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Packers - Bills Notebook
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2010年9月21日
- ハーフタイムで選手たちに向かい、マイク・マッカーシーHCが前半の出来を評したのが "Flat and Sloppy" だった。Flatは「気の抜けたような」「気合の足りない」といったニュアンス。Sloppyは「雑な」「いいかげんな」「ミスの多い」といった感じ。多彩な放送禁止用語をまじえた激しい叱咤に応え、後半のパッカーズは見違えるようなプレーをした。「あの前半はウチのプレーのやり方ではなかった。そしてハーフタイムで我々はそのことを選手たちに伝え、選手たちはそれに応えてくれた」とマッカーシーHC。
- マッカーシーHCの怒りについてILBニック・バーネット。「ハーフタイムでロッカールームに引き上げてくるとき、コーチ・マッカーシーの顔色を見ただけでわかった」
- DEライアン・ピケット。「こういう風にして相手チームを圧倒しなきゃいけない。最初はむこうもハードに頑張ってくるが、圧力をかけ続けていけば最後には相手が折れてしまう。今日は試合を通してそれができたと思う。最後はこちらのタレントが圧倒した」
- 今週の注目はなんといっても左タックルの交代劇。我々はブラガ時代の始まりを目撃したのだろうか。
- 下記のようにコーチは明言を避けているものの、LTチャド・クリフトンがサイドラインに退いたのは新しいケガではなく、基本的にプレー内容によるもの。代わったLTブライアン・ブラガの出来がよかったので、これでスターター交代となってしまう可能性は十分ある。「サラリー$7.5ミリオンの控えOL誕生か」という記事が出るのは無理もないが、このために1巡指名でLTブラガを獲ったのだから。
- 「チャド・クリフトンは先週2回練習できなかったように、ずっとヒザに問題を抱えている。完全に回復したようには感じられなかったので、ブライアン(ブラガ)を投入することが重要だと私は思った」とマッカーシーHCは曖昧な受け答え。恒久的な先発交代なのか、と聞かれると、「今日のクリフトンは健康には見えなかった。先週のフィラデルフィアでも苦しみ、だから今日ブライアンをプレーさせた。明日朝に評価を行い、来週のプランを決める」
- 良いプレー内容だったLTブライアン・ブラガだが、コメントはかなり殊勝。「とくに新人としては、地に足をつけておくことが大事だ。どんな順位でドラフトされようと、(おごらず)謙虚でいなければ。ぼくはまだ学んでいる最中。クリフトンとタウシャーという偉大なタックルのいるチームに加わり、僕は彼らから学ばなきゃいけない。入団したときからそうしているし、今後もそうするつもりだ」
- 自身のプレー内容についてLTブラガ。「落ち着いてプレーできたし、まずまずだったと思う。フォルススタートはやってはいけないメンタルエラーだけど、修正可能な失敗だ。テープを見て問題点を探し、それを直していきたい」
- QBアーロン・ロジャースは前半のQBレーティングが72.4。後半は152.7。
- 「ハーフタイムにはいろいろな言葉が交わされたけれど、結局は僕らのエクセキューションの問題だ。第2Qは3rdダウンを成功できず、いいプレーがひとつもできなかった。第3Qに入ると、ディフェンスが(INTを奪って)僕らによいフィールドポジションを与えてくれて、僕らもよいエクセキューションができた」
- 「先週言ったように、あれほど出来が悪いと、後は上に上がるしかない。自分としては今日は判断のよいゲームができた。スローイングそのものについては、どうしてかわからないが、しっかりしたスパイラルが投げられなかったパスが数回あったのが残念だ。でも後半は自分の力が出せたと思うし、本来のリズムでプレーできた」
- スクランブルでTDランを決めたが、ランボーリープは高さが不十分。「これが3回目のランボーリープだと思うけど、かなりひどい出来だった。サイドラインでみんなにいろいろ言われたから、『いいか、僕は疲れてたんだ。長いランでふくらはぎがつってしまったし、あそこの壁はすごく高い』って。(改修前の)2005年にはRTタウシャーが(エリジブルレシーバーで)TDパスを捕って、リープしようとした場所だ。反則で取り消しになったけど。あまりアスレチックでない僕らでもジャンプできるよう、また低い部分を作っとく必要がある」
- ハードカウントは効果的で、ビルズのオフサイドを3回(うち2回は最初のドライブ)を誘っている。オフサイドがなくても、相手パスラッシャーを慎重にさせる効果や、ブリッツァーの有無を判断しやすくなる利点もある。
- 厳しい言い方をすれば、RBブランドン・ジャクソン(11回29yds)ではやはりRBグラントの穴は埋まらない、と言われても仕方のない成績だった。「穴に飛び込むタイミングが必ずしもよくなかった。もっといいタイミングで飛び込み、もっとアグレッシブに行かなければ。慎重にブロッキングを読もうとしすぎたように思う。たしかに、いつも穴が開いていたとは言えない。ふさがっていたことが多かった。でもフィルムを見てそこから学ばないと」
- ランニングゲームについてマッカーシーHC。「"RB by committee"(突出したエースRBなしでグループ運用)ではRBがリズムをつかむのが難しい面もある。それは理解できるが、我々は今後もこれを続け、ラッシング回数を分け合っていくつもりだ」
- FBジョン・クーン。「むこうはまずパスを止めに来ていた。それは明らかだったし、今後も対戦相手はそうしてくるだろう。だから僕らが頑張れるチャンスが必ずあるわけだよ。まだ向上の余地はある」
- 初先発のFBクイン・ジョンソンは、最初のシリーズの3rdダウン1で11ydsパスキャッチを決め、これがキャリア最長。短い3rdダウンでFBへのパス(チェックダウンでなく決め打ち)は、第2QにもFBクーンへのパス(落球)があった。
- TEジャーマイケル・フィンリーはいかにも彼らしいコメント。「後半は本来の姿に近いオフェンスができた。でも本当の僕らはこんなものんじゃない。僕らは偉大なオフェンスを作ろうと努力しているんだ。パス300yds以上のね。今日の程度のパフォーマンスのためじゃない」
- TEフィンリーをダブル(またはトリプル)チームで徹底マークしてきたイーグルスと違い、Journal Sentinel紙によれば今回ビルズは全体の50%でTEフィンリーにシングル・カバレッジを使ってきた。4キャッチという数字は先週と同じだが、34、32、22、15ydsと長いパスばかりで、すべて得点シリーズ。「マンカバレッジ多用は僕は全然予想していなかった。オープンになるスペースがたっぷりあった。マンで来るなら、僕は脅威になる。相手にはその代償を払わせないと」
- 昨季100ydsラッシングをわずか4回しか許さなかったパッカーズのラン守備だが、今季はこれですでに2回。
- Journal Sentinel紙のPlay of the Game図解は、第3QのILBチラーのインターセプト。ビルズの1バック・4WRのショットガン隊形に対し、パッカーズは1DL(DEジェンキンズ)・5LBの"サイコ"パッケージから5人がパスラッシュした。左サイド(BUFの右サイド)に集中しているように見せ、実はOLBマシューズをカバレッジに下げ、CBウッドソンを含めて右サイドからブリッツが殺到する。ILBバーネットの後に続くようにラッシュしたILBホークがラインを突破し、QBエドワーズにプレッシャー。かろうじてボールを投げたQBエドワーズだが、コントロールが狂ってWRの手を弾き、インターセプトに。
- 今季リーグダントツの6サックを挙げているOLBクレイ・マシューズ。「少し自由に動き回ることをケイパースDCが許してくれてるからね。おかげで僕は自分の能力を最大限に活かすことができる」
- OLBマシューズについてQBロジャース。「彼がウチのチームにいてくれてよかったよ。去年も今年もキャンプの多くを休んだことで、僕らは散々彼をからかってきたんだ。でも彼のプレーにはみんなが喜んでる」
- 開幕戦で出番をもらえなかったILB A.J.ホークだが、チーム最多タイの9タックルを挙げるなど、今回のプレー内容はかなりよかった。ラン主体のビルズとあってほぼフル出場し、ニッケル隊形(相手は3WR隊形でもラン多用のため、ラン特化型のニッケル)でもサイドラインに下がらなかった。QBヒットも2回あり、うち1回が後半最初のILBチラーのインターセプトにつながった。
- ILBホーク多用についてドム・ケイパースDC。「あちらは3WRセットでも2バックを用いるなどランプレーが多いので、こちらはランを止められる強さが必要だった。(ILBチラーでなく)A.J.を入れた5DBのニッケル隊形の方が、ランを止めるにはよいと感じた」
- 今回よかったとはいえ、来週のベアーズ戦では再びILBホークの出番が減るかもしれない。「今の僕の状況では、それが現実だ。ただ、誰かに自分の力を証明する必要がある、という風には思っていない。そんな気持ちでは自分のプレーのためにならないし。チームのためにも、僕が最高のプレーをする必要がある」
- ILBブランドン・チラーはNFL通算91試合目で実はこれが初めてのインターセプト。「これまでもボールに手を触れるチャンスはたくさんあったんだけど、実際に捕るのはこのリーグでは容易じゃない。ウッド(ソン)のような選手は簡単にやって見せるけれど、見た目ほど簡単じゃないんだ。でもほんとうれしいね」
- 新人SSモーガン・バーネットはもちろんNFL初インターセプト。キャッチの瞬間にハードヒットしながらボールを奪い取ってしまった。「あのインターセプトはものすごいプレーだった。超ビッグプレーだよ。彼にならああした仕事ができると思っていたし、本当に手と目の連携がいい」とケイパースDC。
- 骨折した左手をギブスで固めてのプレーについてDEカレン・ジェンキンズ(3タックル・1サック)。「先週よりずっと楽だったよ。タックリングやボールへのパンチに利用できそう、と思えるほどだった。先週は左手を振ることも躊躇するぐらいだったことを考えると、今回はずっといい」
- ビルズのパスydsのネット(ヤーデージからサック後退分を差し引く)はわずか62ydsで、パッカーズとしては2006年第16週MIN戦(27yds)以来の好成績だった。
- マンデーナイト前の仮順位だが、パッカーズのキックオフリターン平均31.0ydsはNFL4位。パントリターン平均8.0ydsはNFL14位。
- スペシャルチームのカバレッジユニットでは、RBジャクソンやFBクーンはオフェンスで重要になったため外れ、FBホールもケガで欠場。そのためFBクイン・ジョンソンなど不慣れ選手たちが加わっている。「とくにキックオフカバレッジでは3人が入れ替わって、新しく入った選手は必要なレベルのプレーができていない。FBジョンソンが来週もプレーするなら、もっと向上しないと」とショーン・スローカムSTコーチ。
- CBとして出番のなくなったCBパット・リーだが、スペシャルチームで大ポカの反則。パントカバレッジのガンナーとしてアウトオブバウンズにいったん押し出され、戻った彼が最初にボールに触れたためだ。せっかくラッキーバウンドで50ydsパントとなったのに、相手リターナーが見送って止まったボールをみなで取り囲み、CBリーが拾い上げてしまった。蹴り直しのパントはGB陣まで好リターンされたが、さいわい相手反則のおかげで前半最後に失点を逃れることができた。
- CBリーの反則についてスローカムSTコーチ。「本人も反則ということは知ってる。選手たちの話によると、審判のホイッスルが鳴ったように聞こえ、それでボールを拾い上げてしまったのだという。自分がボールに触れてはならないことは彼は認識していた」
- 必ずしもホーム勝率の高くないマッカーシーHCだが、ホーム開幕戦に限れば4連勝を達成。5連勝以上となると初代カーリー・ランボー時代にさかのぼらなければならない。
- ホームゲームでターンオーバーを奪ってその後得点したのはこれで11試合連続。1957年にランボーフィールドができてから最長の記録だ。見た目ほど簡単ではなく、ロンバルディ時代の1960年と1961年に7戦連続が1回ずつあり、その後は1999年から2000年にかけて5戦連続があっただけ。