グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2012年4月22日

ドラフトの焦点 ディフェンス編

今年はポジション分析をすっかりサボってしまったので、ドラフトでのニーズの高い順にまとめてみる。パッカーズは"Best Player Available"方針の典型的なチームではあるが、ニーズに影響されずに指名することは事実上不可能だ。昨季はディフェンスがNFL最下位に終わっただけに、今回はディフェンス主体のドラフト指名が予想されている。

◆ アウトサイドラインバッカー

リーグ屈指のパスラッシャーを擁しながらわずか29サック(27位タイ)に終わり、パス守備最下位の元凶に。OLBマシューズの逆サイド強化が最大の課題であることは衆目の一致するところだ。FAとなったエリック・ウォルデンとは再契約の動きがなく、残っているのはブラッド・ジョーンズ、フランク・ゾンボといった伸び悩み組にヴィック・ソートとジャマリ・ラティモアのドラフト外2年目コンビ。同じく弱点だったディフェンシブエンドではアンソニー・ハーグローヴとダニエル・ミューアをFA補強したのに対し、OLBはFA補強なしでドラフトを迎えることになった。

今年のドラフトはパスラッシュDE/OLBが比較的豊作のようでありがたい。1巡指名の可能性がもっとも高く、遅くとも3巡までには指名があるだろう。

◆ ディフェンシブエンド

昨年カレン・ジェンキンズをFA流出させたのが超裏目。マイク・ニールのケガと伸び悩みで、OLBと並んでパスラッシュ悪化の大きな要因となった。パスシチュエーションでインサイドからポケットを崩すことができず、相手QBを揺さぶることがまったくできない。B.J.ラジは優勝シーズンの迫力がまったくなく、ジャリアス・ウィンやC.J.ウィルソンも伸び悩んでいる。そのうえ、3年目の成長を期待していたマイク・ニールが薬物違反で4試合出場停止になってしまった。

そこで今春はFA市場でアンソニー・ハーグローヴとダニエル・ミューアを獲得した。どちらもベテラン最低額の安い買い物だが、ウィンやウィルソンより頼りになりそうなのはたしか。ハーグローヴ(通算19.5サック)はパスシチュエーションのインサイド・ラッシャー、ミューア(通算先発26試合でわずか0.5サック)はベース隊形での起用がメインではないか。

彼ら2人の獲得で補強の必要性がやや下がったとはいえ、まだ大きく戦力アップできたわけではない。ドラフトでは遅くとも4巡(3つある)までに指名があるはずだ。魅力的な選手がいれば1巡指名も。一般にインサイド・ラッシャーは体作りに時間がかかり、上位指名でもなかなか1年目から活躍はできないものだ。

◆ セーフティ

FSニック・コリンズ(プロボウル3回)は首の手術明けで引退の恐れがあり、そうなると上の方でドラフト指名せざるをえなくなる。逆にコリンズが大丈夫ならば下位指名の必要さえないかもしれない。

FSモーガン・バーネットはまだ多少粗削りながら一人前のスターターに成長した。コリンズのプロ2年目の頃よりも安定感があり、彼が元気なコリンズと組んでくれれば理想的だ。SSチャーリー・ペプラーは守備範囲の狭さが明らかで、彼が先発昇格したことがパス守備の悪化に直結した。昨年ドラフト外入団からロースター入りしたM.D.ジェニングス、一昨年ドラフト外のアンソニー・レヴィーンの2人は将来性が高く評価されていて、今夏の成長次第ではペプラーをプッシュしてもおかしくない。

今年のドラフトはセーフティのレベルが低く、2巡までに2人ぐらいしか指名されないかもしれない、という評判も。もしパッカーズが3巡までにセーフティを指名するようならば、球団側がコリンズ引退を計算に入れているということではないか。

◆ コーナーバック

実質エースのトラモン・ウィリアムズは優勝シーズンの安定感が影をひそめ、ギャンブル的プレー内容に終始。3番手CBサム・シールズは慢心のためか伸び悩んだ。今春は元2巡指名のパット・リーがバストのままFA退団したが、ジャレット・ブッシュとは再契約に成功した。昨年の4巡指名デヴォン・ハウスの成長も今年は期待できる。

いちおう4番手ブッシュまで駒は揃っているが、チャールズ・ウッドソン(35歳)のカバレッジ能力低下は明らかで、そろそろ世代交代に備える必要がある。またスプレッドオフェンスの広がりを考えると、優秀なCBはいくらいても多すぎることはない。魅力的な選手がいれば1巡や2巡指名があってもおかしくはない。

◆ ノーズタックル

ライアン・ピケットがいてB.J.ラジもノーズタックルができ、どちらもケガが少ないのでデプスの心配は少ない。FAとなったハワード・グリーンとの再契約はなさそうだが、FA加入のダニエル・ミューアはノーズタックルの代役ぐらいは務まりそう。ドラフト指名があるとすれば中位以降で獲ってじっくり育てる、という形ではないか。

◆ ミドルラインバッカー

A.J.ホークとデズモンド・ビショップの両スターターがどちらも2011年春に契約延長したばかりなので、当面は動きがなさそう。ホークは「平凡な実力に比べて給料(今年$4.4ミリオン)が高すぎる」という批判は根強いが、いま解雇しようものなら$6.4ミリオンものデッドマネーが生じるので放出は現実的でない。

代役出場した5巡指名ルーキーのD.J.スミスが先発組と遜色ない働きで、将来はスターターとして大いに期待できそう。ロバート・フランソワも代役出場で何度かビッグプレーを見せ、控えとしてならまずまずの存在。今年ドラフト指名があるとしたらかなりの下位で、あわよくばフランソワをプッシュしてくれれば、という程度だろう。

カテゴリ : Draft