過去の記事 |
2012年 >
05月 >
Draft Notebook 4: DE Mike Daniels
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2012年5月19日
ドラフト指名選手紹介の4人目は、4巡37位(全体132位)指名のDEマイク・ダニエルズについて。
ニュージャージー州南西部ブラックウッドの出身。人口は約4700人。州境をまたいでわずか十数キロのところにフィラデルフィアがある。
- 高校では2年間チームキャプテンを務め、RB兼DLとして大車輪の働き。最後の2年間で1873yds・19TD、DLとしては21サック・138タックルを記録した。他にもレスリングと陸上で活躍している。全米的にはさほど注目されることなく、奨学金オファーはアイオワ大とテンプル大だけだった。
- アイオワ大ではレッドシャツを経て最初の2年間は控えDT/DEに留まった。3年目の2010年途中からフルタイムの先発DTに定着すると、サック4回・ロスタックル11回を記録。昨季はサック9回・ロスタックル13.5回(どちらもチーム最多)の大活躍を見せ、オール・ビッグテンの2ndチームなどに選出された。
- 昨季終盤に肩関節唇を損傷して1月後半に手術を受けたため、シニア・ボウルには出場できず、コンバインでも運動能力テストに参加できなかった。脳震盪の経験が複数回ある。
- 彼の長所は鋭い出足と"Leverage"に優れている点。フットボール用途ではたいへん訳しにくい単語だが、「体勢を簡単に崩されにくく、(力ずくでなく)相手を崩すコツを心得ている」という意味合いだ。手の素早い使い方をふくめ、高校でのレスリング経験も役立っているはず。(Cスコット・ウェルズは高校時代に全米優勝の経験がある)
- 最大の懸念材料は6フィート0½(184cm)というサイズ不足で、「よい選手だがいかんせんサイズが・・・」というスカウトの声が多い。小さ目だったDEカレン・ジェンキンズよりもさらに1.5インチ低く、サイズの必要な3-4のDEとしてやっていけるのかどうか。とはいってもかならずしもスターターになる必要はなく、パスシチュエーションでインサイドラッシャーとしてローテーションに貢献してくれればいいのだが。
- いっぽう、サイズ不足を補うハードワーカーぶりは際立っている。笛が鳴るまで決して止まることのないモーターを称賛され、その点では2巡a指名のDEウォージーと対照的。またフィールド外でも、同大フットボール部において「トレーニングを通して身体的ポテンシャルを最大限に伸ばした選手」に与えられる "Iron Hawk Award" を昨年受賞している。大学入学以来50ポンドもバルクアップした。
- 昨年はチームキャプテンを務め、リーダーシップには定評がある。ワンダーリックテスト28点もDL選手としてはかなり高い。
- コンバインでは数多くのNFLチームと面談をこなす選手が多い中、彼と面談を行ったのはなんとパッカーズだけだった。
- アイオワ大出身のパッカーズDL選手といえば、2002年5巡指名のDEアーロン・キャンプマン(現JAX)がなじみ深い。60年代にプロボウル2回のCBボブ・ジーター(在籍1963-70)はパッカーズの殿堂入り。その他、RGロン・ホールストロム(在籍1982-92)、LG/LTロス・ヴァーバ(1997-00)、RTブライアン・ブラガ(2010-)などOLを数多く輩出している。
- アイオワ大についてテッド・トンプソンGM。 「アイオワのコーチングスタッフを高く評価している。ウチはこれまでもアイオワの選手で成功を収めてきた。マイクについても成功の可能性は大きいと我々は感じている」
- 同大のカーク・ファレンツHCは、2006年1月のパッカーズ新HC選考の際、すこしだけ名前が取り沙汰されたことがある。また同大のチームメイトには、元パッカーズDC(在籍2000-03、現49ersのDBコーチ)のエド・ドナテルの息子トム・ドナテルがいた。ウォークオン出身の2番手ストロングサイドLBだったようだ。
- 2008年のRGジョシュ・シットンも同じくCompensatory Pick の4巡指名だった。
- 背番号は76番に決定。60年代黄金期にはLTボブ・スコロンスキ(パッカーズ殿堂入り)、昨年まではLTチャド・クリフトンが12年間にわたって76番を着けていた。
- 本人のインタビューから。
- 「身長の問題は常につきまとってきたけど、アイオワが僕に賭けてくれた。身長の低さは自分の敵と考えて僕はやってきた。そんなものは関係ないと証明しようと、必死で頑張っている」
- 「自分の強み? フットボールへの情熱」
- 得意なパスラッシュ・ムーヴは?という質問に。 「ハッスルだね。とにかく動きを止めないこと。毎回すごいことが起きるとは言わないけど、ハッスルし続ければ、チャンスはそれだけ大きくなる」
- 昨年は同大からDL3人がドラフト指名された。DEエイドリアン・クレイボーンは1巡20位でバッカニアーズに入団し、いきなり7.5サックを記録。5巡指名のDTカール・クラッグも5巡指名ルーキーながらタイタンズで7サックを挙げた。 「彼らから学んだことはものすごく大きい。彼らの存在をバネにして自分を向上させようと努力したし、自分も彼らの刺激になればと頑張った」
- ドム・ケイパースDCの記者会見から。
- 「マイク・ダニエルズ。フットボールがすべての男だ。試合で目に飛び込んでくるのは彼のプレーぶりだ。彼はクイックネスと激しさを活かしてプレーする。よいモーターを持ち、常にハードにプレーする。チームに活力をもたらしてくれると思う。面談でも非常によい印象を受けた」
- 今回ドラフトで指名したDL2人について。 「彼ら2人に共通しているのは、インラインのクイックネスが素晴らしいということだ。現代のフットボールでは、1on1のブロックを破るためにそれが必要なのだ」
- 「(パスラッシュで)あらゆる動きができるのは間違いない。映像で目立っていたのは、クイックな動きでブロックを破り、クォーターバックを捕まえることだ」
- DLを2人指名したのはDEアンソニー・ハーグローヴの8試合出場停止処分を見越してのことか、という質問に対してマッカーシーHCは否定している。「ディフェンスに偏ったのはボードに従っただけ」というトンプソンGM発言を含め、2首脳のコメントを100%信じている記者は少ない。