グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2009年9月10日
今年のトレーニングキャンプとプレシーズンでの良かった点、悪かった点を、これまでの地元メディアの記事をもとにまとめてみる。
- Good : 主力に大きなケガがなく、ケガ人はロースター底辺あたりの選手ばかり。いちおうベストメンバーで開幕戦に臨むことができそう。
- Good : QBアーロン・ロジャース。すべてにおいて申し分なく、パッカーズ躍進を予想する人々の根拠となっている。プレシーズンゲームではスタッツ(レーティング147.9)よりも、ディフェンスの読み、瞬時の判断、ポケットでの素早く適切な動きなど、総合的な能力がきわめて高く評価されている。
- Good : CBチャールズ・ウッドソン。32歳となっても衰えるどころか、プレーはますます冴えわたっている。予想されていたとおり、ボールに背を向けずQBの目を読むことができるゾーンカバレッジは彼に向いているのだろう。
- Good : TEジャーマイケル・フィンリー。プロ2年目に目覚ましい進歩を見せ、チームNo.1の成長株。やすやすと相手LBをぶっちぎり、DB相手なら高さ勝負で勝利をおさめる。デプスチャート上ではドナルド・リーがスターター扱いだが、レシービング成績ではフィンリーが上回るだろう、という見方が一般的。おかげでファンタジー界ではドナルド・リーの株が暴落した。
- Good : ドム・ケイパース新DC。「NFLで最も予想しやすいディフェンス」を作った前任者ボブ・サンダースとは正反対。誰がどこから来るのか、相手QBにとっては読みにくいことこの上ない。これまでとくらべ個人(つまりキャンプマン)のパスラッシュ力に頼る部分が小さく、スキームの力でプレッシャーを生み出してくれそう。それでも新ディフェンスへの習熟には時間がかかるもので、「考えずに体が動くようになるのはシーズン後半」というのが経験者の声。ビッグプレーがあるかわりに大ポカもありそうだ。
- Good : 先発WRコンビ。グレッグ・ジェニングスはもはやプロボウルに出て当たり前という勢い。相棒のドナルド・ドライバーも、スピードやクイックネスに衰えがないことをプレシーズンですでに証明した。
- Good : インサイドLB陣。ブランドン・チラーとデズモンド・ビショップの活躍により、A.J.ホークはニッケル守備の出番を失い、ACL断裂から復帰のニック・バーネットもフルタイムで働かなくてよいほど。
- Good : オフェンシブライン。過去2年間のプレシーズンはラン攻撃が不振で、それがそのままシーズン前半のラン不振につながった。今夏はRBグラントのランがコンスタントに出ていて、パスプロでも1stチームは一度もサックを許していない。右側3人のスターター争いも、今年はプレシーズン第2戦終了時に決着をつけることができ、最後の2試合はメンバーを固定できたのがよかった。
- Good : RBライアン・グラント。ホールドアウトが響いた昨夏と違って今年は体調万全で、一昨年のキレが戻ってきた。OL陣の成長もプラス。
- Good : WRジェームズ・ジョーンズ。ネルソンとの争いはやや不利との前評判だったが、キャンプ序盤から好調をキープして、3番手の座をあっさりと確保してしまった。ネルソンも決して悪くない。
- Good : DEジョニー・ジョリー。練習はけっこう休んでいるのに、ゲームになると効果的な働きをする。彼が左DEでスターターとなってくれるおかげで、新人B.J.ラジに無理をさせずにすむ。ジョリーの頑張りはあきらかに「契約最終年効果」だろう。
- Good : DEカレン・ジェンキンズ。胸筋断裂という大ケガからの復帰だったが、予想以上に順調。
- Good : LTチャド・クリフトン。昨季はケガに苦しんだが、今年は2、3歳若返った印象。持病のヒザ痛が悪化するなど体調面の問題さえなければ、プレー内容が低下する心配はなさそう。目ぼしい後継候補がいないだけに、契約延長はどうなるのかが心配。
- Good : フルバック陣。コーリー・ホールもジョン・クーンもランブロックがレベルアップしたのはたしか。オフェンス理解に手間取って出遅れた新人クイン・ジョンソンも、器の大きさは間違いなさそう。超異例のFB3人体制なのだから、スペシャルチームで奮闘してくれるのは当然だ。
- Good : DEジャリアス・ウィン。1年目は体作りかと思われたが、パスラッシュが予想以上にいい。成り行き次第ではDEモンゴメリーからプレイングタイムを奪うかも。
- Good : LSブレット・グード。昨季もミスがなかったが、今夏もきわめて安定している。
- Good...? : T/G T.J.ラング。期待されたとおり、タフでハードノーズで頭がよく、どこでもこなせそう。事前の予想とは違って首脳陣は彼を右タックル争いに加えず、キャンプでは主に左ガード。彼がどのポジションに向いているのか、球団内でも意見が分かれているらしい。今後センターに挑戦する可能性さえある。
- Bad...? : NT B.J.ラジ。13日間のホールドアウトでディフェンス習熟が遅れ、さらに足首捻挫のため開幕からスターターで使うことができなくなった。下半身のバネは素晴らしいものがあり、能力の面で1巡指名の期待を裏切ったわけでは全くない。
- Bad...? : ILBニック・バーネット。順調に回復したとはいえ、やはりACL断裂は甘くはなく、キャンプ17日目にようやく練習に初参加。本当の100%に戻るまでもうしばらくかかりそうだが、ILBの層が厚いので大丈夫そう。
- Bad...? : ILB A.J.ホーク。パスカバレッジではブランドン・チラーに劣り、ビッグプレー能力でもデズモンド・ビショップに見劣りする。「キャップの関係で今年は放出しにくいが、来年なら?」という声も。
- Bad...? : Kメイソン・クロスビー。飛距離はたしかに立派だが、実戦となると50yds台は失敗ばかり。首脳陣はパンターと比べてなぜKクロスビーにばかり点が甘いのか、という声も出てきている。
- Bad...? : Pジェレミー・カピノス。ケガのPデュラント・ブルックスに不戦勝。粗削りなブルックスよりは安定していたが、NFL全体の水準からするとどうなのか。プレシーズンでの好調が本物だと信じたい。
- Bad : 右アウトサイドLB。クレイ・マシューズ(ハムストリング)とジェレミー・トンプソン(首・肩)がキャンプの半分以上を休んだため、ブレイディ・ポピンガが開幕戦で先発することに。逆に言えばまだ伸びシロが大きいポジションであり、今後の展開が楽しみ。
- Bad : SSアタリ・ビグビー。まるでケガを恐れているようなプレーぶりで、一昨年の迫力が戻っていない。大事な契約最終年なのに、このままでは球団側も長期契約する気になれないだろう。
- Bad : RTブレノ・ジャコミニ。練習では必ずしも悪くなかったが、プレシーズンゲームではパスプロでミスが目立った。あれでは先発争いでバーバーに敗れたのも当然。
- Bad : OTジャマーン・メレディス。ドラフト組では唯一、開幕ロースター入りを逃した。全てにおいてT.J.ラングとは対照的で、「線が細く熱意に欠ける」というドラフト時の悪評は払拭できていない。
- Bad : QBブライアン・ブローム。彼なりに進歩はしているが、ポケットでプレッシャーに対処できない。背後から誰も来ていないのに早逃げし、敵陣30ydsでの3rdダウンなど、サックされるべきでないときにサックを浴びてしまう。フリンよりは肩がよいという前評判だったが、ダウンフィールドにパスが通せず、ロングパスの精度はさっぱり。ついに解雇されてプラクティス・スクワッド入りとなった。
- Bad : 4番手以降のCB陣。パット・リーの負傷で4番手争いはウィル・ブラックモンが不戦勝の形に。そのブラックモンも3番手トラモン・ウィリアムズにはむしろ差を広げられている。6巡ルーキーのブランドン・アンダーウッドはまだ今年は大きな戦力にはなりそうもなく、本番ではアクティブ登録から外れるのでは。
- Bad : CBパット・リー。2巡指名入団から2年目、腰が治ってようやく復帰したらヒザを負傷してシーズンエンド。
- Bad : DEジャスティン・ハレル。腰痛再発でインジャリーリザーブに入り、元1巡指名ながら全くチームに貢献できないまま3年目シーズン終了。来年の最後の挑戦に備える。