。手の置き方は必ずしも正しくなかったが、体が大きく腕が長くよい脚を持っている。プレシーズンでは両足が揃いすぎてインサイドやカウンター・ムーヴに抜かれていたが、今回は素早い一歩目のフットワークでおおむねバランスを保てた。(この項Press-Gazette紙)
- Cウェルズは先週までのような出来ではなかったが、両ガードよりはずっとよかった。RGシットンは”Bad Run”が2回あったうえに手痛いホールディングも。(昨年と違い)今年は圧倒的な力を発揮できていない。LGラングは5試合で5回目のフォルススタート。DTピーターズに一瞬で抜かれてサックを献上し、ランプレーでは可もなし不可もなし。
- サックが1回のみとはいえ、後半のパスラッシュはQBマット・ライアンを揺さぶることができた。ヒットが間に合わなくても、パスのコントロールが狂って2インターセプトにつながった。
- 不出来だった先週と違い、DL陣は相手にAギャップとBギャップ(つまりインサイドのラン)で成功を許さなかった。DEラジ(54スナップ)とNTピケット(27)がブロッカー2人ずつを受け止めるので、ILB陣がRBターナーを仕留めやすかった。DEウィン(32)もポイントオブアタックでしっかり正対してプレーしていた。DEウィルソン(12)はTEレジー・ケリーを吹っ飛ばして3ydsロスに仕留めたプレーあり。
- しかしDL陣のパスラッシュは弱く、DEラジがLGブレイロックをブルラッシュしてプレッシャーをかけたのが1回あるだけ。まずレーンを守るよう指示されているとはいえ、パッカーズにはどうしてもポケットを破壊する力が必要。
- OLBマシューズとOLBウォルデンはどちらもノックダウン3回ずつ。OLBマシューズはRTタイソン・クレイボから大きな反則を2回引きだし、OLBウォルデンも激しいパスラッシュを見せた。相手はOLBマシューズを全体の40%でダブルチームし、それでコントロールできていた。ケヴィン・グリーンOLBコーチは両OLBに規律を守ってOTにぶつかっていくよう教えているが、それだとエッジのスピードラッシュのチャンスが少なくなる。
- ILBビショップはチームのベスト・ブリッツァーの座を固めた。最後の仕留め方もわかっている。QBライアンの唯一の20yds以上のパスは彼がついていたTEゴンザレスだった。脚が衰えたとはいえ素晴らしいポゼッションレシーバーのTEゴンザレスにマッチアップし、まずまずのカバレッジ。ILBホークはゴールラインでRBターナーに押し込まれたり、RBスネリングへのバックサイド・スクリーンに完全に引っかかったりしたが、WRフリオ・ジョーンズへの15ydsパスをなんとか防いだり、アンダーニースへのパスを邪魔できていた。
- Journal Sentinel紙はDB陣に今季最高の4½点。DB陣は先週までの4試合で20yds以上のパスを16回許したが、今回はゼロだった。
- プレーオフではCBウィリアムズがWRロディー・ホワイト専門でマッチアップしたが、今回ケイパースDCはCBウィリアムズを(ディフェンスから見て)左サイド、CBシールズを右サイドでプレーさせた。CBウィリアムズは肩が回復しつつあり、先週までよりアグレッシブなプレー。CBシールズも今季最高のゲームで、WRフリオ・ジョーンズを苦しめた。アウトサイドの彼らが1on1で両WRを封じたため、後半はブリッツを増やすことができた。
- 最初のシリーズだけでCBウッドソンはランサポートでのミスタックル2回、WRに簡単にブロックされて排除されたのが1回。昨季はこうしたプレーが非常にうまく行っていたのに。WRホワイトへのTDパスは、彼がクロッシングルートをアンダーカットしてインターセプトを狙いに行ったのが裏目。しかしその後は規律正しく堅実なプレーをした。
- FSバーネットは相変わらずWRのバブル・スクリーン(クイック・スクリーン)への対応がいい。自陣ゴールライン手前でも、RBスネリングへのショベルパスに対してガッツあふれるタックル。あとは、(スナップ前に)ボックスに早く近づきすぎて相手QBに手の内を見せない方がいい。SSペプラーは先発復帰以来もっとも堅実な内容。スナップ前のアジャスト指示をしっかり行い、インターセプトもアスレチックなプレーだった。
- Kクロスビーはプレシーズンを含めて13回連続成功し、今のところはすべてがパーフェクト。試合前のウォームアップでは64ydsFGを決めていた。
- WR/KRコブはパントキャッチ直後にハードヒットを受けながらファンブルせず、いかにタフなプレーヤーであるかを示している。タッチバックやフェアキャッチを好まない勇気は尊敬に値するが、そのことで判断を曇らすべきではない。キックオフリターンではバックサイドのブロッキングがよくない。