昨年初めてスターターを務めたキッカーのデイヴ・レイナーで問題なしと思われたが、ドラフト6巡でメイソン・クロスビーが指名され、トレーニングキャンプでは注目のキッカー争いとなりそうだ。いっぽうパンターはNFL2年目のカナダ人ジョン・ライアンの座を、オーストラリア人のデヴィッド・ロニーが追う珍しい争い。ロングスナッパーはTEクラーク・ハリスが7巡指名で入団したものの、38歳のロブ・デイヴィスは今年も安泰だろう。
リターナーは混沌としていて、公式デプスチャートには大量の選手がリストされている。パントリターナーは昨年務めたCBウッドソンやWRジェニングスがいるが、本職での存在価値を考えると、できればこの2人以外に任せたいところ。となると、WRボディフォードや3巡指名WRジョーンズ、またはCBブラックモンあたり。キックオフリターナーはRBモレンシーと2巡指名RBジャクソンの先発争いで敗れた方が最有力となりそうで、その他にWRボディフォード、CBブラックモン、多数の控えRBたちも候補となる。
ミシガン州立大から2005年のドラフト6巡指名でコルツに入団し、Kヴァンダージャットに代わってキックオフスペシャリストを務めたが、昨年春に解雇されてパッカーズに移った。FA移籍したロングウェルの後継争いで、ビリー・カンディフに競り勝ってスターターに。荒天やぬかるみに苦しんだ試合もあって成功率は74.3%にとどまったが、ヴァイキングス戦で終了直前の決勝FGを成功させるなど勝負強いところもみせた。
54ydsFG成功は球団記録タイで、飛距離を活かしてキックオフもよい。タッチバック11回はパッカーズとしては9年ぶりの多さだった。キッカーやパンターは先発1年目より2年目の方が成績が伸びるもので、まだ伸びシロは十分ありそう。特に悪天候での安定性を向上させたい。
コロラド大から今年のドラフト6巡c指名で入団。詳しくはルーキー紹介を参照のこと。非常に強いキック力を武器に4年間活躍し、今年の最有力キッカーの1人と評価された。飛距離は標高の高さのおかげだったという見方もあるが、アウェー戦でもロングFGをたくさん決めている。キックオフの飛距離も素晴らしく、元6巡指名という点を含め上記レイナーと似ている点が多い。今夏のキャンプでは先発争いが注目されるが、タフな1年を経験したレイナーを倒すのは容易ではないはず。
カナダのレジャイナ大から2004年にCFLウィニペグに入団し、2年目に急成長を見せてCFL記録を塗り替えた。昨年春パッカーズの誘いで初めてNFLにやってきて、B.J.サンダーとの争いに完勝して正パンターの座をつかんだ。末期がんの父との別れ(記事1・2・3)などつらいシーズンを送ったが、成績はまずまずだった。しっかりヒットしたときは素晴らしいパントを蹴るもののまだ不安定で、ハングタイムの短い蹴りそこないのせいで好リターンを許すシーンも目立つ。
不安定さを解消するため、今春は3ステップから2ステップへの変更に取り組んできた。もともと飛距離は十分あるので、多少パワーダウンしても安定したハングタイムを稼ぐほうが重要、との考え方だ。今年は下記のオーストラリア人デヴィッド・ロニーとの先発争いとなっているものの、2年目のライアンがかなり優位と見られている。
カナダ人パンターのライバルは28歳のオーストラリア人。詳しくは今年5月の記事を参照のこと。話せば長くなるが、かなりの紆余曲折を経てカリフォルニア大でプレーした。昨年レッドスキンズにドラフト外入団したが、開幕前に解雇されている。6フィート5(196cm)の長身で非常に強い脚があり、サッカー・水球・陸上十種競技で活躍したアスリートらしい。パントの不安定さを解消するため、こちらも今春はフォーム改造に取り組んできた。
ディビジョンIIのシッペンバーグ大を1992年に卒業し、ジェッツやCFLを経て4年目の1996年に初めてベアーズで正ロングスナッパーとなった。翌1997年開幕前に解雇されるとシーズン半ばにパッカーズに移り、以後10シーズンにわたって全試合出場を続けている。非常に安定したスナッパーで、これまでライバルらしいライバルが現れたことがない。他のポジションを兼ねることができないので、ロースター枠を節約できないのが不満といえば不満か。
大学でロングスナッパーを兼ねていたTEクラーク・ハリスが7巡指名入団したが、まだ不安定でデイヴィスの座を脅かすのは無理そうだ。いまやチーム最年長の38歳となり、選手・家族の世話役 "Director Of Player Development" の補佐を兼ねることも発表された。若手選手のよき兄貴分で、選手会へのチーム代表でもあり、チャリティ活動もきわめて熱心。引退後はフロント等で仕事をしたい希望があるようだ。