グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2009年2月26日

シーズン総括と展望 S編

FSニック・コリンズが7インターセプト(うちTD3回!)を挙げて一躍プロボウラーとなったが、2007年に活躍したSSアタリ・ビグビーはケガに苦しんでまるで別人。彼の欠場や不調が、とくにラン守備で大きく響いた。それに加えてプロ2年目のアーロン・ラウスの伸び悩みがひどく、彼の不振のため、ビグビー戦線離脱後はCBウッドソンをセーフティに移さなければならなかった。

これまでは両セーフティの役割はかなり"interchangeable"(入れ替え可能)だったが、新しく導入される3-4ディフェンスでははっきり違ってくるらしい。ストロングセーフティはスクリメージ近くでプレーすることが増え、フリーセーフティは"ディフェンスのQB"として全員に指示を出す、読みやコミュニケーション面の役割が重要になる。一人前になるまで時間がかかり、学習能力に不安があるFSコリンズだけに、習熟に手間取ってもおかしくない。

スターターは今のままでいいとしても、前述のようにラウスが期待を裏切っているため、デプスには不安がある。先発コンビが習得に苦しんだ場合の保険を兼ねて、3-4経験のある安価なベテランを獲得する可能性はありそうだ。ドラフトでなら中位以降で指名して育てる形か。

FS ニック・コリンズ  Nick Collins

ベスーン・クックマン大から2005年のドラフト2巡で入団、ダレン・シャーパーの後任として、1年目から先発フリーセーフティを務めてきた。長く伸び悩んだが、4年目の2008年に飛躍的な成長を見せ、プロボウルにも選ばれた。経験を積んでゲーム理解が深まったことで自然に体が動くようになり、CB級のスピードがようやく生きてきた。NFL2位タイの7インターセプトに加え、球団記録の計295ydsリターンで3タッチダウン。20yds以上のビッグプレーを許したのは2.5回でキャリア最少。腰と足首のケガを抱えながら全試合に出場したタフネスも評価できる。

ただシーズン後半には荒っぽい一発狙いが目立つようになり、ポジション取りやアングルのミスが増え、ミスタックル(チーム最多の17回)はシーズン前半の5回から後半は12回にも上った。プロ4年間ほぼ同じディフェンスをプレーしてきたが、今年は大きな変化の年になる。リーダー役であるフリーセーフティが新ディフェンスに早く習熟できるかどうかが、今年のディフェンスを大きく左右するかもしれない。

SS アタリ・ビグビー  Atari Bigby

セントラル・フロリダ大から2005年のドラフト外で入団、プラクティス・スクワッドを経て2年目にロースター入りし、3年目の2007年にはスターターへと大きく成長した。しかし先発2年目の2008年は大きな失望のシーズン。ハムストリングや肩も負傷したが、とくにプレシーズンで負った足首のケガが長引いたらしい(12月末に手術)。持ち前のアグレッシブなプレーが影をひそめ、ミスタックルも多く、パスカバレッジの出来もよくなかった。慢心からか、昨夏のキャンプにはオーバーウェイトで現れ、負傷の前から動きは悪かった、との報道もある。

今年は制限つきフリーエージェントとなるため、下から2番目のいわゆる「2巡オファー」をして引き留めることが予想されている。2007年の活躍が続いていれば今ごろは長期契約交渉をしていたはずだが、来季の復活ぶりを見極めたいと球団が考えるのは当然だろう。

アーロン・ラウス  Aaron Rouse

ヴァージニア工科大から2007年のドラフト3巡指名で入団。1年目はFSコリンズの代役として3試合に先発して光るものを見せたので、コリンズとの先発争いを期待する見方が多かったが、大いに不満の残る2年目シーズンだった。ひょろりと背が高い(6フィート4)せいかショートエリアでのアジリティがよくない。優れたボールスキルがあって時おりビッグプレーを見せるものの、アサイントメントなど基本的な部分でのミスが多すぎて信頼できない。CBウッドソンを3試合もストロングセーフティで先発させたのも、ラウスがだらしなかったためだ。

経験を積んでよくなるポジションなのでこれから伸びてもおかしくないが、スターターの器ではない、という見方がメディアに増えてきたのは事実。

チャーリー・ペプラー   Charlie Peprah

アラバマ大から2006年の5巡指名でジャイアンツに入団、開幕前に解雇されてパッカーズへ。ストロングセーフティの控え兼スペシャルチーマーとして働いている。3年目の昨夏のキャンプ序盤は大きな成長を見せて好評だったが、そこでハムストリングを負傷してプレシーズンを全休したのが残念だった。

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