グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2009年7月29日

ロースター展望 ST編

2007年に躍進したスペシャルチームだが、昨季は再び不振に陥り、マイク・ストックSTコーチが引退に追い込まれた。とくにパントとキックオフカバレッジとキックオフリターンが不振で、チームを不利なフィールドポジションに追い込んだ。今年はショーン・スローカムがアシスタントからSTコーチに昇格し、立て直しをはかる。3-4ディフェンスの導入に伴ってLB陣が大幅増員され、OLBブレイディ・ポピンガやOLBクレイ・マシューズといったスペシャルチーム得意の選手たちがひしめいているのは心強い。

昨季は両リターナーともCBウィル・ブラックモンが務めたが、パントリターンはNFL6位、逆にキックオフリターンはNFL最下位と極端な成績だった。ブラックモンの一発ホームランは魅力だが、キックオフリターンは彼のままでよいのかどうか。もし替えるなら、CBトラモン・ウィリアムズやWRジョーディ・ネルソンが候補となりそう。

スペシャルチーム専門選手のロースター枠は、キッカー、パンター、ロングスナッパー各1人。キッカーとロングスナッパーは昨年の2人で固まっており、プレシーズンでよほどの不振でないかぎり交代はないはず。パンターはジェレミー・カピノスとデュラント・ブルックスの争い(4月の記事へ)。2004年春にPジョシュ・ビドウェルが退団してからパンターにはずっと苦しめられてきただけに、どちらでもいいから一人前に育ってほしいところ。2人ともパンターとしては伸び盛りの時期なので、トレーニングキャンプでの争いが楽しみだ。

P ジェレミー・カピノス Jeremy Kapinos

ペン州立大から2007年のドラフト外でジェッツに入団、シーズン終盤にプラクティス・スクワッドから昇格して最終戦だけ出場。しかし昨年はPベン・グレアムと先発争いもしないうちに、6月に解雇されてしまった。12月になってパッカーズは不振のPデリック・フロストをとうとう解雇し、売れ残りのカピノスと契約した。4試合で平均39.2ydsという成績はいまひとつだが、厳寒期なのである程度仕方のない面はある。

ここまでのOTAやミニキャンプでは、飛距離ではブルックス、安定性とハングタイムでカピノス、総合するとカピノスがややリード、といった状況らしい。カピノスの父は陸軍士官学校でフットボールをプレーし、その後陸軍大佐として退役。兄のマシューは陸軍大尉としてイラクとアフガニスタンに行っている。

P デュラント・ブルックス Durant Brooks

ジョージア工科大から昨年のドラフト6巡でレッドスキンズに入団。キャンプではデリック・フロストを退けたものの(その後フロストはパッカーズへ)、大学時代に負ったヒップのケガもあってシーズン序盤から大不振に陥り(ネット32.1yds)、10月に解雇。12月半ばにパッカーズのプラクティス・スクワッドに拾われた。もともと優れたキック力を持っているだけに、ハング・タイムやゲットオフ・タイムを安定させて、上記カピノスを逆転したいところ。

K メイソン・クロスビー Mason Crosby

コロラド大から2007年のドラフト6巡c指名で入団。Pデイヴ・レイナーを退けてスターターとなると、開幕戦でいきなり53ydsのロングFGと終了2秒前の決勝FGを成功させてヒーローとなった。しかし2年目の昨季はいまひとつ伸び悩み、大事なところでのFGを何度も失敗。チームの連続惜敗の一端を担う形になってしまった。いっぽうキックオフは相変わらず飛距離がよく、タッチバック17回はNFL6位タイ。

50yds以上をらくらく蹴り込む素晴らしい飛距離があり、物怖じしないしっかりしたメンタルの持ち主。パンター陣とは違って首脳陣の信頼は厚い。今年は勝負強さを取り戻し、さらに一段上のキッカーに成長してほしい。

LS ブレット・グード Brett Goode

アーカンソー大から2007年のドラフト外でジャガーズに入団したが、1年目は開幕ロースターに残れず、昨年は6月に解雇。故郷アーカンソーに帰って働きながらトレーニングを続けていたところ、パッカーズのスターターに決まっていた新人J.J. ジャンセンがプレシーズン最終戦でヒザを負傷してIR入り。3人によるトライアウトでグードが選ばれると、ミスらしいミスのない素晴らしいシーズンを過ごした。今年パッカーズはジャンセンをトレードに出し、グード一本に絞っている。

KR/PR ウィル・ブラックモン Will Blackmon

経歴はCBの項を参照。昨年は、2007年までパントリターナーを務めてきたCBチャールズ・ウッドソンからその座を完全に奪い、キックオフリターナーも任された。パントリターンは平均11.1yds(NFL9位)、2TD(3位タイ)と素晴らしい数字を残したものの、キックオフリターンは平均 21.0yds(NFL34位)の不振だった。スペシャルチームでの計18タックルはチーム最多。パントリターンの際に4回もファンブル(さいわい全てパッカーズ側がリカバー)したように、ややナメた態度でボールハンドリングが雑になる場面もあった。

大学ではキックオフリターンで大きな実績を残したが、NFLではパントリターンの方が成績がいい。STコーチが替わっただけに、今年はキックオフリターナーの仕事を失ってもおかしくない。今年は大事な契約最終年なので、ビッグプレーで存在価値をアピールしたいところだ。

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