グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2007年2月23日

シーズン総括と展望 TE編

落球やファンブルなどミスが多く、2006年に最も苦しんだユニットかもしれない。若く未熟なOL陣を助けるため、ブロッキングの負担が大幅に増えたことが影響していたのは確かだ。相手DEを少しチップしてパスコースに出るという通常のプレーよりも、長い時間ブロッキングを手伝わざるをえないため、パスコースに出てもなかなかフリーになれず、またキャッチの際も集中力が落ちてしまっていた。

パス成功数に占めるTEの割合は、2005年に22.1%だったが16%にダウン。TD数に占める割合も30%から11.1%に急落した。上位TE3人とも、地元2紙による2006年シーズン評価は"D"以下に酷評されている。ただ、OL陣が成長してヘルプが不要になってくれば、以前の力を取り戻す可能性はある。

落球・ファンブル・ブロックミス・反則がどれも多かったフランクスには地元メディアもファンも非難ごうごうで、「放出すべき」という意見が多い。しかし2007年のサラリーが$1.4ミリオンほどであるため、早急にカットすることはしないかもしれない。デヴィッド・マーティンとドナルド・リーはどちらもFA予定だったが、リーは先日1年契約を結んだところ。

というわけでRBやWRと並んで今春の重要な補強ポイントとなっているが、今年はFA市場に優秀なTEが多くないようで、自前のベテランを残しつつドラフトで1人指名して育てる、といったところが現実的か。FA予定選手で有名どころは、ダニエル・グレアム(NE)やジェレミー・スティーヴンス(SEA)あたり。また、パッカーズがドラフトでTEを指名すると2001年6巡のデヴィッド・マーティン以来6年ぶりとなる。

ババ・フランクス Bubba Franks

全試合に出場しながらTDゼロと、キャリア最悪のシーズン。堅実さだけが取り柄だった彼が信じられないようなミスを繰り返し、オフェンスの足を引っ張った。滅多になかった落球が11.3%に跳ね上がり、反則4回、ファンブル2回。ブロッキングもミスが多かった。これまで堅実無比だった実績があるので、簡単に見放すようなことはしない、とマッカーシーHCは語っているが、トンプソンGMが同じように見ているかはわからない。

2005年夏に7年契約を結んでいて2007年まではサラリーが比較的安いが、2008年から年$3ミリオンほどに跳ね上がることになっている。スターター級のFAが手に入らないのなら、けっきょく今年は放出せずもう1年様子を見ることになるかもしれない。

デヴィッド・マーティン David Martin

フランクス(スランプ前の)とは対照的で、アスレチック能力は高いが安定感に欠け、ケガがめっぽう多い。今季も11月まではキャリア最高の成績だったが、わき腹を痛めてしまい5試合欠場してシーズンを終えた。それでも、彼の縦へのスピードがレシーバー不足のパスオフェンスを助けていたのは確かだ。チームがドナルド・リーと再契約したということは、マーティンとはもう再契約の意思がないのか、それともFA市場のつける値を見てから動けばいい、と見ているのか。

ドナルド・リー Donald Lee

軽量でスピードのあるレシービングTE。2005年にはTE陣最多33キャッチの活躍を見せたが、期待された2006年はわずか10キャッチ、TDゼロ、落球率23%と惨憺たる成績に終わった。それでもパッカーズが再契約したのは、スペシャルチームでまずまず貢献していること、26歳でまだ成長の余地がありそうなことを評価したのかもしれない。

トリー・ハンフリー Tory Humphrey

ドラフト外から2年目の2006年は、NFLヨーロッパ派遣(19回206yds)を経て、4番手TEとして開幕ロースター入りを果たした。7試合に出場したがパスキャッチの機会はなく、出番はスペシャルチームのみ。11月半ばにハムストリングを負傷してインジャリーリザーブ入りしている。

ザク・アルコーン Zac Alcorn

NAIAに属するブラックヒルズ州立大(サウスダコタ州)出身のドラフト外ルーキーで、ハンフリーが戦線離脱した11月半ばにプラクティス・スクワッドからロースター入りを果たした。40yds走4.62秒とTEにしてはスピードがあり、パスキャッチはTE陣で最も上手いという評判。今夏は3番手の座を争うか。

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