グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2008年3月12日

シーズン総括と展望 S編

2002年にリロイ・バトラーが引退して以来ずっと課題だったストロングセーフティにアタリ・ビグビーが台頭し、開幕から全試合に先発出場した。大きな反則を繰り返すなどシーズン中盤には不安定なプレーぶりが目についたが、終盤には再び調子を上げてビッグプレーを連発。来季に向けてほぼスターターの座を確保したものとみられている。

いっぽう先発フリーセーフティのニック・コリンズは、スターター3年目の今年もプレーぶりはピリッとせず、「いるのかいないのかわからない」と評される始末。3巡ルーキーのアーロン・ラウスの方がビッグプレー能力を見せており、わずか3試合の代役スターターとはいえ、将来性のありそうなところをアピールした。今夏のキャンプではコリンズにラウスが挑戦することになりそうだ。

チーム内では決してレベルの高いユニットではないが、今オフは積極的に補強に動く様子はない。今年のFAはセーフティが不作のせいか、FA市場が始まって以来、「パッカーズが興味」と報道された選手がこれまで1人もいない。ビグビーがさらに成長し、コリンズをラウスがプッシュすれば十分、とチーム側が考えていると推察できる。ドラフト上位指名がないとは言い切れないが、CBなどと比べると優先度は高くないので、あるとすれば中位以降か。

SS アタリ・ビグビー Atari Bigby

2005年のドラフト外入団から、NFLヨーロッパやプラクティス・スクワッドを経てついにスターターの座を勝ち取った。強烈なハードヒッターでビッグプレーが多く、5INTもターンオーバープレー(INTおよびファンブルフォース・リカバー)9回もチーム最多。いっぽうミスタックル15回も、許したTDパス5回もそれぞれチーム最多。スクリメージ近くでのプレーを得意とし、スピードのあるレシーバーのカバレッジには難がある。

反則8回は過去16年のパッカーズのセーフティで最多。経験を積んでフットボールの頭脳を向上させることも重要だが、精神的な未熟さを解消することも必要だろう。

FS ニック・コリンズ Nick Collins

先発3年目ながら非常に地味なプレー内容で、2巡指名選手としては期待はずれといわざるをえない。プレーオフを含めた15試合で一度もターンオーバープレーがなかった。キャッチングが下手で、INTチャンスでのキャッチミスが今季チーム最多の3回、プロ3年間で8回もあった。タックリング(ミスタックル9回)はそれなりに向上し、反則もわずか1回。

今夏のキャンプではラウスとの先発争いが予想され、コリンズにとっては非常に大事なシーズンになりそうだ。5年契約だったので、2009年一杯まで契約は残っている。

アーロン・ラウス Aaron Rouse

昨年のドラフト3巡指名。前半は出番がなかったものの、コリンズが欠場した3試合に先発出場して重要な働きを見せた。Journal Sentinel紙によるとチームの計19INTの中で技術的に非常に難しいものが7つあり、そのうち2つがラウスだった。身長6フィート4(193cm)の長身でフィジカルなプレーをするが、オープンフィールドのタックリングに不安定さがある。今年はコリンズと先発争いをしたいところ。

チャーリー・ペプラー Charlie Peprah

2006年ドラフト5巡でジャイアンツに入団し、開幕前に解雇されてパッカーズに。2年目の昨年は4番手セーフティとして全試合に出場したが、実質スペシャルチームのみだった。今年もロースター枠ぎりぎりを争うことになりそう。

タイロン・カルヴァー Tyrone Culver

ドラフト6巡指名から2年目は、プレシーズン最終戦で肩を負傷してしまい、インジャリーリザーブでシーズンを終えた。肩の大きな手術から順調に回復すれば、今年も4番手セーフティを争うことになりそうだが、先発をプッシュするポテンシャルがあるかというと疑問。

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