グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2009年5月12日

B.J.ラジの人となり

ドラフト候補は人柄や素行に関しても詳しく調べられるが、1巡候補ともなればなおさらだ。B.J.ラジの場合、人間性そのものは「なかなかいいヤツ」と定評があるものの、学業問題で2007年シーズンを棒に振ったことが注目された。スカウティング・コンバインでの個別面談でも、各球団から質問が浴びせかけられる。こいつは怠け者なのか? 正直に話すのか? 責任逃れするのか? ときにはソフトに、ときには容赦なく詰問調で。15分間の面談を18球団と行ったため、パッカーズのアプローチがどのようなものだったか覚えていない、とラジは笑う。

2007年シーズンに出場できなかった実情は以下のようなもので、一部はボストン・カレッジ当局にも責任がある。学業が遅れていたラジは、春から夏にかけてこれだけ授業に出て合格しないと来季出場できないぞ、と学生部長から説明を受けた。指示どおりに履修し、いよいよ2007年シーズンが開幕しようとしたとき、体育局が履修単位が足りないことに気づいた。学生部長が履修単位を計算ミスしていたのだ。ジェフ・ジャゴジンスキーHCからその話を聞かされたとき、ラジは両親の肩に泣き崩れた。

しかし責任がラジにもあるのは事実だ。2008年ドラフトにアーリーエントリーするつもりだったラジは、2006年度の勉強をなおざりにしてしまっていたからだ。「そもそも僕がそんな状況に陥らなければ、あのような事態にはならなかった。ただ同時に、回復不能なほど学業が遅れていたわけじゃない。学生部長と話し合って対策を検討したのに、その学生部長が単位を計算ミスしていた」

もう1つはマリファナ問題。合衆国では一般に、マリファナであれば学生時代に一度か二度経験する程度なら大目に見られる傾向がある。ただし、「二度も捕まるようなヤツはプロでも問題を起こしかねない」 「2月のコンバインで検査があるのがわかっていて吸うようなバカでは困る」というのがNFL関係者の考え方。さいわい、「コンバインで陽性反応」という報道は誤報と判明したため、今のところこちらを懸念する声はほとんどない。

ラジの両親はどちらもペンテコステ派の牧師をしている。比較的保守的かつ厳格な宗派だ。しかし、「もっと聖書を読め」と両親から叱られることはあるものの、ラジの非宗教的な生き方そのものを批判することはないという。「僕が大人だということを両親は理解してくれてる」

さすがに大学の検査でマリファナ陽性が出たときはそうもいかなかったが、息子を非難するというより、「私たちの育て方のどこが悪かったのだろう」と嘆くような感じだったらしい。「僕は言ったんだ。『どう説明すればいいかわからない。正しいことじゃないのはわかってるけど、大学での冒険(経験してみたかっただけ)のようなものなんだ。父さんや母さんが間違ってたんじゃない。僕自身の過ちだ』 ってね。もう過去のことだし、今後の人生では決して起きることはないと」

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