グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2009年7月19日

ロースター展望 NT編

3-4ディフェンスへの転換により、ディフェンシブラインのインサイドはノーズタックル1人となる。役割の変化については5月の記事を参照のこと。相手OTに正対する両DEと距離を置き、常にダブルチームを相手にしなければならず、ノーズタックルが押し込まれるとディフェンス全体がガタガタになる。ノーズタックルが優秀であることは、しっかりした3-4を作るために欠かせない要素だ。

その最重要ポジションを補強するため、ドラフト1巡9位でB.J.ラジを指名し、ライアン・ピケットと2人をローテーション起用できることになった。首脳陣は「先発NTはピケットだ」と繰り返しコメント。今季についてはそのとおりかもしれないが、ピケットが衰えてラジが成長してくれば、来季はラジにスターターを任せればいい。

ロースター枠がどうなるのか、去年までと勝手が違ってよく分からないが、DL全体で7人か8人、NTは3人といったところか。NTが3人枠ならアンソニー・トリビオまで合格圏内だが、DEジャスティン・ハレルやDEジョニー・ジョリーが控えNTを兼ねるなら、3番手NTの座は流動的になる。

ライアン・ピケット Ryan Pickett

オハイオ州立大から2001年のドラフト1巡29位でラムズに入団し、2年目からスターターに。最初はややモタついたが次第に成長し、2006年に総額$14ミリオンの4年契約でパッカーズにFA移籍した。横幅があって重心が低く、ダブルチームをしっかり受け止める馬力がある。いっぽうパスラッシュでは1on1でもなかなか突破できず、移籍後3年間でサックはわずか2.5回。まだ29歳だが、すでにスピードが衰えを見せ始めていると心配する向きもある。

3-4のノーズタックルは彼にぴったりかもしれないが、B.J.ラジが加入したためスターター確定ではなくなった。契約最終年を迎え、来年以降も先発NTとして契約延長してもらえるのか、今季限りでラジと世代交代させられてFA市場に出て行くのか、今季のプレーぶりにかかっている。

NT/DE B.J.ラジ  B.J. Raji

ボストン・カレッジから今年のドラフト1巡9位指名で入団したゴールデンルーキー。低い重心から鋭い瞬発力を見せ、ポイントオブアタックでは強力な馬力で持ちこたえる。入団後のOTAやミニキャンプでの評判も上々。パッドつきの練習をまだしていないのでラン守備は未知数であるものの、337ポンドの巨体を軽々と動かすフットワークがとくに高く評価されている。

NTピケットと違うのはパスラッシャーとしてのスピードや瞬発力があることで、NTよりも左DEとしての先発起用が有力になってきたのもそのせい。当面はピケットを先発NTに固定し、ラジは左DEとNTを行ったりきたりすることになりそう。ミニキャンプでは、パスシチュエーションでの2-4-5の変則ニッケル隊形でDLに入るのは彼とジョリーだった。

アンソニー・トリビオ Anthony Toribio

ディビジョンIIのカーソン-ニューマン大から昨年のドラフト外でドルフィンズに入団、11月にプラクティス・スクワッドから解雇されてパッカーズのプラクティス・スクワッドに移り、12月半ばにロースター昇格。しかし2試合ともインアクティブで出場はならなかった。ドルフィンズでも3-4のノーズタックルをやっていたので、パッカーズの3-4転換はおあつらえむきかもしれない。今夏はDEモンゴメリー、DEジャリアス・ウィンといったDEたちとロースター枠ぎりぎりを争い、もしダメならプラクティス・スクワッドだろう。父はドミニカ出身、母はキューバ出身。

NT/DE ディーン・ムターディ  Dean Muhtadi

メリーランド大出身のドラフト外ルーキー。大学でもDEとDTを兼任していた。学業成績優秀ですでに昨年卒業をすませ、MBA課程に進んでいる。身長6フィート3(191cm)、体重304ポンド(134kg)のサイズは、今回のNT4人の中では最も背が高く、体重が軽い。3-4ならばDE向きのサイズに思えるが、NT/DEとなっているのは、これからノーズタックルで育ててみたい考えなのか。今年はよくてプラクティス・スクワッド。

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