グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2008年3月15日

シーズン総括と展望 スペシャルチーム編

スペシャルチームは2年連続NFL総合最下位から7位に躍進を果たし、チームの成功に大きく貢献した。特にPジョン・ライアン(ネット25位→10位)の成長とカバレッジユニット(キックオフ7位・パント4位)の活躍が目ざましく、ディフェンスのフィールドポジションを大いに助けた。キッカーのメイソン・クロスビーは、荒天に悩まされたものの新人としては合格点。

パントリターンでは、CBトラモン・ウィリアムズとCBウィル・ブラックモンがそれぞれタッチダウンを決める活躍を見せ、ようやくCBウッドソンのケガを心配しながら見守る必要がなくなった。ただしキックオフリターンは22位と相変わらずパッとせず、来季はもっと爆発力がほしいところ。

今オフに入って若手パンターと契約したものの、パンター・キッカーとも昨季と同じコンビで来季を迎える可能性が高い。ロングスナッパーのロブ・デイヴィスは39歳とあって、チーム側は世代交代を望んでいるようだ。今年はスペシャルチーム関連のドラフト指名はなさそうで、リターナー兼任の選手を指名する必要性も、過去数年と比べると低いかもしれない。FA市場では、キックオフリターナーとして実績のあるWRタブ・ペリー(CIN)に、チームは強い興味を示している。

K メイソン・クロスビー Mason Crosby

6巡指名入団から、Kデイヴ・レイナーとの熾烈な争いを制して正キッカーの座を勝ち取ると、開幕戦でいきなり53ydsと終了直前の決勝FGを成功させてヒーローとなった。シーズン141得点はNFL1位。NFL全体のFG成功率が向上したので、成功率80.5%は低い方に入ってしまうが、寒冷地球団のしかも新人キッカーとしてはよくやったと高く評価されている。なぜかFG失敗のほとんどが左にひっかけたものだった。

もともと飛距離があるうえプレッシャーに強そうなので、正キッカーとして長く活躍してくれると期待したい。あとは悪天候のホームゲームでの成功率を向上させたいところ。前年のKレイナーと同じくキックオフの飛距離は大きな武器で、エンドゾーンまで飛ばないキックも滞空時間が長く、カバレッジユニットの好成績に結びついた。タッチバック数も平均滞空時間もNFL6位。

P ジョン・ライアン Jon Ryan

NFL2年目を終えたカナダ人パンター。大パントがあるかわりシャンクもある、という不安定さが1年目は目立ったものの、2年目はステップ改造が奏功してミスが大幅に減った。相手のリターンを差し引いたネット成績が向上したのも、滞空時間が長くなったおかげ。FGの際のホルダーとしてもミスが少なく、非常に優秀なホルダーに成長してきた、という声もある。

台風並の横風に悩まされた@シカゴ戦で二度もパントブロックを喫したのは汚点だが、スナップも悪く、彼のせいにするのは酷、という見方が一般的。今オフのパッカーズは、昨夏のキャンプに参加してまずまずの内容だったPライアン・ドアティと再契約したが、ライアンの立場は昨年よりも安泰だろう。

LS ロブ・デイヴィス Rob Davis

1997年から活躍してきたロングスナッパーも、いまやチーム最年長の39歳。過去9年間はカバレッジユニットで毎年平均5.1タックルを挙げてきたが、昨年は1つもタックルを記録できなかった。パントブロックを二度も許した@シカゴ戦はキャリア最悪のゲームだったが、それ以外は安定した内容だった。ロッカールームでのリーダーシップにも定評がある。

ここ数年は1年契約だったので今年もフリーエージェント。チームは25歳のLSトーマス・ギャフォードと契約したのに、デイヴィスとはまだ再契約していない。現役続行を望んでいる彼に対しての、事実上の引退勧告なのかもしれない。引退を選んだ場合、(現在アシスタントを兼ねている)Director of Player Development に就任し、選手たちの私生活を含めたアドバイザー役となることがほぼ規定路線となっている。

パントリターナー

2006年と同様、第12週ライオンズ戦まではCBチャールズ・ウッドソンが務め、平均8.1ydsは真ん中より少し下の数字。しかしウッドソンの負傷をきっかけに、CBトラモン・ウィリアムズ(94ydsTD含む平均19.7yds)とCBウィル・ブラックモン(57ydsTD含む平均13.3yds)がビッグプレーを繰り出して、チーム平均がNFL7位の10.3ydsにジャンプアップした。ブラックモンが足のケガから順調に回復すれば彼が来季のエース候補、ウィリアムズが2番手候補か。

キックオフリターナー

CBトラモン・ウィリアムズが30回平均22.8yds、WRコーレン・ロビンソンが25回平均23.8ydsで、チーム平均21.8ydsはNFL22位。スペシャルチームの中ではイマイチな部門だった。来季どうなるかは予想がつかないが、ブラックモンは大学ではPRよりむしろKRで大きな実績を残し、昨年開幕前に骨折するまでは1番手だったので、来季はもう一度チャンスが与えられるだろう。RBブランドン・ジャクソンやRBデショーン・ウィンなど控えRBたちも候補になりそう。

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