グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2003年5月16日

LBバーネット指名に至った経緯

ドラフトから半月以上経ってしまったが、パッカーズが1巡29位でLBニック・バーネットを指名するに至った経緯を、管理人に分かっている範囲で振り返ってみたい。

ドラフト直前の記者会見。シャーマンHCが、QBファーヴの来年以降の現役続行について楽観的な見通しを明らかにした。そして1巡でのQB指名についても、以前よりやや消極的なコメント。ファーヴがあと2年以上やってくれる、との確信をチーム側が得たことはほぼ間違いない。実際にこの会見の通りのドラフト結果となった。

1巡29位では望むようなQBは残っていそうになく、QBグロスマンはトレードアップして獲りに行くほどではない、と評価したことも、この会見の背景にあるようだ。QBレフトウィッチはウェストコーストオフェンス向きでないと判断し、QBカイル・ボラーの方を高く(つまりQBパーマーの次に)評価していたらしい。3月頃には、ESPNを中心として「パッカーズはグロスマンに惚れ込んでいる」との噂が流れたが、ロン・ウルフ顧問あたりが流した偽情報かも。

ドラフト本番。QBグロスマンが1巡22位(CHI)で指名され、1巡評価の4人のQBが消えた。パッカーズはQBを指名すべきだったか、後になって批判される恐れもなくなった。今年のパッカーズに必要なのはLB、またはDT。DTは豊作と言われたが、ここまでに6人も指名されており、パッカーズが1巡評価した選手は残っていない(DTケニー・ピーターソンはパッカーズは2巡クラスと評価しており、3巡で残っていたのでトレードアップして指名できた)。逆に、不作と言われたLBはここまでに1人も指名されておらず、最も高く評価した選手をそのまま指名できる。

ドラフト前の段階では、アウトサイドLBではボス・ベイリー、ミドルLBではE.J. ヘンダーソン、というのが世間一般の評価だった。パッカーズの目先の都合ではミドルLBが必要なはずだが、LBヘンダーソンはスピード不足でパスカバーにやや難がある。パスシチュエーションで使えないなら、「1巡指名するならエヴリダウン・プレーヤーでなければ」というチームの方針と反する。また、腰に爆弾も抱えている。

もう一人のボス・ベイリー。両ヒザを壊したことがあり、その懸念からパッカーズの指名対象から外れた。ドラフト前にグリーンベイに呼んでワークアウトを行ったとき、フィジカルチェックをしたドクターが、「ヒザの問題があるから、ワークアウトのメニューを加減しなければ」とシャーマンHCに進言。それで「そのような状態では指名できない」という結論になったようだ。また、タックルに難があり、恵まれたスピードをフィールドで活かせていない、ということも評価を下げた理由。

そのベイリーとは逆に、オレゴン州立大のニック・バーネットはシュアなタックルに定評がある。ベイリーのような驚異的なスピードはないものの、嗅覚や素早い判断力があり、つまりフットボールセンスに優れている。また、精神的に非常にしっかりしていることもシャーマンHCの好みに合っている。

というわけで、パッカーズのLBトップ評価はバーネットに決定。バーネットならばもっと下の順位でも指名できる、と誰もが思ったが、パッカーズ側の読みも同じだったようだ。そこで15分の制限時間を一杯に使ってトレードダウンの相手を探したが、合意には至らず、そのままLBバーネットが1巡29位指名を受けることになった。

カテゴリ : Draft, Player