グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2014年9月 3日
今年のトレーニングキャンプとプレシーズンでの良かった点と悪かった点を、地元メディアの評判を元にして列挙してみた。悪かった選手の多くがチームを去っているので、"Good"の側に偏っているのはご勘弁を。
- Excellent : ランニングバック陣は近年にない充実ぶり。RBジェームズ・スタークス(昨季平均5.5yds)とRBドゥワン・ハリス(昨季はケガで全休)の2番手争いはシーズンに入っても続くのでは。
- Excellent : コーナーバック陣。ハムストリング負傷から復帰のCBケイシー・ヘイワードが3番手だが、プレシーズン絶好調のCBデヴォン・ハウスが僅差で追っている。ふつうの球団なら先発が務まるレベルに見える。
- Excellent : アウトサイドラインバッカー陣。マシューズ&ペッパーズの先発コンビに、ニール&ペリーのローテーション要員。さらにムルンバと新人エリオット(プレシーズンで5サック)がいて、ネイト・パーマー(昨年6巡・先発2試合)がロースターから弾き出された。これほど層が厚いのは2009年に3-4を導入して以来初めて。
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- Very Good : 先発両タックル。LTデヴィッド・バクティアリがバルクアップしてブルラッシュに押されにくくなり、2年ちかく休んでいたRTブライアン・ブラガもぶじ復活した。両OTのレベルアップはラン/パス両方の向上につながるはず。先発両ガードも、脂の乗ったLGシットンとRGラングで申し分ない。彼らには若い新センターを助ける役回りも期待。
- Very Good : 先発セーフティ争い。1巡指名Sハハ・クリントン=ディクスは先発の座を奪えないまま開幕を迎えそうだが、それは彼が悪いのではなくSマイカ・ハイドがよいため。「1年目からハイドをセーフティにしておけば昨季のディフェンス崩壊は防げた」という声があるのも当然だ。
- Very Good : OLBジュリアス・ペッパーズ。高額契約に恥じないプレーぶりで、パスラッシュだけでなくラン守備も力強い。マシューズの逆サイドにこれだけレベルの高いOLBがいるのは初めてのことだ。相手ラインにとっては左右どちらかを1対1で対処しなければならない。左・右・インサイドとどこからでも行ける点も、戦術の幅を広げるはず。
- Very Good : 昨年急成長(6.5サック)したDEマイク・ダニエルズがさらに強力になり、名実ともにDL陣の中心に。Journal Sentinel紙は選手価値ランキングでQBロジャースに次ぐ2番目と評価している。
- Very Good : 3巡指名TEリチャード・ロジャース。ドラフト時にはもっとも疑問視された指名だが、逆に最大のヒットだったかもしれない。直線タイムよりもフィールドで速い実戦的なタイプ。難しいボールもアジャストしてキャッチでき、ブロッキングのセンスもいい。ルーキーミステイクはあっても先発で使おうと首脳陣に思わせた。
- Very Good : CBデヴォン・ハウスはプレシーズンのProFootballFocus評価が+6.8点で全CB中1位。4番手では出番がほとんどない(ダイムバックは3人目のセーフティが務める)はずなので、なんとかヘイワードを抜いて3番手に昇格したい。大事な契約最終年なのでなおさらだ。
- Very Good: 2番手QB争い。若いQBスコット・トルジーンが期待どおりの成長を見せ、プレシーズンのレーティングは112.0。しかし経験と信頼でQBマット・フリンが2番手を任された。両者とも今季かぎりで契約が切れる。引き留めるならフリンの方が容易と考えたからチームに残した、ということも考えられる。
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- Good: 若手センター2人。本来なら"Very Good"だが、J.C.トレッターの負傷で1つ格下げ。最新情報では「復帰可能IR枠」に入れる見込みで、そうなると8試合は出場できない。トレッターは給料がCディートリック=スミス(FA退団)の6分の1で、プレーぶりはすでに同格以上。しかも伸びシロがかなり残っている。5巡指名コーリー・リンズリーも力強いブロッキングで代役を大過なく務めている。
- Good: ワイドレシーバー陣のデプス。期待の新人アブレデリスが前十字靭帯断裂。また2年目組(マイルズ・ホワイト、ケヴィン・ドーシー、クリス・ハーパー)の成長が不十分で、7巡指名ジェフ・ジャニスが5番手に押し出される形で開幕ロースター入り。もちろん、ネルソン、コブ、ボイキン、2巡指名アダムズという陣容は十分なものだが、キャンプ前に期待したほどのデプスではない。
- Good: ドラフト外のNTマイク・ペネルとOLBジェイロン・エリオット。ともにキャンプ半ばで事実上ロースター入りを決めていた。ペネルは粗削りだが新人離れした馬力があり、将来の先発NT候補と期待したくなる。
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- Not Bad : インサイドラインバッカー陣。パンチに欠けるホークとブラッド・ジョーンズの先発コンビを若手がプッシュしてほしかったが、そこまでには至らず。来年こそ、ラティモア、バーリントン、ブラッドフォードのうち誰かが一角を崩してほしい。
- Not Bad : プロ2年目のDEデイトン・ジョーンズは、成長してはいるが、元1巡指名選手としてはインパクトが足りない。おなじく2年目のDE/NTジョシュ・ボイドも成長度合いに賛否両論。ただ、DLは成長に時間がかかるので今後急成長してもおかしくない。
- Not Bad : 控えOTのデレク・シェロッド。ルーキーシーズン以来3年ぶりにオフシーズンとキャンプを元気に過ごせたのはよかったが、プレーぶりは平凡で、元1巡指名選手とは思えない。もしRTブラガが契約延長できたらシェロッドに感謝すべきだろう。
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- Bad : RTドン・バークレーの戦線離脱でOL陣のデプスに大打撃。これがなければ1人ぐらいOLが負傷しても心配しなくてすんだのだが、代役がOTシェロッドやOGレーン・テイラーでは大幅戦力ダウンになる。
- Bad : B.J.ラジの戦線離脱でDL陣のデプスが心許ない。ただOLBペッパーズやOLBニールをDE的に使うこともでき、パスシチュエーションではインサイドラッシャーとして活用することもできる。
- Bad : 4巡指名OLBカール・ブラッドフォード。サイズ不足の懸念が的中し、プロのラインマン相手にパスラッシュが通用しない。キャンプ最終盤になってILBに転向し、プレシーズン最終戦では粗削りながら光るものも見せた。今後はスペシャルチームをプレーしながらILB修業に取り組む。
- Bad : 3巡指名DTカイリー・ソーントン。これまでのところ箸にも棒にもかからないプレーぶりで、ハムストリングのケガ(IR入り)がなければ解雇の決断を迫られるところだった。DLは体作りが進めば別人のようになることも多いが、最初のキャンプでこれほど悪かった選手がモノになるのかどうか。DEジャマール・レイノルズ(2001年1巡10位)やDTドネル・ワシントン(2004年3巡)以来の失敗指名に見える。