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Draft Notebook 8: OLB Ricky Elmore
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2011年5月23日
今回は6巡32位(全体197位)指名のOLBリッキー・エルモア(アリゾナ大)について。指名直後の記事も参照のこと。大学では4-3のDEをプレーしていたが、パッカーズでは3-4のアウトサイドLBとしてプレーする。
- カリフォルニア州シミ・ヴァレー出身。高校ではLB兼TEをプレーし、ときどきQBをやることもあった。3年で11サック、4年で15サックを記録したほか、スペシャルチームではキックブロックをなんと15回も成功させている。
- アリゾナ大では、レッドシャツ後の1年目は主にスペシャルチームで出場し、2年目に先発DEに昇格した。3年目は10.5サック、4年目の昨季は11サック。2年ともPAC10の最多サックで、オールPAC10のセカンドチームに選出されている。DE3人のローテーション起用で左右両サイドをプレーしていた。
- 双子のコーリーもOLとして同じアリゾナ大に進んだが、心房中隔欠損症の手術のためフットボールを離れざるをえなかった。さいわい手術は成功し、現在はフットボール復帰を目指して体作りに励んでいる。
- アリゾナ大では逆サイドにDEブルックス・リード(2巡10位でHOU)がいた。どちらもNFL入り後はアウトサイドLBになる予定。サック数ではエルモアの方がずっと多いが、アスレチック能力の低さから指名順位では大きな差がついた。
- パッカーズにとってアリゾナ大からのドラフト指名は1988年4巡のSチャック・セシル(元タイタンズDC)以来13年ぶり6人目。
- 身長6-4(193cm)は現LB陣で最も高く、体重256ポンド(116kg)は標準的(マシューズとほぼ同じ)。
- コンバインでは40yds走4.9秒前後というスピード不足が目立ち(プロデイでは4.85秒前後)、アスレチック能力の不安がドラフトでの低評価に直結したようだ。その他の数字も今ひとつだが、20ydsシャトル4.32秒はなかなかよい。ワンダーリックテスト20点は標準的な数字。
- 大学時代と同じく「4-3のDE向き」という意見が多く、「3-4のDEにはサイズが足りず、3-4のOLBにはスピードが足りない」という評判が多かったのは事実。パッカーズでは、スタンドアップのポジションから鋭いパスラッシュができるかどうかが大きなカギになりそう。
- パッカーズではOLBマシューズの逆サイドを担当する右OLBが最大の弱点と見られていたので、6巡まで指名がなかったのはかなり意外。3-4向きのOLBがあまり豊作でなかったこともあるようだ。
- 背番号は未定。大学時代は44番だった。
- 本人のコメントから。
- 「僕はハードワーカーであり、ブルーカラー・ガイだ。フットボールを愛し、競争を愛する人間だ」
- プロ・デイではパッカーズのコーチ陣のために45分ほどワークアウトを行った。「立った姿勢からラッシュできるかどうか、彼らは見たがっていた。 『今はドロップバックのことはいい、それはウチで指導していくから』 って言われたよ。とにかく、2ポイントスタンスのスタンディングから激しいラッシュができるかどうかを見たがってた」
- 「僕がLBでなかったのは、大学でのスキームでは僕のサイズが大きすぎるから。でもNFLではDEのサイズじゃないし、スタンドアップでプレーしなきゃいけないとわかっていた。(シーズン終了後の)この5か月はそれに取り組んできた」
- コンバイン前には5週間にわたってOLBクレイ・マシューズの父の指導を受けた。エルモアはアゴウラ・ヒルズのマシューズ家からわずか20分のところに住んでいて、高校時代はLBケイシー・マシューズ(オレゴン大から4巡でPHIへ)とも対戦。ケイシーと一緒にトレーニングしていた流れで、偉大な父にも指導を頼んだらしい。パッカーズのクレイIII世には(ドラフト直後の時点で)まだ会ったことがないという。
- 「コンバイン前には"ビッグ・クレイ"の指導を受ける機会があり、スタンドアップのツーポイント・スタンスに慣れることや、脚を開いて重心を落とすこと、アウトサイドLBへのコンバートで何が起こるか、といったことを教えてくれた。DEは常に手を地面についている。OLBは常に動き回り、パスカバーすることもある。そうした実情を僕に説明し、今後どうなっていくのか理解を助けてくれた」
- 「サックを決められるか決められないかは大きな違いがある。スクリメージから爆発的な動きができなければ、相手OTは一歩先にいるわけだし、結局は抑え込まれてしまう。より爆発的な動きができれば、スナップ後にクイックに動ける。OLBにはたぶんそれが一番大事なことだ」
- ケヴィン・グリーンOLBコーチのコメントから。
- 「彼にはモーター、エフォート、ハート、パッションがある。身体能力があってハートのない選手よりも、ハートがあって身体能力に多少劣る選手の方が私はずっといい。アスレティシズムだけでフットボールへの情熱やハートがない選手よりね」
- 「40yds走のことは、ウチのディフェンスでは全く問題ない。ウチがアウトサイドLBたちを(パスカバレッジで)ヴァーティカルに走らせるときは、必ず奥にヘルプがつく。40ydsのタイムなんて私は何も気にしなかった」
- 「彼のフィジカルさ、走って追いかける能力に私は注目した。私がほしいのはそういったことだ。サイドラインからサイドラインまでボールを追いかけられる選手がほしい。自分のところに真っ直ぐランプレーがきたときにどう受け止めるか。ポイントオブアタックでハードにプレーできるか、圧力に屈してしまうか。私が見るのはそういったところだ」