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Notebook: OLBソートの躍進
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2011年9月 3日
主力に新たなケガもなくプレシーズンを終え、これから2日間の話題は最終ロースターカットだ。誰を残して誰を切るのか。タレントを取るのか、ポジションのデプス確保を優先するのか。わずか1か月しか見ていない新人選手の伸びシロをどう判断するのか。
- マイク・マッカーシーHC。 「まさしく我々の必要としていたゲームができた。プレシーズンを通じてチームとして進歩するという目標を達成でき、チームの現状に好感触を持っている。今回の最優先事項は、最善の53人を選ぶために(控え)選手たちに最大限のプレー機会を与えることだった。それができたと思う」
- オフェンス
- OL陣で最もがっかりだったのはC/Gニック・マクドナルド。センターではショットガンスナップがQBの頭を越えてしまいセーフティに。左ガードではフォルススタートを犯している。控えOL陣の不振について彼は、「僕らはいいプレーができなかった。もっとしっかりマット(QBフリン)を守らないと。言い訳はできない。さいわいディフェンスのおかげで勝つことができたけど、もっとよいプレーをしなければ」と話している。
- C/Gニック・マクドナルドは高いフットボール知能を評価して昨季ロースターに残した選手だが、2年目の成長は期待外れと言うべきだろう。イヴァン・ディートリック=スミスの方がマシ、という声が増えてきた。
- ジェイソン・スピッツとT.J.ラングが控えにいた昨年と違い、インサイド3ポジションのバックアップはやはり心もとない。トンプソンGMのやり方はわかるが今年はベテランを補強すべきでは、という声も。
- 1巡指名デレク・シェロッドは第2シリーズから最後まで左タックルを担当。今回はそこそこの出来だったようだ。
- 3巡指名RBアレックス・グリーンは、デビュー戦でスクリーンパスでロングゲインしたあとは数字が伸びなかった。3試合でラン16回23yds。「チーム・エフォートだからね。1人がしくじるとプレー全体がダメになることもあるし、全員の呼吸が100%合わないといけない」と暗にブロッキングのせいにしている(事実だが)。「今はまだNFLの雰囲気をちょっとかじっただけ。これからはもっと激しくなってくる。長くタフなシーズンに備え、僕もレベルアップしていかないと」
- チャレンジで覆されたものの、WRトリ・ガーリーはサイドライン際の見事なロングパスキャッチがあった。以前いたWRルヴェル・マーティンに似ているが(身長は同じ193cm)、彼よりも少しアスレチック能力が高そう。6番手としてロースター入りできるチャンスがあるのは、WRチャスティン・ウェストよりも彼ではないか。
- ディフェンス
- ディフェンスの総スナップ数はなんと86回(オフェンスはわずか42回)。控えディフェンス選手の評価をするのにこれ以上のゲームは望めないだろう。「ディフェンスには非常に感心した。じつは先ほどロッカールームでも選手たちを絶賛してきたところだ。必死に頑張り抜いた、といった勝ち方だった。最後の1プレーまでね」とマッカーシーHC。
- OLBヴィック・ソートは1.5サック・1ファンブルフォース・1INTを挙げてロースター入りを確実に。それだけでなく、チームとしてはパスラッシャーとしての実戦起用を検討することになるかも。 「アウトサイドでなくインサイドに行っていればサックできていた、というのが2つぐらいあった。KG(ケヴィン・グリーンOLBコーチ)はすごくがっかりすると思う」と本人。NTハワード・グリーンは、「ヤツは怪物だよ。若き怪物。力強いし、才能があって、しかも教えやすい」
- 元DEのOLBソートが不慣れなパスカバレッジで一発大仕事(ビデオ)をしたのも頼もしい。「じつを言うとあのカバレッジはよくなかったんだ。TEを外に行かせてしまって。コーチからは叱られると思う。でもRBマクラスターにパスを投げてくるのが僕にはわかり、そのとおりになってくれと思った」
- OLBソートは昨年のOLBゾンボ(同じくドラフト外)より上のタレント、という声が増えてきた。ちなみ彼はサモア系で、スペルは Vic So'oto 。最初の"ソ"を弱く、真ん中の"オ"にアクセントを置いて、"ソオト"という感じに発音する。ブリガムヤング大では最初はTEをプレーし、2007年にパスキャッチ12回124ydsを記録。翌年からDEにコンバートされた。40yds走4.68秒、ベンチプレス35回はどちらも優秀。
- OLBソートはフィールドを去る際にファンとハイファイヴ。 「僕にとってはかけがえのない経験だ。世間は僕の力を疑っていた。大学のコーチからは、『フットボール後は何をする?』 と聞かれてちょっと傷ついたよ。妻からも、『(フットボールでダメだったときの)プランBはなに?』 と聞かれて僕は答えた。『プランBなんてない。フットボールをプレーするんだ』 」
- 3年目のOLBブラッド・ジョーンズはまったく目立たないままプレシーズンを終えた。もしOLBゾンボが骨折していなければクビだったのではないか。プロ入り3年間でどんどん悪くなる珍しい例、との酷評も。
- 肩甲骨骨折で休んでいるOLBフランク・ゾンボ。 「チームからは、インジャリーリザーブ入りはないと聞かされてる。絶対とは言えないだろうけどね。僕はまだ2年目で、(選手人事の)システムを知り尽くしてはいないし。肩の機能的にはすごくいい状態で、ただ骨がつながるのを待っているだけ。痛むのは腕じゃない。フィールドに出て仲間と争えないことだ。復帰しても(即先発でなく)競争が待っている。待ち遠しいよ」
- 自らの巨体ごとQBキャッセルを地面に叩きつけたNTハワード・グリーン(写真)。 「僕はただダブルチームを突破してフリーになり、あとは彼を地面に倒すだけ。簡単なレイアップを決めただけだ」とバスケに例えている。「むこう(の主力)が後半にも出ていたのはちょっと驚きだったけど、こっちにとってはよかった。来週へのよい準備になった」
- 脳震盪から復帰のDE C.J.ウィルソンはパスラッシュがイマイチではあるものの、ラン守備でかなり良い働きをしている。このオフシーズンに20ポンドほどバルクアップしたとのこと。
- CBパット・リーは今回の活躍(9タックル・1ファンブルフォース・2ファンブルリカバー)で開幕ロースター入りを確実にしたかもしれない。オープンフィールドでのタックリングもよかった。 「今回の働きには満足してる。好プレーを決めようと頑張り、ボールに向かってハッスルした。そうしていたら、プレーが向こうからやってきた。1stチームを相手に、僕はよいフィルムを残すことができた」
- CBリーと争うCBジョシュ・ゴーディ(昨年プラクティス・スクワッド)だが、前半最後の4thダウンでWRドゥウェイン・ボウに2ydsTDパスを許した(片足がラインに乗っているように見えたが証拠不十分で覆らず)。本人は話さないが、肩回りのどこかを痛め、鋭い痛みをこらえながらの奮闘だった。 「自分にコントロールできることをコントロールしただけ。僕はスピードとエフォートでプレーした。できるのはそれだけだし、力を出し尽くしたことには救いを感じてる。さあ、決断の時だね」
- 試合開始までのスタジアムの様子をビデオにまとめた"Sights & Sounds"。
- 今回のフライ・オーバーは単独飛行だった。(写真)
- 大学フットボールはレギュラーシーズンが開幕。全米ランク11位のウィスコンシン大は格下のUNLVを相手に51-17で快勝している。