2年続けてドライバーの孤軍奮闘ぶりが際立ったシーズンで、彼に通れば1stダウン、ダメならパントの繰り返し。2巡ルーキーのジェニングスは開幕から素晴らしい活躍をしていたが、足首負傷とともにスランプに陥り、ファーヴとのコンビネーションがイマイチのままシーズンを終えた。3番手のファーガソンは第4週で足を骨折してシーズンエンドとなり、ドライバー以外は全員がルーキー(および1年目選手)となってしまった。3番手に昇格したルヴェル・マーティンは時おり光るものを見せた。
第2週には元SEAのコーレン・ロビンソンを獲得したが、10月半ばに1年の出場停止処分が決まり、来年の同時期まで復帰できない。第2週ならそこそこ使えるWRがFA市場に残っていて、そうでなくても若手に経験を積ませる機会だったのに、こんな問題児を獲ったために1ヶ月をまるまる無駄にしてしまった、とトンプソンGMの見通しの甘さを批判する声も多い。
出場停止期間中は球団施設で練習することもキャンプ等に参加することもできないため、ロビンソンが来季の戦力になるかどうかは、アルコール依存症の治療を含めて彼ひとりで努力できるかどうかにかかっている。はっきり言ってアテにはできないので、彼はいないものとして補強プランを立てたほうがよさそうだ。ファーガソンとはまだ契約が残っているが、スターターが務まらない限界ははっきり見えており、高いサラリーを払うよりも解雇するだろうとの見方が強い。
というわけで、オフェンスではRBと並んで最重要補強ポイントとなっている。ドライバーとジェニングスはどちらもショートからミドルを得意とし、フィールドを縦にストレッチするスピードにはやや欠けるため、ディープスレットが1枚ほしいところだ。今年2年目となる若手ばかりなので、ドラフトよりもFAで即戦力が獲れれば理想的。
パスキャッチ数もヤーデージも自己最高。3年連続で1200ydsを達成し、二度目のプロボウル出場を果たした。今月32歳になったが素晴らしいハードワーカーで、衰えるどころか毎年成績を伸ばしているのだから立派のひとこと。あとは少しでも長く活躍してくれるよう祈るしかない。現状ではどうしても彼にマークが集中するので、彼以外の武器を増やすことがチームの課題となっている。
ドラフト2巡指名入団からスムーズにプロに適応し、ファーガソンを退けてスターターとなって45回632ydsの成績を残した。パスキャッチがうまくランアフターキャッチに優れている。しかし第7週で足首を捻挫すると、復帰を急ぎ過ぎたせいかスランプに。プレーが不安定となってファーヴからパスが来なくなり、不満を漏らすこともあった。とはいえ先発で十分やっていける力があることは証明済みで、メンタルがしっかりしているので慢心もなさそう。
2001年の2巡指名入団から毎年のように先発のチャンスを与えられながら、期待に応えることができなかった。練習ではよくてもディフェンダーがいるとダメなタイプで、CBからセパレートすることができず、不思議なほどボールの競り合いに弱い。まだ契約(サラリーは$2ミリオン前後)は残っているが、チームはもう見限って解雇するだろうとの見方が強い。残った場合は下記の若手たちとロースター争いになるだろう。
ドラフト外入団から3年目にしてついにロースター入りを果たし、ファーガソンの負傷とロビンソンの出場停止で3番手に昇格。パスキャッチ21回358ydsを記録し、最終戦では7回118ydsの大活躍も見せた。スピードはないが193cmの長身でパスキャッチが非常にうまいポゼッション型。彼が3番手ではチームとしては物足りないが、4番手・5番手あたりなら面白い存在になりそうだ。
2005年にカーディナルスにドラフト外入団し、昨年12月上旬にカットされたところをパッカーズが獲得。終盤4試合に出場して9回126ydsを記録し、最終戦だけで5回87ydsと貴重な働きを見せた。ノートルダム大では3年まで先発QBを務めたため、WRに転向してから3年ほどしか経験がなく、そのぶん伸びシロはありそうだ。身長188cmのサイズがあり、直線スピードは超一流ではないがアスレチック能力は高い。来季はリターナーの候補にもなるかもしれない。上記のルヴェル・マーティンより良いのではないか、という声もある。
不祥事まみれの問題児で、トラブルの源泉は主にアルコールのようだ。サイズもスピードも十分ある魅力的な選手だが、シアトル時代は落球癖が問題だった。10月半ばに1年間出場停止処分を受けており、復帰が可能になるのも今年のその時期となる。それまでは球団施設でのトレーニングもミーティング参加も許されないので、自力で依存症を克服し、体作りをして復帰に備えなければならない。前歴からしてそこまでは期待できず、「いないものとして補強を考えるべき」とする意見が圧倒的だ。