80人から53人に減らす最終ロースターカット期限を迎え、パッカーズは下表の23人を解雇した。また、FBクイン・ジョンソンをタイタンズへ、OGケイレブ・シュローダロフをジェッツへ、ドラフト指名権との交換でトレード。さらに7巡指名DEローレンス・ガイとWR/KRシェイキー・スミソンをインジャリーリザーブに入れ、これでロースターは53人となった。
必ずしもこれで開幕ロースター確定ではなく、他球団から解雇された選手の獲得やトレードもないとは言えない。2007年にはRBグラント(トレード)やFBクーン(ウェイバー)をこのタイミングで獲得している。今回はOLを8人だけにしてしまったので、もし今後補強があるとしたらOLではないか。
タイタンズがFBクイン・ジョンソンを獲ったのは、唯一のフルバックだったアーマード・ホールがつい先ほどドーピング違反で4試合出場停止になったため。代償のドラフト指名巡はまだ不明。OGケイレブ・シュローダロフは条件つきとのことで、おそらく○試合にアクティブ登録されたら7巡、といった程度だろう。すでに解雇通知を済ませていたほどなので、こちらとしてはそれでもありがたい。ジェッツはウェイバー優先順が30位と低いため(仕組みは後述)、ドラフト時に気に入っていた選手を他球団にさらわれる前に確保したかったものと思われる。
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オフェンスのサプライズはQBグレアム・ハレルの解雇。過去2年と同じくQB2人体制で開幕を迎えるが、球団側はハレルをプラクティス・スクワッドに確保する意向を明確にしている。6番手WRのロースター入りはならず、トリ・ガーリーもチャスティン・ウェストも解雇となった。TE陣は新人2人を含む5人体制となり、FBはクーン1人となった。控えC/Gでは不評のニック・マクドナルドが解雇され(プラクティス・スクワッド資格あり)、イヴァン・ディートリック=スミスが2番手センターに。
ディフェンスのサプライズはOLBジャマリ・ラティモア、FS M.D.ジェニングスが残ったこと。OLBヴィック・ソートを合わせ、今年はドラフト外から3人がめでたくロースター入りとなった。OLBブラッド・ジョーンズもなんとか残ってLB陣は10人の大所帯に。3年目のS/CBブランドン・アンダーウッドはやはり解雇されている。
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NFL経験4年未満の解雇選手はすべてウェイバー公示の対象となり、獲得希望(claim)を出した中で最も優先順の高い球団が獲得できる仕組みとなっている。ウェイバー優先順はドラフトと同じく前年の成績順なので、今季のパッカーズは最下位。他に1つでも手を挙げる球団があればそちらにさらわれてしまう。解雇から1日経って獲得希望球団が1つもなければ無制限FAとなり、いつでも好きな球団と契約できる。
過去3年間のパッカーズは最終ロースターカット後のウェイバー獲得希望を1つも出していない。逆にパッカーズから解雇された選手は、昨季NFL最多の5人が他球団に拾われた。システムに習熟していないことを承知で開幕ロースターに入れるのだから、それだけ能力を買われたことになる。
プラクティス・スクワッド(8人枠)に契約ができるのも解雇から1日経ってから。下表の解雇選手の中にも、球団から「プラクティス・スクワッドに入れるつもりなので街に残っていてくれ」と伝えられた選手はすでに何人もいる。といっても必ずしもパッカーズと契約する必要はない。たとえばWRならば層の厚いパッカーズにしがみつくより、他球団のプラクティス・スクワッドを狙った方がロースター昇格の望みがある。代理人なら当然そう勧めるだろう。
Packers 2011 Final Roster Cuts | |||||
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Pos. | Name | College | Exp. | 備考 | |
QB | Graham Harrell | Texas Tech | 1 | プラクティス・スクワッド候補 | |
RB | Dimitri Nance | Arizona State | 2 | 昨季途中で加入。上位3人の壁が厚い | |
RB | Brandon Saine | Ohio State | R | プラクティス・スクワッド候補 | |
FB | Jon Hoese | Minnesota | R | プラクティス・スクワッド候補 | |
WR | Chastin West | Fresno State | 1 | 解雇されたWRの中では完成度一番 | |
WR | Tori Gurley | South Carolina | R | 193cmでキャッチングも上手い | |
WR | Kerry Taylor | Arizona State | R | こちらもプラクティス・スクワッド候補 | |
WR | Diondre Borel | Utah State | R | 大学ではQB。ポテンシャルありそう | |
OT | Chris Campbell | Eastern Illinois | 1 | 昨年プラクティス・スクワッド | |
T/G | Ray Dominguez | Arkansas | R | プラクティス・スクワッド候補 | |
C/G | Nick McDonald | Grand Valley State | 2 | 2年目の成長がなく逆転を許す | |
C/G | Sampson Genus | South Florida | R | 身長183cmのずんぐり型 | |
DE | Chris Donaldson | Oklahoma State | R | ケガでキャンプの半分を休んだ | |
DE | Eli Joseph | Temple | R | 双子選手 | |
NT | Jay Ross | East Carolina | 1 | 昨年プラクティス・スクワッド | |
OLB | Ricky Elmore | Arizona | R | 6巡指名は完全な失敗だった | |
ILB | Elijah Joseph | Temple | R | 双子選手 | |
ILB | Cardia Jackson | Louisiana-Monroe | 1 | 昨年プラクティス・スクワッド | |
CB | Josh Gordy | Central Michigan | 1 | CBパット・リーに敗れた | |
CB | Brandian Ross | Youngstown State | R | プラクティス・スクワッド候補 | |
S/CB | Brandon Underwood | Cincinnati | 3 | 不祥事、ケガ、新ポジションもイマイチ | |
S | Anthony Levine | Tennessee State | R | 仲間と激突して脳震盪は気の毒 | |
S | Anthony Bratton | Delaware | R | 控えセーフティの中でも底辺 | |
Traded | |||||
Pos. | Name | College | Exp. | トレード先 | 備考 |
FB | Quinn Johnson | Louisiana State | 3 | Titans | 移籍先で花開くかも |
OG | Caleb Schlauderaff | Utah | R | Jets | 6巡指名だが期待外れ |
To Injured Reserve | |||||
Pos. | Name | College | Exp. | 備考 | |
WR | Shaky Smithson | Utah | R | 良いリターナーだが肩の負傷 | |
DE | Lawrence Guy | Arizona State | R | 7巡指名。脳震盪の影響が長引いた |