グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2007年6月 1日

ドラフト指名選手紹介 2: RBブランドン・ジャクソン

 2巡31位 RB ブランドン・ジャクソン Brandon Jackson
Nebraska Junior 5-10(178cm) 212lb(96kg) 40yds/4.41秒 1985年10月2日生

経歴 : シカゴに生まれ、11歳でミシシッピ州ホーン・レイクに移った。同市は州の最北部にあり、むしろテネシー州メンフィスの南郊と言った方がいい。RBとして活躍し、州の優秀選手として多くの賞を受賞。陸上の100m走では州大会6位、ベスト記録は10秒6。ネブラスカ大に進むとレッドシャツを経ずに1年目から390yds(平均4.6)、6TDを挙げる活躍を見せたが、2年目は肩のケガでプレー機会はほとんどなかった。

エースRBだったコーリー・ロス(現BAL)が昨年春に抜けると、ジャクソンを含め3人のRBが交代でプレーする体制となった。序盤は3rdダウンバック的な使われ方だったが、第6週からスターターに定着して万能バックとしてブレークアウト。14試合のうち9試合に先発してラッシング989yds(平均5.3)、パスキャッチ33回313yds、計10TDを挙げた。4年目は大学に残らず、アーリーエントリーする道を選んだ。

Strengths : 身長は高くないが、全体的にガッチリした体型で、肩まわり、太もも、ふくらはぎとよく発達している。アジリティに優れ、バランスがいい。インサイドを突くタフネスも、アウトサイドを駆け抜けるスピードもある。嗅覚に優れビジョンがよく、素早く穴を見つけてカットバックする、ゾーンブロッキング向きの鋭い加速がある。捕まえにくく、ビッグヒットを受けにくい。

今のネブラスカ大はウェストコーストオフェンスかつゾーンブロッキング・スキームを採用していて、パッカーズと全く同じ。パスキャッチ(チーム3位の33キャッチ)がうまく、ランアフターキャッチがよい。先発経験わずか1年のため、よく言えば使い減りしていない。レッドシャツを経ず3年間プレーしただけなので、まだ21歳と若い。

Weakness : スピードもパワーもエリート級ではない。コンバインでの40yds走は4.54秒で、"Pro Day"での4.41秒はかなり速いサーフェスに恵まれた。サイズが小さく、脚が短め。先発経験が1年しかなく、エースとしてキャリー数をこなせるか未知数のところがある。ボールの持ち方が雑になるときがあり、ボールセキュリティを改善する必要がある。パスプロテクションでのテクニックが磨かれておらず、簡単に押し込まれやすい。2005年春には肩関節の大きなケガで手術を受けた。

メンタル面 : 7巡指名のRBデショーン・ウィンと比べると問題児タイプではなく、メンタルはしっかりした選手のようだ。同大のランディー・ジョーダンRBコーチ(元OAK)によると、「自分の好きなことしかやりたがらない選手は多いが彼は違う。最初のころはパスプロテクションが好きじゃなかったが、『使ってもらいたければパスプロテクトだ。見せてみろ』と課題に挑戦させた。すると彼は居残り練習をして頑張った。(ブリッツしてくる)ラインバッカーのフィルムも居残り勉強して、とてもよいブロッカーになった」

指名の経緯 : パッカーズは1巡16位でRBマーショーン・リンチが残っていれば指名するつもりだったらしい。2巡15位(全体47位)の時点では、RBケニー・アイアンズ(17位でCIN)やRBクリス・ヘンリー(18位でTEN)が残っていたが、パッカーズはトレードダウンして3巡と6巡指名権を増やし、2巡31位(全体63位)でジャクソンを指名した。パッカーズ向きのジャクソンを高く評価し、彼なら2巡末でも残っていると予想したためかもしれない。他球団スカウトのコメントを見ると、かなり惚れ込んでいる者も一部にはいるが、3巡から4巡クラスとの評価が多い。

パッカーズにとって : RBアーマン・グリーンがFA移籍し、RBヴァーナンド・モレンシーは昨季代役スターターとして活躍したものの、シーズンを通して先発を務めた経験がない。そのため、少なくとも共同でスターターの重責を担えるRBが必要だった。RBジャクソンならウェストコースト経験が豊富なため、パスオフェンスでも期待できる。RBモレンシーも先発の座を狙ってバルクアップしており、今夏のトレーニングキャンプでは2人のスターター争いが注目の的となりそうだ。

ネブラスカ大 : パッカーズでネブラスカといえばやはりRBアーマン・グリーン(98年3巡でSEA)で、その他には1996年3巡指名のCBタイロン・ウィリアムズがいる。オプション攻撃の牙城だったかつてのネブラスカとは違い、今はビル・キャラハン(元レイダーズ)のもとでウェストコーストオフェンスをしており、同じくレイダーズで活躍したランディー・ジョーダンがRBコーチをしている。パッカーズのオフェンスにぴったりのタイプで、パスキャッチやブロッキングを含めた総合力でいえば、RBアーマン・グリーンのプロ入り時より即戦力タイプの可能性もある。

「ネブラスカはブロッキングにすごく力を入れてる。『ウチのシステムでは、ブロックできなければ出番はない』とコーチたちが言うんだ。1回の練習で二度もブロッキング・ドリルがある」とRBジャクソン。

アーリーエントリー : 先発経験がわずか1年、それもシーズン途中からエースとなったのに、4年目をパスしてアーリーエントリーする道を選んだ。「理由は2つある。いいシーズンを送れたのでそれを最大限に活かしたかった。もう1つは経済的な理由。母は糖尿病があって、それでも正看護婦として老人ホームで大変な仕事をしている。僕に全てを与えてくれた母を、今度は助けてやりたかった」

カテゴリ : Draft, Player