グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2011年4月16日

シーズン総括と展望 ST編

不振をきわめた'09年よりは改善されたものの、Dallas Morning News紙のスペシャルチーム総合ランキングで29位(前年31位)、Football Outsiderのランキングでは27位(前年32位)と、依然として低空飛行を続けている。これでプレーオフを勝ち抜けたのが不思議だが、興味深いことに'09年シーズン優勝のセインツも同じく29位だったらしい。

その中で大きく向上したのがパント・チーム。'09年にネット最下位だったPジェレミー・カピノスを放出し、Pティム・マステイを採用したのが成功した。シーズン序盤こそ苦しんだもののしだいに調子を上げ、好パントを連発して勝利に貢献。グロス11位、ネット16位という数字は一流パンターとくらべて平凡かもしれないが、寒冷地チームでの1年目としては上出来だろう。2年目の今年はさらなる成長に期待したい。

またスタッツには表れないものの、スペシャルチームの反則数は'09年の32回(17試合)から22回(20試合)へと大きく減らすことに成功。1試合あたりの反則数では'06年以来最少だった。とくにシーズン後半はホールディングの反則が激減し、多少はフィールドポジションに貢献できた。

ケガのSウィル・ブラックモンを開幕前に放出したのが響き、リターン・ゲームは相変わらず人材不足。キックオフリターナーはWRネルソン、CBシールズ、CBリー、RBスタークスの4人を使ってみたが、けっきょく誰もエースの座を確保できず、平均20.1yds(NFL26位)に終わった。パントリターナーの方はCBトラモン・ウィリアムズが独占しているが、平均7.9yds(NFL22位)とこちらもいまひとつ。

今年はKメイソン・クロスビーがFAとなる。成績からして高額オファーが来るような選手ではないので、安価で再契約できるはず。ドラフト外かドラフト下位指名のルーキーと競わせることになるのではないか。「パンターとキッカーを合わせて3人」の体制でキャンプを迎えることが多いので、キッカーが2人ならばパンターは競争なしとなる。リターナー候補も新人に期待。リターナー能力のあるWRを2巡から4巡あたりで指名する可能性はかなりある。

メイソン・クロスビー  Mason Crosby | Kicker |  Colorado
6-1 (185cm) | 207lbs (94kg) | 5年目 26歳 | 2007年ドラフト6巡

FG成功率78.6%と今年も8割を超えられなかった。シーズン前半はCHI戦とWAS戦でのFG失敗が敗戦に直結。シーズン後半はロングFGトライが少なかったせいか成功率を上げた。試合終了直前の決勝FG成功は'07年デビュー戦の一度だけで、彼の勝負弱さがここ数年の競り負けの多さにつながったのは否めない。またキックオフ飛距離のダウンも顕著で、ルーキーシーズンから3年間で43回のタッチバックを蹴っていたのに、昨年はわずか4回だった。

今年は初めてのFAとなるが、さほど高い金を出さずとも再契約はできるはず。今年FA市場に出てくる有力キッカーは飛距離のダウンしたベテラン選手が多いので、もしクロスビーから切り替えるなら新人を選ぶことになるのではないか。今年はFA解禁の方が後になりそうなので、ドラフト下位で優秀なキッカーを獲得できたら再契約を見送る手もある。

ティム・マステイ Tim Masthay | Punter | Kentucky
6-1 (185cm) | 200lbs (91kg) | 2年目 24歳 | 2010年FA

昨夏はオーストラリア人のPクリス・ブライアンに競り勝って正パンターの座をつかみ、シーズン序盤は苦しんだものの中盤から調子を上げて優勝に貢献。とくに第8週NYJ戦や最終週CHI戦では好パントを連発して勝利を引き寄せた。グロス43.9yds(11位)、ネット37.6yds(16位)という成績にくわえ、「インサイド20:タッチバック」が25回:5回とプーチパントも上手くなってきた。前任者のPカピノスは15回:10回だったのだから、この部分の改善は目覚ましい。

2008年開幕前にPジョン・ライアン(同じく赤毛)を放出する判断ミスを犯して以来、パッカーズのパンターがシーホークスでのPライアンの成績を上回ったのは初めてのこと。タフな状況でも落ち着いて蹴れることも証明しており、今年はライバルを入団させずに成長を見守るのではないか。フィールドゴールのホルダーとしても、ミスらしいミスを犯していない。

ブレット・グード  Brett Goode | Long Snapper | Arkansas
6-1 (185cm) | 255lbs (116kg) | 4年目 26歳 | 2008年ドラフト外

2008年夏の入団以来3年にわたって正ロングスナッパーを務め、スナップミスが一度もない。この商売はそれが全てだ。今年も彼の地位は安泰で、ライバルの入団はないはず。なおデプスチャート上ではRGジョシュ・シットンが2番手ロングスナッパーとなっているが、実戦でスナップしたことはない。

 

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