グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2006年6月20日

ドラフト指名選手紹介 9: T/Gトニー・モール

 5巡33位 T/G トニー・モール Tony Moll
Nevada Senior 6-4 (194cm) 308lb(140kg) 40yds/5.10秒 1983年8月23日生

経歴 : カリフォルニア州ソノマ出身。熱心な49ersファンとしてベイエリアで育った。高校ではタイトエンドとディフェンシブエンドの両方で活躍し、DEではリーグの1stチームに選ばれる。ネヴァダ大に進むと、レッドシャツを経た1年目は控えTE兼スペシャルチーマー。2年目はに先発TEとなったが、Hバックをやることも多かったようだ。

3年目に2番手TEに後退すると、4年目の春にはタックルへコンバートされ、全試合に先発出場。オールWACの1stチームに選ばれている。同大では左/右タックルという区別ではなく、モールはウィークサイドOTを担当していた。そのため左右タックルの経験がある。

Strengths : タイトエンドから転向してわずか1年なのでまだ線が細いが、NFLのラインマンには十分なサイズがある。アスレチック能力に非常に恵まれ、潜在能力は高い。左右両タックルの経験があり、ガードもこなせるだろうとパッカーズは見ている。

Weakness : OTとしてのスターター経験が1年しかなく、かなり粗削り。細かい技術がまだ未熟で、アスレチック能力をゲームで活かせないことも多い。一人前になるにはある程度の時間がかかると覚悟すべきだろう。225ポンドのベンチプレス18回はオフェンシブラインとしては物足りず、パワーをつける必要がある。

メンタル面 : ワンダーリックテスト23点はまずまず。それ以外の情報が全くない。

指名の経緯 : ドラフト前に興味を示したのはパッカーズとカウボーイズで、グリーンベイを訪問してワークアウトも行っていた。しかしパッカーズはOTダリン・カレッジを2巡指名し、モール指名は消えたかに見えた。「いっぽうダラスは、4巡からの3つのピックで僕とレシーバーとセーフティを検討している、と言ってくれた。そして彼らは4巡でレシーバー、5巡でセーフティを獲ったものだから、僕はだんだん落ち込んできた。半分あきらめてウトウトしたところへ、パッカーズが電話をくれた。ポジション経験1年では、ドラフト外で契約する可能性が一番高いと思っていたから、すごく嬉しかったよ。今でも信じられない」

メディアにとっては超無名選手。多くの選手のプロフィールを揃えているNFL.comさえ指名直後はリンクが表示されなかったほどで、またESPNでは"WR"と最初は表示されていた。有力メディアの中でプロフィールが出ていたのは The Sporting News だけだった。

パッカーズにとって : 今年3人目のOL指名。2巡指名のT/Gダリン・カレッジと同じようにゾーンブロッキング向きの軽量アスレチックOLで、サイズ的にもT/Gカレッジに似ている。しかしOL経験が1年しかないことを考えると即戦力になるのは無理な話で、一人前になるには何年もかかるだろう。今年はロースター入りできずにプラクティス・スクワッドかもしれない。

タイトエンドからのコンバート : すでにネヴァダ大に入学した時点で、いずれOLにコンバートしたいとコーチから言われていたらしい。頑固なモールは、毎年それを断り続けていた。しかしタイトエンド陣が豊富で出番がなくなりそうなこともあって2005年春にようやくコンバートを承知し、全試合に先発出場してオールWACの1stチームに選出される活躍を見せた。1年で50ポンドも体重を増やしている。

TEのままではNFL入りなどとても無理だっただけに、コンバートされたことに感謝しているモールだが、TEをやっていたおかげで能力を磨くことができた、とも語っている。「高校から大学までずっとタックルをやっていたら、今のようなクイックなフットワークはなかっただろう。タイトエンドをやるためにはクイックネスやアスレティシズムが必要だった。そういったスキルが今の僕を助けてくれているのは確かだ」

WAC : ネヴァダ大の所属する Western Athletic Conference(WAC)はどちらかというと地味なカンファレンス。WACの9校から今年ドラフト指名されたのは5人だけだったが、なんとそのうち3人がパッカーズだった。2巡のT/Gダリン・カレッジ(ボイジー州立)、5巡のT/Gモール(ネヴァダ)、6巡のSタイロン・カルヴァー(フレズノ州立)。ネヴァダ大から昨年は1人もドラフト指名されず、今年はモール1人だけ。パッカーズからの指名は同校史上初めて。

カテゴリ : Draft, Player