グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2007年7月20日

ロースター展望 DE編

昨季は左DEキャンプマンがサックを量産してプロボウルに初出場し、右サイドはサイズのあるジェンキンズが先発に昇格してバジャ=ビアミラがパスラッシュ・スペシャリストに降格。年齢的にもバジャ=ビアミラの29歳を筆頭にキャンプマン27歳、ジェンキンズ26歳など、油の乗った年齢層の選手ばかりとなり充実してきた。今年FA補強もドラフト指名もなかったのはそのためだが、1巡指名のハレルがDT陣に加わってレベルアップすれば、波及効果は期待できる。やや気がかりなのは上記3人に続く控え選手の成長で、先発組とくにキャンプマンが負傷した場合の不安はある。

ロースター枠はDL全体で通常9人で、たまに10人の年もある。DE/DTの人数配分が5/4か4/5のどちらになるかは微妙なところ。なおジェンキンズはパスシチュエーションではDTに入ってラッシュすることが多く、たまにキャンプマンもそうすることがある。

アーロン・キャンプマン Aaron Kampman

2002年のドラフト5巡指名でアイオワ大から入団。先発左DEとして毎年着実に成長を続け、昨年は15.5サックを挙げてついにプロボウラーとなった。もともとラン守備は素晴らしく、2年連続でDL陣最多となる113タックルを記録している。読みや判断力に優れたハードワーカーで、ラン守備を含めたオールラウンドな能力は以前から玄人筋に評価が高かった。白人DEだけに飛び抜けたスピードはないが、ボディバランスがよく、常に効果的な動きをする。

ほぼ左サイドオンリーでプレーし、昨季はパッカーズDL陣最多となる93.2%のスナップに出場。まさにディフェンスのMVPだった。昨年春に結んだ総額$21ミリオンの契約延長はパッカーズにとって大当たりで、あとはケガがないことを願うばかり。オフシーズンの体作りも完璧で、過去3年間一度も欠場がない。

カレン・ジェンキンズ Cullen Jenkins

セントラル・ミシガン大から2003年にドラフト外入団。1年目は解雇されたが、NFLヨーロッパ派遣を経た2年目に開幕ロースター入りを果たした。3年目の2005年にDTとしてスターターとなり、昨季終盤にはバジャ=ビアミラを退けて右DEとしてスターターとなった。彼が昇格してからはラン守備がかなり安定し、今季も同じ体制で臨むことがほぼ決まっている。パスラッシュ専門のバジャ=ビアミラと比べラン・パスの両方のバランスに優れる。

体重295ポンドはDTとしては軽量だったが、右DEとしてはバジャ=ビアミラより48ポンドも重い。1年目から4.5サックを挙げたようにインサイドからのパスラッシュを得意としており、今後もパスシチュエーションではDTに回ることが多そうだ。兄のDTクリス・ジェンキンズ(CAR)のようなエリート選手でなかった分、慢心の心配は少ないかもしれない。

カビーア・バジャ=ビアミラ Kabeer Gbaja-Biamila

サンディエゴ州立大から2000年のドラフト5巡指名で入団、2年目に13.5サックを挙げてブレークした。4年連続2桁サックを記録して2003年にはプロボウルにも選ばれたが、この2年間は8サック、6サックと成績がダウン。比較的自由に動き回るスタイルからラン守備不安がつきまとい、昨季途中でついにスターターの座を失った。パスラッシャーとしての能力は評価されており、少しぐらい高給でも手放すには惜しいと見られている。過去6年間で欠場がわずか1回とケガが非常に少ない。

マイケル・モンゴメリー Michael Montgomery

テキサスA&Mから2005年のドラフト6巡指名で入団。期待された2年目の昨季は左右両サイドの控えを兼ねたが、ハムストリングやヒザのケガで出場は11試合、21タックル、わずか1.5サックしか挙げることができなかった。スピードはあまりないが、6-5(195cm)の長身で腕がかなり長い。このまま伸び悩みが続くようなら、開幕ロースターに残れない可能性もある。

ジェイソン・ハンター Jason Hunter

ディビジョンI-AAのアパラチアン州立大(ノースカロライナ州)から昨年のドラフト外で入団し、7巡のDEトルフソンを退けて開幕ロースター入りを果たした。14試合に出場し、スペシャルチームで8タックル、ディフェンスで2タックル。体重250ポンドの軽量パスラッシャーで、40yds走4.5秒前後の素晴らしいスピードがある。1年目は将来性コミでロースターに入っただけに、2年目の今年は成長したところを見せなければならない。上記モンゴメリーやDTジョニー・ジョリーとロースター枠ぎりぎりを争うか。

ラリー・バーダイン Larry Birdine

オクラホマ大から今年のドラフト外で入団。上腕二頭筋の断裂で2005年シーズンを全て欠場したが、昨年は13試合に先発して3.5サック、39タックルを記録している。負傷する前の大学2年目に7サックを挙げてベストシーズンだったようだ。かつてスティーラーズで活躍したプロボウルLBジェイソン・ギルドンの(半分)弟。

デヴォン・ヒックス DeVon Hicks

ノースウェスト・ミシシッピ・コミュニティカレッジから今年のドラフト外で入団。最初はトライアウトとしてルーキー・ミニキャンプに参加し、そこで認められて正式契約となった。短大から4年制大学に移ってプロ入りする選手は多いが、直接プロに来るのは珍しい。最初はRBとしてディビジョンIIのエンポリア州立大(カンザス州)に入りレッドシャツとして1年在籍し、その後短大に移って2年を終えたところ。ディビジョンIの大学に移ることもできたが、NFLドラフトへのエントリーを選んだとのこと。DE/LB両方でプレーし、昨年は10サックを挙げている。

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