Cスコット・ウェルズはやや控えめな性格で、前任者のマイク・フラナガンと比べて積極的な発言を好まないところがある。しかしOL陣のリーダーである先発センターになった今年からは、そう言ってもいられない。「僕は少し後ろに引いて、フィールドでのパフォーマンス自体に語らしめる方が好みだね。しかしセンターである以上、よりはっきりと物を言う必要がある。他の先発OLたちにしっかり仕事をさせ、自分も責任を負わなければならない。それに他のラインマンたちにも目を配らなければ」
2004年の7巡指名で入団したウェルズは、1年目からセンターで2試合に先発。昨季はケガのCフラナガンに代わって2試合に先発しただけでなく、不振のエイドリアン・クレムに代わって左ガードで8試合で先発を務めた。結果としてプロでの先発試合数はガードの方が上回ってしまったが、彼の本領がセンターにあるのは衆目の一致するところだ。
「大学でもずっとセンターだったし、僕のナチュラルなポジションだと思う。センターというのは自分の考えをみんなに聞かせなければならないし、彼らの注目を集めなければならない」とウェルズは言う。ジャゴジンスキーOCも、「彼に言ったことだが、センターはただ自分のポジションをプレーするだけでなく、選手たちの中心なのだ。グループ全体として物事を考える必要がある。そこから全てが始まる」と語っている。
また、クォーターバックとセンターの関係がうまく行くには、コミュニケーションが重要なのだとQBロジャースは言う。「僕はフラニー(フラナガン)とブレット(ファーヴ)からそれを学んだんだ。彼らは常に呼吸がぴったり合っていた。ブレットは、プロテクションのアジャストに関して自分が出した指示を、フラニーが変更することも許していた。ブレットがフラニーの知識をいかに信頼しているかを示していて、本当にすごいことだと思ったよ」
身長が6フィート2(188cm)しかないウェルズはNFLの常識からするとサイズが小さすぎるものの、今年から採用のゾーンブロッキング・スキームにはぴったりのタイプと言える。ウェルズの馬力についてQBロジャースは、「まるでブルドッグだよ。彼のベンチプレスやスクワットを見ると、バーが折れるんじゃないかと心配になる。それに重心がものすごく低い。サイズは大きくても重心が高すぎる選手はたくさんいる。彼の姿勢の低さは、大きな助けになるはずだ」と語っている。