グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2003年5月30日

QBファーヴ : 衰えぬ情熱

ミニキャンプ初日のこと。QBブレット・ファーヴはロッカールームのそばで、ドラフト1巡指名を受けたばかりのLBバーネットと、初めて顔を合わせた。「 『やあニック。調子はどうだ』 と声をかけたら、あいつは 『なんてこった、ブレット・ファーヴだ。スゲエ・・・』 とか言ってるんだ。俺も歳をとったもんだ、と思ったよ」とファーヴは笑う。無理もない。ファーヴがグリーンベイにやってきたころ、このルーキーはまだ小学生だったのだから。

「いま一緒にやっている連中は、たぶん僕のしてきたことを半分も知らないだろう。自分自身、かつては若手だったのに、時が過ぎるのは早いもんだ・・・。動揺してるんじゃない。面白いんだ」と語るファーヴ。この話をしているのは午前8時。ミシシッピ州ハティスバーグの自宅で、妻ディアナとマウンテンバイクで3マイルほど走ってきたところだ。毎朝6時には目を覚まし、トレーニングや庭仕事に汗を流す。朝6時と言えば、夜遊びばかりしていた若いころなら、まだ眠りについて間もない時間だ。

「僕は、いろいろなことを変えてきた。アルコールは、この5年間まったく口にしていないし、庭仕事が本当に楽しくなった。だからといって、競争心の炎が消えたわけじゃない。むしろ、いつになく強くなってる。あと1年か2年か3年しか残っていないと思うからこそだ。残るチャンスを少しでも無駄にしたくない。それでダメなら、その時はその時だよ」とファーヴは語る。そして、今年のパッカーズが補強したディフェンスは「目に見えて速くなった」と評価し、若いWR陣は「これまでで最高だ」と大きな期待を寄せている。

彼が最も嫌がるのは、「もはやフットボールを楽しめなくなっている」と言われることだ。それどころか、数年前よりも全体的に優れた選手になったと信じている。「できたら、いま現在の僕が'97年のチームにいたら、と思うんだ。デンバーに敗れたスーパーボウルをやり直したい。無敗で優勝ができたかもしれない。あの時は3敗しかしなかったわけだから」

来たるべきシーズンへの期待を語るファーヴに、情熱が衰えたような兆候は全く見られない。永遠にプレーできないことは、彼にもわかっている。入ってくるルーキーは年々、若くなるばかり。それでも彼はパスラッシュをかわし、パスを投げ続けるつもりだ。それが彼に出来るかぎり。彼にそのつもりがないと思う人には、ファーヴという人物がよくわかっていないのだ。

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