グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2003年5月 7日

ショットガンを減らす

ディフェンス陣と違い、人事面であまり変化のなかったオフェンス陣だが、パス練習の中にほとんどショットガン隊形がなかったことは注目に値する。攻撃が単調になりがちだった昨季の反省から、ショットガンを減らす方針であることを、コーチたちが公に認めた。

一昨年の第5週、ショットガン隊形を多用したパッカーズは前年チャンピオンのレイヴンズに快勝。そのあたりからショットガンの使用頻度が増え、昨季はオフェンス全体の27.3%にも上った。そのうち1stダウンでのショットガンが24.9%、2ndダウンが28.8%、3rdダウンが43.6%。3rdダウンロングでの使用が多いのは当然としても、早いダウンから使いすぎることが批判の的になっていた。今回の方針転換も、「もっと早くそうすればよかったのに」 という皮肉こそあれ、記者たちから批判の声は全く聞かれない。

「QBをセンターの下に戻すことによって、ランやラン・フェイクの脅威を増すことができる。それが我々のアイデンティティなのだ。その方向に少し戻す必要がある」とロスリーOC。ベヴェル新QBコーチは、「我々にとってショットガンが非常に有効な時もあった。たいていはそうだった。しかし、もう少しセレクティブにしたいのだ。ショットガンのおかげで3rdダウン成功率が上がったという面もある。投げる時間が稼げるから」と説明する。

ショットガンが多かった理由の一つは、しばしばファーヴにショットガンを選択するオプションを与えたこと。そしてそのファーヴ自身が、ショットガンを好んだせいでもある。「ブレットにはショットガンを使える裁量権を与えていた。彼がショットガンを多用したのは、パスプロテクションが非常に安定するからだ」とロスリーOC。あれほどラインにケガ人が出るなかで、チーム最大の財産であるQBファーヴを守ることを優先せざるを得なかったことは否めない。しかしファーヴのケガを恐れるあまり、オフェンスが単純になり、弱くなってしまった、とロスリーOCも認めている。

今回の方針転換は、ファーヴを飽きさせないため、という側面もある。ファーヴの引退を少しでも先に延ばすことは、パッカーズ首脳にとって極めて重要な課題。同じようなシステム、同じようなプレー、同じようなミーティング、同じような指示・・・。同じことを長年繰り返してきた彼の気持ちをリフレッシュし、しかもオフェンスが向上するなら言うことはない。「ブレットは自分から何かを起こすのを好み、退屈が好きではない。彼にとって面白くなるようにし、プレーが向上し続けるようにしなければならない」 とロスリーOC。

カテゴリ : Football