けっきょくFA補強もトレードもなく、ドラフトで2人指名してあとは若手の成長に期待するシーズンとなった。ドライバーとジェニングスの両先発は確定しているが、3番手以降はどんな並びになるのか全く予想がつかない。3巡指名のジョーンズと5巡のクラウニー、昨年多少経験を積んだルヴェル・マーティンとホリデイ、実績組のファーガソンとコーレン・ロビンソンといった具合に、それなりにデプスはある。
ロースター枠は通常5人。6人のこともあるが、そうするにはリターナー兼任でないとだめだろう。両先発に加えて3巡指名のジョーンズはロースター入りが確実だが、それ以降はキャンプとプレシーズンでの出来しだい。なおコーレン・ロビンソンはアルコールの問題で開幕4試合出場停止となっており、復帰がかなうまではロースター枠にはカウントされない。
プロ9年目の32歳。アルコーン州立大から1999年のドラフト7巡指名で入団し、たゆまぬハードワークでプロボウラーまで上りつめた。3年連続で1200ydsを挙げ、30歳を過ぎても毎年記録が伸びているのだから素晴らしい。この2シーズンは頼りない若手WRに囲まれて孤軍奮闘の観があり、3rdダウンではドライバーに投げてダメならパント、というシーンも目立った。今年はジェニングスの台頭で多少はマークを緩くしてやりたいところ。
大学時代は走り高跳びでオリンピック代表を目指したアスリートだが、ジャヴォン・ウォーカーほどの直線スピードがあるわけではない。むしろミドルレンジまでのルート取りの正確さ、キャッチ力、ディフェンスの読み、ファーヴとのコンビネーションなど総合力で勝負する。ハードヒットに負けないタフネスも相当なもので、過去5年間で1試合しか休んでいないのも、オフシーズンの体作りなど自己管理能力の高さを物語っている。極めつけのナイスガイで、若手選手のよき兄貴分。
昨年のドラフト2巡指名でウェスタンミシガン大から入団。どこといって穴のない完成度の高いプレーぶりで、あっさりとスターターの座を手に入れた。開幕5試合で364ydsと素晴らしいスタートを切ったが、ドルフィンズ戦で足首を捻挫すると、復帰を急ぎすぎたせいもあってその後はスランプに。それでもシーズン632ydsを記録してオールルーキーチームにも選出され、先発でやっていけることは証明ずみ。
今春パッカーズがランディ・モスのトレード交渉以外にFA補強の動きをほとんどしなかったのは、「ジェニングスを控えに下げるにはモスぐらいの選手でなければ」という考え方だったようだ。少し動きが硬そうに見えるドライバーとは対照的に、常に流れるような動きでセンスの高さを感じさせる。ミドルでの競り合いに強く、度胸もあり、ランアフターキャッチの身のこなしも素晴らしい。ドライバーと同じく、フランカーとスプリットエンドの両方がこなせるので、フレキシブルなユニットが組める。
サンノゼ州立大から3巡指名されたルーキー。詳しくはルーキー紹介を参照のこと。スピードが4.5秒台後半と遅いため、3巡指名には驚きの声が多かった。ガタイがしっかりしていて競り合いに強く、パスキャッチが上手い実戦向きのタイプらしい。入団後のプレーぶりは決して悪くはないが、昨年のジェニングスのような大評判ではないのは確か。この項で3番目に紹介しているのは3巡指名という肩書きがあるためで、3番手争いに勝ち残るのはルーキーにとって容易なことではない。
サギノーヴァレー州立大(ミシガン州)出身、プラクティス・スクワッドやNFLヨーロッパ派遣を経て3年目の昨季ついにロースター入りした。ファーガソンの負傷とロビンソンの出場停止で3番手に昇格してパスキャッチ21回358ydsを記録し、最終戦では7回118ydsの大活躍も見せた。スピードはないが193cmの長身でパスキャッチが非常にうまいポゼッション型。今年のキャンプでも3番手争いに加わることになる。
2005年にカーディナルスにドラフト外入団し、昨年12月上旬にカットされたところをパッカーズが獲得。終盤4試合に出場して、最終戦だけで5回87ydsと貴重な働きを見せた。ノートルダム大では3年まで先発QB(つまりブレイディ・クインの前任者)だったため、WRに転向してから3年ほどしか経験がない。身長188cmのサイズがあり、アスレチック能力も高い。ミニキャンプやOTAでの出来は上記マーティンらを上回っており、3番手争いの最右翼ではないか、という一部の評判もある。