グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2003年2月17日

キッカーの気持ち

コルツのキッカー、マイク・ヴァンダージャットが、QBマニングやダンジーHCのことを、「温厚すぎ、情熱的でなさすぎる」 と批判し、彼らのリーダーシップに疑問を投げかけて大きな話題となった。その後、QBマニングはプロボウル生放送中のインタビューで"idiot kicker"と繰り返すなど、すったもんだのあげく、両者は話し合って「和解」したことになっている。

このようなことが起こると嫌になる、と語るのはパッカーズのキッカー、ライアン・ロングウェルだ。ただでさえ、キッカーやパンターは、チームメイトから一段低く見られることが多いからだ。「僕は常に、『チームメイトの視界から消えたら、心からも消える』 と考えてる。だから僕とPビドウェルは、ウェイトルームや練習フィールドで、みんなと同じようにトレーニングするんだ。それによって敬意を勝ち取っている。10分ほど蹴って、ハイさよなら、ってわけじゃないんだ。僕らのようなポジションは違って見られがちなだけに、今回のような事件が起こると、この職業そのものが悪い目で見られないかと、嫌になるよ」

ロングウェルは、QBマニングの反撃は正当なものだと思っている。「僕自身、自分の仕事については本当にハードにやっている。それでも試合中、彼らが3時間にわたってやり続ける仕事の10分の1にも及ばないよ。ヘッドコーチやクォーターバックなら尚更だ。フィールド上での彼らの批判ができるような立場にはない、と僕は思ってる。フィールドの外でトラブルを起こすような選手がいたら、それは別の話だけど」

'00年の最終戦、練習に遅刻して出場停止処分を受けたWRフリーマンのことを、ロングウェルは厳しく批判したことがある。「あの時に僕が言ったのは、『我々が勝つには、フリーマンがちゃんと出席して、プレーすることが必要だ』 ということだ。(今回のヴァンダージャットのように)相手のハートや、試合に対する情熱を疑問視したわけじゃない」

今回のようなトラブルがなくても、キッカーというのはつらい商売。「僕がいつも言ってるのは『キッカーは、決めた時には称賛が大きすぎ、外した時には非難が大きすぎる』ってことなんだ。でも、称賛を受けるなら、外した時の非難も甘んじて受けなければ」 とロングウェルは覚悟を語る。シーズン最終戦で決勝FGを失敗したKエイカーズ(PHI)が、試合後に記者たちを寄せ付けなかったことに、彼はやや批判的なようだ。

ロングウェルがルーキーだった'97年、フィラデルフィアで逆転の短いFGを失敗した時のことは今も忘れられない。「まるで国じゅうのレポーターが質問を浴びせかけてくるように思えたよ。あの時のように、物事がうまくいかなかった時には、じっと立って、非難を受け止めた方がいい。大声でまくし立てたり、怒鳴ったりしても何の役にも立たない。僕はあの時、45分もそうやって立ち尽くしていた。その後、チームメイトたちが寄ってきて、僕がそうしたことを尊敬する、と言ってくれたんだ」 とロングウェルは振り返る。

ロングウェルは、自分のことをフットボール・プレーヤーだと思っているが、それでも時にはチームメイトにからかわれることもあると言う。「キッカーが冗談のネタにされるのは、ロッカールームにはつきものだ。それでも日曜日になれば、僕が自分の仕事にベストを尽くすとチームメイトは分かってくれてる。大事なのはそこだよ」

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