グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2011年2月27日

エドガー・ベネットがWRコーチに

ジミー・ロビンソンの移籍で空席となったWRコーチに、エドガー・ベネットRBコーチが横滑りで就任することをマッカーシーHCが発表した。空いたRBコーチには、アシスタントOLコーチだったジェリー・フォンテノーを充てることに。2人ともそのポジションのプレー経験もコーチ経験もなく、サプライズ人事と見なされている。ほとんどの球団が組閣を終えているため、いまフリーでいる中にふさわしい人物が見当たらなかったのかもしれない。

アシスタントコーチの仕事は、担当ポジションの選手を指導する時間より、大量の映像やデータを分析してゲームプラン作成に貢献する、分析・立案スタッフとしての時間が圧倒的に長い。連日の泊まり込みも辞さない精力と忠誠心が重要で、ときに経験豊富なベテランよりも若造がコネで選ばれるように見えるのもそうした要素のためだ。

マイク・マッカーシーHC。「ただ外に出かけて最高のWRコーチを探してくるだけでは十分ではない、と私は思っている。その人物が我々のコーチング・ルームにフィットしなければ意味がない。そうしたことが非常に重要なのだ。我々スタッフは6年間にわたって一緒にやっている。我々は向上を続けたいし、向上の機会を常に求めている。ジョー・フィルビンOCとも長時間話し合った」

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エドガー・ベネット新WRコーチ Edgar Bennett はフロリダ州ジャクソンヴィル出身の42歳。フロリダ州立大から'92年ドラフト4巡でパッカーズに入団、2年目からエースRBとして活躍し、'96年のスーパーボウル制覇にも貢献した。'99年のベアーズを最後に引退すると、"director of player programs"として、パッカーズ選手の私生活も含めたアドバイザー役(2002年の記事へ)を4年間務めた。'05年に念願のRBコーチとなり、ヘッドコーチがシャーマンからマッカーシーに代わってもRBコーチを続けてきた。

ベネットといえば、徹底したボールセキュリティ重視とブリッツのピックアップ指導で大きな成果を挙げている。昨季はエースRBグラントがランプレーでのファンブルゼロ、今季もRB陣は一度もファンブルロストを犯さず、ターンオーバーレシオに貢献した。今季ファンブルの多かったWR陣のボールセキュリティを改善することも重要な役目、とマッカーシーHCは認めている。

キャリアのためにはポジションの幅を広げることも重要で、RB一筋のベネットにとっては願ってもないチャンスだ。「私がポジション変更のアイディアを切り出したところ、エドガーの反応は熱烈なものだった。彼はいずれコーディネーター候補と見なされるようになるだろう。1つのポジションに留まっていては、結局それだけの人になりやすい。今回は彼にとっては大きなチャンスだが、そのためにこの仕事を与えたわけじゃない。我々のスタッフにとって、我々のオフェンスにとって最善だと考えたからだ。私もジョー(フィルビンOC)もQB-WRミーティングに出るし、トム(クレメンツQBコーチ)とエドガーは長い時間を共に過ごすことになる」とマッカーシーHC。

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ジェリー・フォンテノー新RBコーチ Jerry Fontenot はルイジアナ州ラファイエット出身の44歳。テキサスA&Mから'89年ドラフト3巡でNFLに入り、ベアーズとセインツとベンガルズでセンターとして16年239試合にわたって活躍した。マッカーシーとのセインツ時代の縁で'06年夏にインターンとしてキャンプに参加すると、すぐに働きが認められてフルタイムとなり、'07年1月にはアシスタントOLコーチに就任。キャンペンOLコーチやベネットRBコーチと連携して、ランニングゲーム強化に努めてきた。

彼にとってスキルポジションの指導は初めてのこと。マッカーシーHCは、「私は持論を証明するためにこうしたわけではない。全幅の信頼がなければ彼を選んだりはしない。私はジェリー・フォンテノーを昇格させたかった。他球団に獲られることも心配していたし」と説明している。

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2年間"Quality Control"を務めてきたジョン・ラッシング John Rushing がアシスタントWRコーチ兼アシスタントSTコーチに。ワシントン州立大でDBをプレーしたあとコーチの道に進み、ユタ州立大など5つの大学で13年間にわたってDBコーチなどを務めた。NFLのマイノリティ・コーチング・インターンシップ・プログラムで'08年夏のキャンプに参加し、翌'09年1月から"Quality Control"としてフルタイムのコーチとなった。

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ジョエル・ヒルゲンバーグ Joel Hilgenberg がオフェンスの"Quality Control"として上記ジョン・ラッシングの後任を務める。アイオワ大から'84年のドラフト4巡でセインツに入団、センターおよびガードとして9年間で142試合に出場。'92年にはプロボウルにも選ばれ、今ではセインツの殿堂入りも果たしている。昨年のミニキャンプからインターンとしてパッカーズに加わり、OL指導をアシストしてきた。すでに48歳で、コーチの道に入るにはかなり遅い。

"Quality Control" とは、要はいちばん下っ端のアシスタントコーチであり、NFLコーチへの入り口といっていい。コンピューターを駆使した映像やスタッツの分析などが主な役目。1つか2つ先の対戦相手のための準備を先に進め、相手ディフェンスの性質、フォーメーションの頻度やプレー選択の傾向などを分析して下準備しておく。練習フィールドではポジションコーチたちのアシストもする。

カテゴリ : Coach/Front Office