グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2008年5月28日

ドラフト指名選手紹介 3: CBパトリック・リー

2巡29位 | Patrick Lee | Cornerback | Auburn | Senior |
6-0 (183cm) | 200lb(91kg) | 40yds/4.41秒 | 1984年2月20日生 |

経歴 : フロリダ州マイアミで生まれ育ち、カトリック系男子校クリストファー・コロンバス高校で活躍した。フロリダ州屈指のCBと評価される一方、高校最後の2年はFSをプレー。バスケットボールではディフェンスの鬼として活躍し、陸上でも走り幅跳びで州大会優勝(7m26cm)を果たしている。オーバーン大では陸上も続けたかったが、フットボールコーチの要求とスケジュール上の問題のため断念した。

レッドシャツ後の1年目は控えCBとしてプレーし、2年目にスターター昇格。しかしシーズン途中のケガをきっかけにニッケルバックに下がり、2005年は5試合、2006年は4試合の先発に留まった。有力な先輩の抜けた2007年に右CBとして初めて全試合に先発し、55タックル・4INTを記録。キックオフリターンを含めてビッグゲームでの活躍が目立ち、ドラフト上位指名候補へと頭角を現した。

Strengths : 6フィート強のサイズがありフィジカルなマンツーマンタイプの選手で、パッカーズのスキームにフィットする。コンパクトでクイックなバックペダルからのターン&ランがいい。レシーバーに対してアグレッシブにジャムする。ランサポートでも犠牲をいとわずタフにプレーする。10ydsまで1.47秒は今年のCBでトップクラス。

先発昇格まで時間がかかっただけにニッケルバックの経験が豊富で、そちらで即戦力になるかもしれない。キックオフリターナーとしても昨季は11回平均25.8ydsとよい数字を残し、ガンナーとしても優秀。大学時代はCBオンリーだったが、セーフティもプレーできると本人は主張している。

Weakness : 動きの柔軟さについては見方が分かれ、スムーズな方向転換にやや問題ありとする声もある。NFLのレシーバーの鋭いカットに苦労するかもしれない。フルタイムのスターターとなったのは昨年が初めてなので(先発は通算22試合)経験不足が心配され、一人前になるまで時間がかかるかもしれない。フットワークを磨く必要がある。ゾーンなどレシーバーから離れたカバレッジでの判断力に改善の余地あり。キャッチングがイマイチで、INTチャンスにも手で捕らずボールを胸に当ててしまう傾向がある。

メンタル面 : すでに犯罪学の学位を取得しているが、ワンダーリックテストはわずか10点だったらしく、学習に時間のかかるタイプという見方もある。パッカーズのプレスカバレッジに必要な、WRに真っ向勝負を挑むようなアグレッシブなメンタリティを備えている。

指名の経緯 : 控えCB陣が昨年それなりに成長を見せたとはいえ、CBアル・ハリス(33歳)やCBチャールズ・ウッドソン(31歳)の後継者となるには物足りないので、CBの上位指名は必至と見られていた。結果的には2巡末での指名となったが、1巡30位でCBアントワン・ケイソン(アリゾナ大)が残っていれば指名するつもりだったらしい。しかしチャージャーズが27位でケイソンを指名してしまったため、トレードダウンして4巡指名権(DEジェレミー・トンプソンを指名)を手に入れた。

2004年には小兵のCBアマド・キャロル(5フィート10)を1巡指名して失敗したパッカーズだが、トンプソンGM就任後はかつての大型CB路線に戻り、ホーキンズ(2005年)、ブラックモン(2006年)そしてリーと、大き目のCB指名を続けている。「彼はタフガイだ。バンプ&ランを好む。我々のディフェンスによくフィットすると思う。エネルギッシュで優れたアスリートだ。全体60位で指名できるとは思っていなかったし、非常によいバリュー・ピックだったと我々は感じている」とトンプソンGM。

パッカーズにとって : 今年の上位指名CBでは最もサイズに恵まれた選手の1人で、マンカバー、プレスカバレッジ向きとの評価が多い。オーバーン大でのパスカバレッジ戦術についてCBリー本人は、「オフカバレッジは全体の4%か5%ぐらいで、それ以外はプレスカバレッジだった。片側がゾーンで片側がマンであったり、いろいろと変化はつけたけど。強気で挑戦的なタイプのコーナーだと自分では思っている。WRのルート取りをラインで(ジャムして)混乱させる。相手を釘付けにする長い腕もある。だからグリーンベイのバンプ&ランはうってつけだよ」

「フィルムで分析して我々のスキームに求められる資質は見て取れたし、パトリックなら我々のディフェンスにフィットすると確信している。サイズがあって、フィジカルなところが非常にいい。タックリングやバンプ&ランでのアグレッシブさを見ても、あの気性や姿勢はウチのスタイルに合っている」とマッカーシーHCは評価している。

プロボウルCBが2人揃っているので、2巡指名選手とはいってもすぐに先発を任せるわけではなく、将来の後継者候補。さしあたって今年はトラモン・ウィリアムズやウィル・ブラックモンらと3番手・4番手を争うことになるだろう。「年上の選手たちをよく見て学び、言われたことはどんどん取り入れようと思う。アル・ハリスにチャールズ・ウッドソン、彼らはすごいよ。彼らから学んで最高の選手になりたい」

遅咲き : 大学4年目までフルタイムのスターターになれなかった理由について、「2004年はすごい先輩たちがいた(現WASのCBカーロス・ロジャースや現ATLのCBデヴィッド・アイアンズ)。2005年に5試合に先発した後でケガがいろいろあって、コーチたちは僕の健康を優先したんだ」と本人は説明している。トンプソンGMも、「オーバーン大は非常に優秀なチームなので、遅咲きと言えるかどうか。3年までもずっとニッケルやダイム・パッケージで出場していたし、フルタイムの先発となった昨年は素晴らしい内容だった」

オーバーン大 : パッカーズにとってオーバーン大選手のドラフト指名は1993年5巡のLBジェームズ・ウィリス以来15年ぶり12人目。1987年1巡4位のRBブレント・フルウッド指名は失敗に終わったが、TEエド・ウェスト(在籍1984-94)やKアル・デル・グレコ(在籍1984-87)は、ドラフト外入団してNFLで長く活躍している。

以下のビデオは昨年9月半ばのインタビュー映像。意外にソフトな話しぶり。

カテゴリ : Draft, Player