今年パッカーズからフリーエージェントとなる選手たちを下表にまとめた。今春FA予定だった選手のうち、LG T.J.ラングとは昨年夏に契約延長を済ませ(5年総額$22ミリオン)、大物はWRジェニングスだけとなっている。昨年はパッカーズから制限つきFAが1人もいなかったが、今年は暫定スターター2人を含めて5人もいる。今年のFA解禁は3月12日。用語集も参考のこと。
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無制限フリーエージェントの定義は、「NFLで4年以上の経験があり、契約が切れる選手」。話題のWRグレッグ・ジェニングスに加え、代役スターターとして頑張ったILBブラッド・ジョーンズの名前がある。
制限付きフリーエージェント(RFA)の定義は、「NFL3年目を終えて契約が切れる選手」。パッカーズはドラフト選手全員と4年契約を結ぶ習慣なので、RFAとなるのはドラフト外入団の選手や、ドラフト入団後いったん解雇された選手に限られる。今年のパッカーズはCBサム・シールズとCディートリック=スミスを引き留めなければならない。
有力なFA予定選手を無理やり引き留めるのがフランチャイズ・プレーヤーの制度。今年のフランチャイズ指名期間は2月18日から3月4日となっていて、パッカーズはWRグレッグ・ジェニングスを指名するかどうか3月4日までに決断しなければならない。ようやく確定したポジションごとの規定サラリーはこちら。すべて契約ボーナスなしの1年契約となる。トランジション・プレーヤーは金額が多少安いが、代償にドラフト指名権が不要なので引き留める力は弱い。
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今年のサラリーキャップは1球団あたり$123ミリオンに確定し、昨年の$120.6ミリオンから約2%増となった。全球団がその枠内に収めて3月12日の新年度を迎えなければならず、NFLじゅうで高額ベテラン選手の解雇が続いているところ。
なお、新TV放映権契約が発効する2014年からサラリーキャップも跳ね上がると言われているのは誤りで、「実際に大きく増えるのは2016年からの見通し」と昨年NFLから各球団に通達があったらしい。タイムラグができてしまう理由は以下のとおり。新労使協定による算出方法では、本来2011年と2012年はサラリーキャップが減額されるはずだったのが、NFL選手会との交渉により、将来のキャップから前借りする形で「前年より微増」という形を取り繕ってきたため。
個々のFA選手の分析はまた次回に。
2013 Packers Unrestricted Free Agents | |||
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Name | Pos | Age | 備考 |
Cedric Benson | RB | 30 | オールラウンドな能力は期待どおりだが足のリスフラン負傷は厄介 |
Ryan Grant | RB | 30 | シーズン後半に出戻ったがさすがにもう再契約はない |
Greg Jennings | WR | 29 | 高額FA退団が濃厚だったが残留の目もすこし出てきた |
Erik Walden | OLB | 27 | 毎年シーズン後半は不振に陥る。ローテーション要員どまり |
Brad Jones | ILB | 26 | ILBコンバートが成功。代役でチャンスを活かし先発できる力を示した |
2013 Packers Restricted Free Agents | |||
Name | Pos | Age | 備考 |
Tom Crabtree | TE | 27 | スペシャルチームでTDを挙げたがTEとしてはブロック能力のみ |
Evan Dietrich-Smith | C | 26 | サタデーを押しのけて第16週から先発。このまま先発定着なるか |
Frank Zombo | OLB | 25 | 目立った働きなし。退団濃厚 |
Rob Francois | ILB | 27 | ILB陣のケガ続出も出番ゼロ。つまり純粋なスペシャルチーマー |
Sam Shields | CB | 25 | 課題を克服して大きな成長。ディフェンスのMVPの1人 |