グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2005年5月 9日

ドラフト指名選手紹介 1: QBアーロン・ロジャース

 1巡24位 QB アーロン・ロジャース Aaron Rodgers
California Junior 6-2 (188cm) 223lb(101kg) 40yds/4.71秒 1983年12月2日生

経歴 : カリフォルニア州北部のチコ市出身。高校卒業時には一部校から奨学金のオファーを貰えず(学業成績の問題ではない)、ジュニアカレッジへ。そこで全米2位にランクされる活躍を見せ、わずか1年でカリフォルニア大に転入を許された。その直後の2003年シーズン途中からスターターに昇格し、2年間でパス5,469yds、成功率63.8%、43TD、13INTの大活躍。同大にとって久しぶりの2年連続勝ち越し、2年連続のボウルゲーム出場に導いた。

Strengths : 今年のQBの中では最も強い肩を持つ1人で、NFLで要求される全てのパスをこなすことができる。基礎やメカニックが非常にしっかりしており、かなりのクイックリリースで、タッチやタイミングも良い。手も大きい。ポケットでの落ち着きがあり、ヒットを恐れずにぎりぎりまで待つことができる。ポケットで素早くセットし、フィールド全体を見渡すことができる。レシーバーを探すプログレッション・リードもトップクラスになるまでに向上してきた。無理な場所に投げ込むことが少なく、それはINT率の低さに表れている。

大学でもウェストコーストオフェンスをプレーしてきたのは強み。また、レシーバー陣に恵まれないチーム状態でこれだけの数字を残したのも高く評価できる。ポケットでの(ラッシュを感じ取る)感覚が非常に良く、自分の足でセカンドチャンスを生み出すことができる。40yds走4.71秒のスピードは、いわゆる「モバイル系」でないQBとしては最速クラス。タフでリーダーシップに優れる。人格面や熱心さでもコーチからの評判は非常に良い。

Weakness : 身長がやや低い(ファーヴと同じ)。短大経由でカリフォルニア大に入り、しかもアーリーエントリー(3年終了時点でのプロ入り)のため、一部校での先発経験が多くない。スターターとなったのは2003年シーズンの半ばから。ショートパス中心のオフェンスでプレーしており、ミドルからロングのパスの精度については未知数な点もある。足はあるが、ランの脅威は少ない。

ジェフ・テッドフォードHCは、フレズノ州立大、オレゴン大、カリフォルニア大で、トレント・ディルファー、アキリ・スミス、ジョーイ・ハリントン、デヴィッド・カー、カイル・ボラーとドラフト1巡指名QBを育ててきたが、まだ1人も「フランチャイズQB」にはなっていない。どれもしょせんは「システムQB」にすぎず、カレッジではすごい数字は残せてもプロで伸びないのではないか、という漠然とした経験論が専門家の中にもあるようだ。ロジャース自身もテッドフォードの教えに忠実に、高い位置でボールを持つが、そのフォームが「ロボティックだ」という声もある。

メンタル面 : 落ち着いていて自信にあふれ、リーダーシップもあり、精神面は申し分なさそう。謙虚で、無意味な鼻っ柱の強さはないタイプ。ドラフト当日、1位指名候補から指名順がどんどん落ちて4時間半も待たされるという試練を経たが、それでもポジティブにパッカーズ入団を喜ぶ姿勢を崩さなかったことで、ジュニアカレッジから這い上がった苦労は伊達ではないことを証明して見せた。学業成績は良く、ワンダーリックテスト35点も優秀。

指名の経緯 : 49ersは1巡1位でアレックス・スミスかロジャースのどちらを指名するか、直前まで迷った末にスミスを選んだ。10位は外れないだろうと予想されていたが、さまざまな展開のアヤが重なって、あれよあれよという間にロジャースが24位まで落ちてきてしまった。パッカーズにとっては想定外に近かったが、滅多にないチャンスであり、思い切って指名しないわけにはいかない。待ちくたびれたロジャースの一家に対する同情がドラフト会場には満ち満ちており、パッカーズの指名と同時に大歓声が上がった。

もともとパッカーズは2巡指名権が2つあったため、そのどちらかでQBを獲る可能性が高かった。トンプソンGMはロジャースが落ちてくることなどないと最初はやや準備不足だったが、直前の週にその可能性を示唆する情報を得て、あらためてロジャースのテープを入念にチェックしたのだという。

パッカーズにとって : チーム首脳は2002年ごろから、「ファーヴの後継者探し」が大きなテーマだと公言してさまざまな道を探ってきたが、これでようやく本格候補を手に入れた。ファーヴの現役生活はあと1年か2年という見方が主流で、ロジャースはその間ファーヴの下でじっくり修業を積むことになる。しかし、「ファーヴにはあと何年でもやってもらいたい」というのが今でもパッカーズ首脳の公式見解であり、引退への道筋を固めたばかりにファーヴの気力が萎えるようなことは避けたい、という意図がよくわかる。

etc. : 北カリフォルニア出身とあって、彼のかつてのアイドルはジョー・モンタナ。彼の引退後はファーヴが好きだったとのこと。モンタナが去った直後にQBスティーヴ・ヤングが49ersを率いてスーパーボウルを制覇したように、ファーヴの後にグリーンベイに再び栄光をもたらすことを彼は夢見ている。なお、ファーヴがスーパーボウルを制覇した時、彼はまだ13歳だった。

カテゴリ : Draft, Player