グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2007年7月 2日

ドラフト指名選手紹介 10: RBデショーン・ウィン

7巡18位 RB デショーン・ウィン Deshawn Wynn
Florida Senior 5-11(181cm) 232lb(105kg) 40yds/4.48秒 1983年10月9日生

経歴 : オハイオ州シンシナティ出身。高校では4年のうち3シーズンで2000ydsラッシング・30TDという驚異的な成績を残し、全米トップを争う有力RBと評価される。フロリダ大に進むと、レッドシャツを経た1年目から控えRBとして540yds・5TDを挙げる活躍。しかし2年目は成績が落ち込み、3年目はスターターとなったものの問題を起こして出場停止処分を受け、先発は6試合にとどまった。

4年目の昨季は中盤にヒザを捻挫、終盤には肩を痛めたため、シーズン後半のキャリー数が大幅に減り、けっきょく124回630yds(平均5.1yds)どまり。それでもオハイオ州立大とのBCSチャンピオンシップゲームでは69yds・1TDを挙げ、全米王座に貢献している。中途半端なシーズンばかりだったため、賞には無縁の大学4年間だった。

Strengths : フルバックのような発達したガタイと、十分なスピードを持っている。バランスがよく、鋭いカットができる。オープンを走るよりも、鋭い加速で両タックル間を走り抜けるタイプ。ブロッキングは改善が必要だが、NFLでパスプロをこなせるだけのサイズとパワーはある。パスキャッチは大学通算でわずか35回しかないものの、ランアフターキャッチはよく、アンダーニースのレシーバーとしてまずまず武器になる。

Weakness : 大学入学時の評判はかなりのものだったが、4年間通して期待を下回る成績しか残せなかった。やや姿勢が高いため、ビッグヒットを受けやすい。インサイドランナーとしてはフィジカルさに欠け、アウトサイドを走るにはスピードや瞬発力に欠けるかも。ブレークアウトの兆しを見せたところでケガをしてしまい、なかなかシーズンをフルに活躍できない。精神面でのリスクが大きい問題児タイプ。

メンタル面 : コーチと問題を起こして出場停止を喰らったことがある(詳しくは下記で)。酷評するスカウトたちのコメントをまとめると、才能はあるがハードに走らない、食うのは好きだが体調管理に興味がない、不真面目、やる気に欠ける、悪いヤツじゃないが精神的にタフでない、などなど。ワンダーリックテストは平均をやや下回る16点。

指名の経緯 : フロリダ大のスタン・ドレイトンRBコーチはかつてパッカーズでコーチをしていたので、パッカーズ側は彼からウィンの精神面について詳しく聞き、ドレイトンは良いことも悪いことも包み隠さず話したのだという。「彼は悪い人間ではなく、人格面のリスクがあるとは我々は思っていない。ただ、フロリダ大で何度かルールに従わなかった、ということだ」とトンプソンGM。多少のリスクがあっても7巡なら、と判断したのだろう。

パッカーズにとって : アーマン・グリーンが抜けてエースRB不在となったため、2巡指名のブランドン・ジャクソンに続いて2人目のRB指名となった。ジャクソンとヴァーナンド・モレンシーが先発を争い、このウィンとノア・ヘロンが3番手を争うものと見られているが、目覚しい働きを見せれば誰がスターターになってもおかしくないチーム状況にある。

232ポンドのサイズがあるので、コーチ陣はフルバックとしても試したい意向を明らかにしている。「フィールド上のこともフィールド外のことも、我々は十分に調査して熟慮した結果、魅力ある選手と判断して指名した。ヴァーサタイルな才能があるので、おそらくハーフバックとフルバックを兼ねることも可能だろう」とエドガー・ベネットRBコーチ。大学ではリターナー経験はないが、ミニキャンプやOTAではキックオフリターナー候補として練習をしている。

問題児 : 事件を起こしたのは2005年のキャンプでのこと。練習中に携帯電話で話していて指示に従わなかったのが2005年開幕戦出場停止の理由と言われているが、実際は駐車ステッカーのちょっとした問題が原因だったと本人は語っている。3年目まではやる気に乏しかったと自分でも認めているが、4年目の昨年は精神的に大きく成長したとのこと。(5月の記事を参照)

「僕のしたことについていろいろな噂が出回っていて、自分ではどうすることもできない。ただ実際に会った相手には、正しい印象を持ってもらおうと努めている。僕の悪い噂を聞いていても実際に会う以上は、フェアなチャンスをもらいたいと思うだけだ」と本人。

フロリダ大 : 全米王座に輝いただけあって、今年は9人ものフロリダ大選手がドラフト指名された。同大からパッカーズに指名されたのは7年ぶり通算12人目。パッカーズで活躍した選手は不思議と少ないが、60年代にキッカー兼パンターとしてスーパーボウル連覇に貢献したドン・チャンドラーがいる。また、ホルムグレンの前にヘッドコーチを務めたリンディ・インファンテも同大の出身。(DBとしてブラウンズに9巡指名)

カテゴリ : Draft, Player