グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2011年4月12日

シーズン総括と展望 S編

ILB陣と同じく、代役スターターの活躍がチームをよく支えた。SSビグビーに代わる先発ストロングセーフティ探しが昨年の課題だったが、開幕スターターの新人SSバーネットが戦線離脱したあと、万年バックアップのはずのSSチャーリー・ペプラーが期待を大きく上回る活躍を見せた。FSニック・コリンズもパス守備に磨きをかけて3年連続プロボウルに選ばれている。

元スターターのSSアタリ・ビグビーは契約問題でオフシーズン練習を全休したあげく、チーム合流直後に足首を負傷して手術。おかげで新人SSモーガン・バーネットはずっと先発組で経験を積むことができたが、開幕第4週にヒザの前十字靭帯(ACL)を断裂してしまい戦線離脱、SSペプラーの台頭を許した。

今年はすでにSSペプラーが再契約を済ませ、彼に2年目のSSバーネットが挑戦する構図。いっぽうSSビグビーはFA移籍が確実視されている。控え選手のレベルもそこそこ確保できているのでドラフト上位指名の必要はなく、下位で良い素材がいれば、といった程度だろう。

ニック・コリンズ Nick Collins | Free Safety |  Bethune-Cookman
5-11 (180cm) | 207lbs (94kg) | 7年目 27歳 | 2005年ドラフト2巡

CB並のスピードでフィールドの端から端までカバーする先発フリーセーフティ。3年連続プロボウルに選ばれ、最終週CHI戦ではプレーオフ出場を決めるインターセプト、スーパーボウルでも見事なINTリターンTDで勝利に貢献した。カバレッジの守備範囲が非常に広く、嗅覚にも優れている。ランサポートも意外にフィジカル。過去3年間で17INTを挙げたNFL屈指の"Ball Hawk"だが、昨年はINTチャンスでの落球も5回ほどあった。

最近は以前よりブリッツが増えてきたが、SSバーネットがスターターに成長すればもっと増えるかもしれない。昨年3月には総額$26.7ミリオンの4年契約にサインしている。まだ27歳と若く、ケガを押してプレーしてくれるタフネスもありがたい。

チャーリー・ペプラー Charlie Peprah | Strong Safety | Alabama 
5-11 (180cm) | 203lbs (92kg) | 6年目 28歳 | 2010年FA(2006年NYG5巡)

ルーキーシーズンから3年間控えセーフティを務め、'09年にファルコンズで2試合出場したあと昨年春にFAでグリーンベイに出戻り。スターターの器ではないと世間からは見られていたが、じつは人知れず成長していた。新人SSバーネットが戦線離脱すると代役スターターの座をつかみ、予想以上に安定したプレーぶりで故郷北テキサスでのスーパーボウル制覇に貢献。'10年ディフェンスのサプライズの1人だったのは間違いない。

人間的にしっかりしたハードワーカーで、つねに全力を出し切る。アサインメントもタックリングも安定しているが、アスレチック能力は高くなく、パスカバレッジで脆さを露呈することがある。今年は無制限FAとなる予定だったが、3月初めに総額$2.3ミリオンの2年契約にサイン。かなりリーズナブルなお値段で、「スターターが確約されていないスターター」といったところ。今夏は2年目のSSモーガン・バーネットの挑戦を受ける。

アタリ・ビグビー Atari Bigby | Strong Safety | Central Florida
5-11 (180cm) | 213lbs (97kg) | 6年目 29歳 | 2005年ドラフト外

ドラフト外入団からプラクティス・スクワッドを経て'07年からスターターに。昨年はRFAオファーへのサインを渋ったあげく、トレーニングキャンプで合流したとたんに足首を痛めて手術となり、新人SSバーネットに不戦敗。復帰後はSSペプラーとのローテーション起用でスターター奪回のチャンスを与えられたが活かすことはできず、スペシャルチーマーとしてシーズンを終えた。今年は無制限FAとなるが、SSペプラーとSSバーネットがいては彼に居場所はないので、再契約はないものと見られている。

モーガン・バーネット  Morgan Burnett | Strong Safety | Georgia Tech
6-1 (185cm) | 209lbs (95kg) | 2年目 22歳 | 2010年ドラフト3巡

昨年のドラフト3巡指名はトンプソンGMにとってキャリア3回目のトレードアップ。SSビグビーのホールドアウトもあって入団直後からスターター扱いだった。シーズンに入ると、苦しみながらもアグレッシブなプレーが増えていただけに、第4週DET戦でヒザのACLを断裂してシーズンエンドとなったのは残念だった。

パスカバレッジでの守備範囲の広さ、ボールへのセンスは非常によいものの、ランサポートでのアングル、タックリング、思い切りのよさ、といった点で今ひとつだったのは否めない。ディフェンスに習熟してくれば、もっと思い切りのよいフィジカルなプレーができるはず。今夏はSSペプラーからのスターター奪回を狙うが、なにしろ大ケガからのリハビリ途上なのでキャンプ初日からバリバリやるのは難しいかもしれない。

アンソニー・スミス  Anthony Smith | Free Safety | Syracuse
6-0 (183cm) | 200lbs (91kg) | 6年目 27歳 | 2010年トレード(2006年PIT3巡)

3-4経験を買われて'09年春にFA入団したが、プレーぶりが不安定で開幕前に解雇された。その後ラムズを経てジャガーズでプレーしていたところ、昨年10月にケガ人続出したパッカーズがトレードで再び獲得。スペシャルチーマーとして4試合に出場したが、第11週MIN戦で足首を負傷してインジャリーリザーブ入りとなった。トレードの代償は「条件付きの7巡指名権」だったが、4試合しか出場できなかったので条件を満たさず、こちらはドラフト指名権を手放さずに済むようだ。

デリック・マーティン  Derrick Martin | Safety | Wyoming
6-0 (183cm) | 200lbs (91kg) | 7年目 25歳 | 2009年トレード(2006年BAL6巡)

レイヴンズでは3年間CBをプレー(先発3試合)したあとセーフティに転向。'09年開幕直前にT/Gトニー・モールとのトレードでパッカーズにやってきた。持ち前のスピードを活かしてスペシャルチームの中核の1人として活躍してきたが、'10年第5週WAS戦でヒザを負傷し、インジャリーリザーブに入ってシーズン終了。契約はあと1年残っていたが、3月初めに解雇された。セーフティとしての成長が期待ほどでなかったのだろうか。

 

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