グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2009年7月13日

ロースター展望 TE編

2007年にはドナルド・リーが急成長を見せて強力パス攻撃の一翼を担ったタイトエンド陣だったが(68回718yds)、昨年は56回539ydsへとダウン。若いQBを守るためパスプロテクションの仕事が増えたのがレシービング成績低下の要因だろう。QBロジャースが経験を積んだ今年はレシーバーとしての出番が再び増えそうだが、不確定要素は右タックルの新スターター。マーク・タウシャーの後任RTが不振に苦しむようなことになれば、タイトエンドはパスプロに釘付けとなり、5メン・プロテクションなどできなくなってしまう。

今年成長が期待されるのは2番手のジャーマイケル・フィンリー。ポテンシャルの高さは一番で、今夏の頑張りしだいではドナルド・リーの先発の座をプッシュしてもおかしくない。ロースター枠は通常3人。先発のリー、2番手のフィンリーまではほぼ確定しているので、最後の枠をトリー・ハンフリーが守れるかどうか。

ドナルド・リー Donald Lee

プロ7年目の28歳。ミシシッピ州立大から2003年のドラフト5巡でドルフィンズに入団、3年目の2005年開幕前に解雇されてパッカーズに移ってきた。伸び悩む時期もあったが、2007年にババ・フランクスを抜いてエースに昇格、48回575yds、6TDの活躍を見せた。前述のような事情もあって昨年は39回303ydsにダウン。パスキャッチ1回平均が12.0ydsから7.8ydsに下がったのは、ダウンフィールドを攻められずショートパスばかりだったことを示している。

苦手だったブロッキングは、バルクアップの甲斐あってそれなりに進歩してきた。しかし能力全般に頭打ちの観は否めず、フィンリーの成長しだいでは今年か来年あたり先発の座が危うくなるかもしれない。

ジャーマイケル・フィンリー  Jermichael Finley

テキサス大から昨年のドラフト3巡指名で入団、サイズ(6フィート5)とスピードに恵まれた大器と期待されている。昨季途中にはハンフリーを抜いて2番手に昇格。新人TEらしい不安定なプレー内容でパスキャッチ6回74ydsにとどまったが、シーズン終盤には才能の片鱗を見せるプレーもあった。今年のOTAやミニキャンプでは成長を見せ、昨年よりも安定感が出てきた。今年はダブルTE隊形での起用が増えてきそうだ。

昨季最も注目を集めたのは第9週タイタンズ戦直後の生意気発言。ようやくその試合でNFL初キャッチを決めたばかりの新人がQBのパスの精度やプレーコールを批判したため、チーム内外で不興を買い、コーチたちからこっぴどく叱られて神妙な謝罪コメントとなった。今春のOTAでもディフェンス選手を挑発する場面が見られ、名門テキサス大で甘やかされたらしき精神的未熟さはやはり不安要素だ。こうした「未完の大器」タイプのTEはNFLじゅうに数多く、未完のままで終わってもおかしくはない。

トリー・ハンフリー Tory Humphrey

セントラルミシガン大から2005年にドラフト外入団し、NFLヨーロッパ派遣やプラクティス・スクワッドを経て2006年にロースター入り。パスキャッチ能力の高さを評価されながら、毎年ケガに悩まされ、2008年が初めてのフル出場。パスキャッチ11回162ydsを記録し、キャッチミスはゼロだった。TE陣で最も背が低く、ライバルとなる下記のムーアとは対照的なタイプ。3番手の座を守るには、やはりレシーバーとして光るところを見せたい。

エヴァン・ムーア Evan Moore

昨年ドラフト外でスタンフォード大から入団。身長6-6(198cm)、247ポンド(112kg)とTE陣では最もサイズがある。昨夏トレーニングキャンプでのプレーぶりは高く評価されていたが、キャンプ終盤にヒザを負傷し、インジャリーリザーブでシーズンを終えた。いっぽう同じくドラフト外で同期入団のジョーイ・ヘイノス(メリーランド大)は、昨季開幕前にパッカーズから解雇されたところをドルフィンズに拾われ、7試合に出場している。

カーソン・バトラー Carson Butler

ミシガン大出身のドラフト外ルーキー。身長6-4(193cm)、255ポンド(116kg)。ルーキー・ミニキャンプでのプレーぶりはかなり評判がよかったが、OTAでヒザを負傷してしまい、その後プレーできていないのが残念。

デヴィン・フリシュネクト  Devin Frischknecht

ワシントン州立大出身のドラフト外ルーキー。身長6-3(191cm)、258ポンド(117kg)。短大を経て3年目から同大に編入。過去2シーズンでパスキャッチ35回412yds、4TDを記録している。

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