グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2009年2月14日

2009年パッカーズFA選手リスト

今年パッカーズからフリーエージェントになる選手は下表のとおり。用語集オフシーズンの流れも参考のこと。まず紹介するのは無制限フリーエージェント(UFA)で、どことでも好きに契約できるいわゆる普通の"フリーエージェント"のこと。今年はわずか3人、先発クラスはRTタウシャーだけ。たとえ全員と再契約してもサラリーキャップ的な心配はさほどない。

Packers 2009 Unrestricted Free Agents
Name Pos 種類 Age 備考
Mark Tauscher OT UFA 31 今春の有力FAとなるはずだったが、ACL断裂で価値暴落。再契約しない手もあるが、後任の若手OLたちが頼りない。出場試合に応じたインセンティブを多くして再契約し、若手と争わせるのが妥当か
Colin Cole DT UFA 28 3-4のノーズタックルとしてどうなのか、新スタッフの評価次第
Michael Montgomery DE UFA 25 そこそこの控えDE。3-4への転換で居場所がなくなったかも

唯一のスターターであるRTマーク・タウシャーだが、ヒザの前十字靭帯(ACL)断裂で話がややこしくなってしまった。トンプソンGMは若手を優先させることが多いが、タウシャーの代役を務めた若手たちの働きは今ひとつで、やはり再契約せざるをえないのではないかと見られている。

DLの2人はシーズン末に契約延長交渉が進み、もう少しでサインというところまで行ったらしいが、その後の新DC就任と3-4ディフェンス導入決定により、状況ががらりと変わってしまった(逆にいえば、慌てて契約延長しないでよかった)。DTコリン・コールはDTライアン・ピケットの控えとして3-4のノーズタックルが務まるのか、新コーチ陣の評価によるだろう。いっぽうDEマイケル・モンゴメリーは270ポンド級のDEであるため、3-4のDEをやるにはよほどのバルクアップが必要、アウトサイドLBをやるにはクイックネスが足りない。

◆ ◆ ◆

次に紹介する制限つきフリーエージェント(RFA)はNFL3年目を終えて契約が切れた選手で、制約があって移籍実現は難しい。スター級の選手でないかぎり、所属チームの提示した1年契約(Qualifying Offer)にサインして残留し、翌年UFAとなるのが一般的なパターン。

RFA選手へのQualifying Offerには下記の4つがあり、高い金額をオファーするほど移籍が難しくなる仕組みになっている。RFA選手は外部球団と交渉して契約オファーにサインすることはできるが、現所属球団は同等のオファーをすれば流出を阻止することができる。阻止せず流出を許す場合は、移籍先の球団からドラフト指名権を受け取ることができる。

  1. 最高額オファーは今年の場合$2.792ミリオン。このオファーをした場合、移籍先の球団は現所属球団に対してドラフト1巡指名権および3巡指名権を譲渡しなければならない。
  2. 2番目は$2.198ミリオン。獲得には1巡指名権の譲渡が必要。
  3. 3番目は$1.545ミリオン。獲得には2巡指名権の譲渡が必要。
  4. 最も安く、最も多いのが$1.01ミリオンのオファー。獲得するには、その選手が入団したときのドラフト指名巡を譲渡しなければならない。じっさいはドラフト外入団の選手が多いため(今年のパッカーズは全員ドラフト外)、このオファーをしただけでは移籍時になにも受け取ることができず、抑止力は弱い。
Packers 2009 Restricted Free Agents
Name Pos 種類 Age 備考
Atari Bigby S RFA 27 足首、ハムストリング、肩とケガばかりで不本意なシーズン。2巡オファーが妥当か。2007年後半の輝きを取り戻せるか、新ディフェンスへの適性はどうか
Ruvell Martin WR RFA 26 ランブロッキングにも優れた大型レシーバー。WRネルソンの登場で出番が減り、プレー内容もいまひとつだった
John Kuhn FB RFA 26 先発のFBホールとほぼ同格で、ショートヤーデージのボールキャリアーもできる
Tory Humphrey TE RFA 26 新人TEフィンリーに追い抜かれ3番手
Jason Hunter DE RFA 25 優れたスペシャルチーマーだが、3-4ディフェンスは不向きでは
Jarrett Bush CB RFA 24 5番手か6番手CB。セーフティ転向の試みは不発
Shaun Bodiford WR RFA 26 オファーされない見込み

今年のパッカーズで問題になりそうなのはSSアタリ・ビグビー。2007年後半の働きが続けば大型契約の可能性もあったが、先発2年目はケガに悩まされて不本意なシーズンだった。とはいえ最低額オファーでは他から横取りされそうなので、$1.545ミリオンの「2巡オファー」になるのではないか。来季の活躍次第ではシーズン中に長期契約を結ぶ可能性もある。

次に問題なのはWRルヴェル・マーティン。5番手にはもったいないようなレシーバーだが、上位4人に隠れてろくに出番もないようなら、「2巡オファー」で$1.545ミリオンも払う価値があるのかどうか。Journal Sentinel紙は最低額オファーを予想している。

FBクーン、TEハンフリー、DEハンター、CBブッシュの4人はみな最低額オファーだろうと見られている。DEハンターは上記のDEモンゴメリーと同じく、3-4に不向きだと判断されればオファーされない可能性も。WRボディフォードはケガのためインジャリー・リザーブでシーズンを過ごしたが、残留はなさそう。

カテゴリ : Contract/Personnel