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Packers - Eagles Notebook
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2010年9月14日
- 48年ぶりのフィラデルフィアでの勝利についてマイク・マッカーシーHC。「アンディ・リードとフィラデルフィア・イーグルスに我々は大きな敬意を抱いている。1962年以来ここで勝っていないという歴史的重要性は理解していたが、アンディ率いるチームはいくら褒めても足りないほどだ。両チームとも激しく、勇気ある戦いぶりだったと思う。あちらは先発5人が途中退場。こちらも何人もの選手が倒れ、DEハレルの負傷退場により、我々は主にサブ・ディフェンス(2DL)で戦わざるをえなかった。攻守とも激しい戦いで、最後に我々が勝利を手に入れられて幸いだった。ここでプレーするのはタフな仕事であり、相手はタフなフットボールチームだ」
- 後半のオフェンスについてマッカーシーHC。「オフェンスのコーチとして言うと、今日は一度も十分に噛み合ってはいなかった。波に乗ってきたと思えた時もあったが。特に不満なのは、(時間を使って)ドライブを続けるべき第4Qでの3rdダウンだ。RBジャクソンとランブロッキング・ユニットは第2Qにはとてもよくやっていた。しかしあの第4Q、こちらのディフェンスは長い時間フィールドに立たされて苦しく、ディフェンシブラインマンは不足し、非常にモバイルなQBを相手に戦っていたときだから」
- 彼らしからぬミスの多かったQBアーロン・ロジャース。「ひどいプレーをした。たぶん自分にとってこれ以下はないぐらいだ。もっとプレーを向上させないと。眠っていても通せるはずのパスをたくさん失敗した。自分自身には失望しているけれど、チームとしては勝利に値するプレーができたと思う。ディフェンスは前半素晴らしかったし、前半最後のFG成功もすごかった。WRネルソンのリターンも見事だった。でも僕は馬鹿げたミスが多すぎた。ヒットされることが多く、リズムをつかめなかった」
- 前半に3サックを許したオフェンシブラインについて、ジョー・フィルビンOC。「我々は少々驚いた。こちらがナーバスになったのかどうかわからないが、序盤はユニット全体の呼吸が合っていなかった」
- 最初のサックはまずLTクリフトンが右DEトレント・コールのブルラッシュにまっすぐ押し込まれ、逃れたQBロジャースが左DEジャクウェイ・パーカーの餌食に。ただし審判がフェイスマスクを見落としている。(直後の3rdダウンロングで無理をしてINT)
- 2つ目のサックは第1Q最後のプレー。左DEジャクウェイ・パーカーにRTタウシャーがあっという間にスピードで負けてサック。「疑いの余地はない、あれはひどいサック。ひどいプレーだった。僕は前半よいプレーができなかった」とRTタウシャー。
- 3つ目のサックはその直後、第2Q最初のプレー。LTクリフトンが右DEコールにアウトサイドをスピードでぶち抜かれてサック。じつはこれが最後のサックで、その後はなんとかアジャストできた。
- 最初の2回はRBやFBもよくない。ブロッキングのヘルプをしくじって、右往左往しているだけ。
- QBアーロン・ロジャース。「ラインについて心配はしていない。ただ残念なのは、すべてベースディフェンスの4メンラッシュでやられたことだ。オフェンスのリズムがよくなかった。そうしたミスを僕らは減らしていかないと」
- TEジャーマイケル・フィンリーは最初の9分間で3キャッチ、その後の51分間でわずか1キャッチ。注目のライジング・スターとあってダブルカバーが目立った。「完全にマークされた。まずラインバッカーがバンプして(ルートを乱し)ついてきて、その後もセーフティが奥を守っている。ゲームから締め出されてしまったから、こっちは他のWRたちをフリーにする道を探すしかない。今年はこういうことにも対処していかなきゃいけないんだろう。おとり役でも構わないか? ノーノー、そんなことはない。グリーンベイに戻ってビデオを研究し、ダブルカバレッジでも何でも、僕の手にボールが渡るよう工夫しないと」
- 今回はT.J.ラングをアクティブ登録しなかったため、OLの控えはT/GブラガとRGスピッツだけ。RTタウシャーの控えはブラガが兼ねていたことになる。攻守ライン(DLも4人だけアクティブ)を減らしてスペシャルチームに注力する構えだったのかもしれない。
- パスプロ不振を補うためか複数TEを投入するプレーが多く、NFLデビュー戦のTEトム・クラブトリーも出番がたっぷり。ブロッキングはまずまずといったところか。
- 相手のQB交代でゲームの様相がガラリと変わったのは明らか。前半(QBコブ)わずか3失点、49yds、1stダウン3回に抑えたパッカーズディフェンスだったが、QBヴィックがフル出場した後半は17失点、272yds、1stダウン15回。第4Qだけで153ydsを許している。後半はひどい出来だったが、対ヴィックはワイルドキャット的起用法しか準備していなかったはずで、致し方ない面も。
- OLBクレイ・マシューズはチーム最多の7タックル、2サック、QBヒット2回、ロスタックル2回、ファンブルフォース1回、パスディフェンド1回という獅子奮迅の働き。最初のサックは昨年にはなかった中央からのディレイ・ブリッツで、キャンプでよく練習していたとおり、今年は彼をあちこちに動かして相手を翻弄する意図だ。
- OLBマシューズ。「身体的には(ヴィックに振り回されて)ちょっと息が上がったけど、頭脳面ではしっかり準備ができていた。幸運にもいくつか大きなプレーができて勝利に貢献できた。4週間休んだだけにまだベストのフットボールではないけど、かなりいい仕事ができたのはたしかだね」
- 試合最後の4thダウン1を止めたことについて、OLBマシューズ。「QBヴィックが走ってくるだろうと、僕らはかなり予想できていて、ぴったりのプレーコールだった。それぞれがやるべきことをわかっていて、いくつかの1on1バトルで勝てた。それがああいう結果になった」
- OLBマシューズについてCBチャールズ・ウッドソン。「彼はまるで野獣のように、プレーの間は決して諦めることがない。1人ではブロックしきれない類の選手だ。優れたスピードで、捕まえるまで追い続ける」
- Journal Sentinel紙の Play of the Game 図解 も最後の4thダウン1を取り上げている。PHIオフェンスは3WRのショットガンでQBヴィックの左にRBマッコイ。パッカーズはここでも2DL・5DBのニッケル隊形。DEピケットとNTラジの重量級コンビが"Aギャップ"(センター/ガード間)を埋め、ILBチラーとILBバーネットはそれぞれ"Bギャップ"(ガード/タックル間)を埋める。スナップを受けたQBヴィックが穴を探して突っ込むが、OLBマシューズはTEセレックを かわしてペネトレートに成功、先導役のRBマッコイをがっちり止めてパイルを作ってしまう。詰まったQBヴィックにILBバーネットやOLBジョーンズも群がってギャンブル失敗となった。
- マシューズとは対照的にOLBブラッド・ジョーンズはパスラッシュであまり貢献できず。今年から右サイドに移ったが、LTジェイソン・ピーターズ相手に苦しんだ。
- 相手はマルチプルWRセットが多く、しかもこちらはDLにケガ人が出たせいで、試合を通してニッケル隊形ばかりだった。そのためILB A.J.ホークはスペシャルチーム以外の出番がゼロだった模様。ILBブランドン・チラーとCBサム・シールズが出ずっぱりだった。
- 新人DEニール(わき腹)とDEウィルソンがインアクティブのため、登録されたDLは先発3人とDEハレルだけ。DEジェンキンズが手を骨折して一時退場、ハレルが大ケガで退場したため、NT B.J.ラジとDEライアン・ピケットへの負担は極めて大きかった。2人とも終盤は明らかにバテていたが、最後まで頑張り通してくれた。
- 初出場のCBサム・シールズはさいわいあまり攻められずに済んだが、第4Qの17ydsTDパスでは、WRマクリンのフェイクに置いて行かれ、エンドゾーンでオープンにしてしまった。直前に、同じくドラフト外ルーキーのOLBフランク・ゾンボが初サックを決めて3rdダウン13に追い込んでいただけに残念。
- シールズ(ニッケルバック/3番手CB)に次ぐダイムバック/4番手CBは、パット・リーではなくジャレット・ブッシュだった。今夏アンダーウッドと3番手を争ったリーだが、今や失敗の烙印を押された印象さえある。
- 第4Q残り5分56秒、ゴール前の3rdダウン5でQBヴィックは右にスクランブル。彼ならば楽にTDランが決められそうなスペースが空いていたが足を止め、WRジャクソンに投げてFSコリンズが叩き落とした。ここで3点どまり(7点差どまり)にしたことが結果的に大きかった。
- スペシャルチームについてマッカーシーHC。「準備段階から重点を置いていたスペシャルチームが、見事な働きを見せてくれた。(PHIの新STコーチ)ボビー・エイプリルのことは尊敬している。それだけにこの内容はとても幸いだし、満足している。我々は勝利するためにここに来たが、それと同時にフットボールチームとして成長したいのだ」
- ショーン・スローカムSTコーチ。「優れたフットボールチームであるためには、スペシャルチームもよいプレーをしなければならない。毎週安定した働きをすることが我々の挑戦だ。今日はとてもしっかりした内容だった」
- 球団記録の56ydsFGを成功させたKメイソン・クロスビー。新人だった2007年も彼のデビュー戦での活躍がチーム快進撃のきっかけになった。「そう、とてもエキサイティングだった。設定していたヤードラインだったんだ。敵陣38ydsまで進めば蹴れると。オフェンスは(わずか41秒で)ぴったりそのラインまで進んでくれた。自分としてもいつも以上のエネルギーを感じた。あとはフィールドに出て役割を果たしただけ。毎年そう考えることにしてる。他のみんながそれぞれ仕事をするのだから、僕もしなきゃいけないと」
- 後半に好キックオフリターンを連発したWRジョーディ・ネルソン。「むこうは 『ネルソンにはディフェンダーをかわす動きがない』 って評判だけで、十分リサーチをしなかったんだな(笑)。 隠してあるんだよ。たまに取り出してみせるんだ。ただ、どれか1つをTDまで持っていきたかった。キックオフリターンの99%はフロントの連中のブロッキングで決まると僕は思っている。彼らが穴を作ってくれるんだ。後半最初のヤツは、(穴を抜けて)キッカーをかわしたところへ、後ろから追いつかれた。惜しかったよ。あそこから最後まで行けるかどうかは僕しだいだ。スペシャルチームは試合を通していい仕事をした」
- NFLデビュー戦のPティム・マステイは41.5yds、ネット38.0yds、ハングタイム3.8秒。最初の3本はハングタイム、プレースメント(サイドライン際)とも上出来で、相手のWRデショーン・ジャクソンはフェアキャッチ2回と4ydsリターン。最後の1本だけが37ydsの2.9秒というラインドライブになってしまったが、さいわいリターンを10ydsで止めることができた。「最後の1本は、僕に思い切りが足りなかった。あそこまではすごく満足できていた。デショーンのリターンを最小限にできた」
- 過去3年間NFL最多反則を争ってきたパッカーズにとって、反則2回15ydsという数字はうれしい。内訳はLGカレッジの(サックを防ぐための)トリッピング、CBウッドソンのホールディング。攻守ラインによるスナップ前の反則やスペシャルチームの反則がゼロなのは夢のよう。
- ケガ人情報。開幕戦というのにリンカーン・フィナンシャル・フィールドの芝の状態が悪いことをケガ人続出の理由に挙げる向きもある。
- 右足首を捻挫したRBライアン・グラントは、(ガンダム的な)保護ブーツを履いて歩いている。来週はGB4年目で初めての欠場となりそうだ。「とくに大きなケガでないと僕は予想してる。信じてほしい、復帰のためにできることはすべてやるよ。フィールドに戻るために必死でやる。僕の経歴を見れば、そう長くは休まないのがわかるだろう」
- DEカレン・ジェンキンズは左手の複数個所を骨折しており、試合後のロッカールームでは非常に痛そうにしている。当分は(ドラえもん的な)ギブスで固めてプレーするしかない。相手LGトッド・ヘレマンズにカットブロックをされた際の負傷で、本人はルールに不満を述べている。「選手を守るためのルールがたくさん追加されているのに、ケガさせやすいカットブロックが今でも合法というのは妙な話だ」
- DEジャスティン・ハレルは前十字靭帯(ACL)断裂の疑いが濃厚で、詳しくはMRI検査待ち。キャリアエンドの恐れさえあるだけに、「失望という言葉じゃ足りない」と本人が言うのも無理はない。同僚DEジェンキンズは、「気の毒としか言いようがない。(腰のケガと)ハードに戦って、キャンプに戻ってきて元気に頑張った。いいプレーをしていたのに、FGのプロテクションでケガをするなんて、不公平な話だ」
- FSニック・コリンズはTDパスを防いだプレーでろっ骨を痛めたが、プレーを休むことはなかった。以前にも痛めたことがある、とのこと。
- CBチャールズ・ウッドソンは先週金曜の練習でつま先(左足親指)を痛めた上、先週はずっと風邪に悩まされていたとのこと。負傷を感じさせないプレーぶりだったものの、プレー中に痛みはあると本人。2000年と2008年にも彼はつま先を痛めている。「僕はいつもつま先に問題が出てしまうんだ。ここ数日はきつかった」