グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2008年6月 9日

控えランニングバック

RBライアン・グラントが契約の問題でOTA練習に参加していないため、控えランニングバック争いがすでに盛り上がりを見せている。結論から言うと、ジャクソンはロースター入りがほぼ確実なので、例年どおりの3人枠(昨季開幕時は4人だった)とすれば、モレンシーとウィンとヘロンで最後の枠を争うことになりそうだ。

2巡指名入団のRBブランドン・ジャクソンは期待外れのルーキーシーズンだったが、今オフは進歩を見せている。10ポンドから15ポンドほどバルクアップし、現在は220ポンドぐらい。OTA練習では鋭い加速を見せ、グラント不在のRB陣では際立った動きを見せている。今年けっきょくRB補強をしなかったのも、第17週やプレーオフでの活躍はまぐれでないと首脳陣が判断しているからだろう。安心して先発を任せられる本格RBになれるかどうかはともかく、少なくとも3rdダウンバックとしてはやっていけそうだ。

エドガー・ベネットRBコーチは、「ブランドンは爆発力のあるランナーだ。プロのRBとして成功するのに必要な全てのものを持っていて、昨季終盤の活躍はその能力の高さを示したと私は思う。ウェイトルームでも日に日に強くなっているし、クラスルーム(オフェンスの理解)でも極めてよくやっている。細部まで意識が行き届いているし、熱心に居残りもしている。精神的にも成熟してきた。こういったことが今年フィールドでも表れるはずだ」と高く評価している。

「ブランドンは昨年と比べて最もキャッチが上手くなったRB」とQBアーロン・ロジャースも評価。「ウチのオフェンスへの理解が深まり、メンタル・エラーをしなくなったのが一番だろう。ブリッツのピックアップは昨年から悪くなかった。しかしスキームをよく理解し、誰がどこから来るのかがわかるようになったので、よりよい仕事ができると思う」

昨夏はそのジャクソンと先発の座を争ったRBヴァーナンド・モレンシー。アーマン・グリーンの控えだった一昨年は少ない出番で光るものを見せたが、昨年はキャンプ初日にヒザを負傷し、ようやく復帰できたのはシーズン第4週のこと。復帰後も動きはイマイチで、3rdダウンバックを務めるのがやっとだった。すでに28歳なので伸びシロはなさそうで、プロ4年目の今年はいよいよがけっぷち。なお、彼とのトレードでテキサンズに移ったRBサムコン・ガドーは昨年10月に解雇されてドルフィンズへ。両者ともあまり成功したとはいえない。

RBノア・ヘロンは昨年プレシーズン最終戦でヒザを負傷してシーズンエンド。本来なら2ヶ月ほどで復帰できるケガだったが、ロースターに置いて回復を待つほどの選手ではなく、仕方なくインジャリーリザーブに入ることになった。パスキャッチやブロッキングをそつなくこなす器用な3rdダウンバックで、相手の弱いところを突く戦術眼に優れる。下記のウィンとは対照的なハードワーカーで、その点でも首脳陣の信頼は厚い。彼もモレンシーも今年が契約最終年で、来年FAとなる。

RBデショーン・ウィンは昨年の7巡指名入団で、ヘロンとモレンシーの負傷によりかろうじて開幕ロースター入り。ジャクソン不振のため3試合に先発し、平均4.1ydsと十分な働きを見せたが、しっかりした体ができておらず、第8週ブロンコス戦で肩を負傷してインジャリーリザーブ入りとなった。身体能力に恵まれフットボールセンスもあるが、大学時代から問題児だったように、メンタル面が課題として残っている。

入団1年経ってウィンが成熟してきたか、と聞かれたベネットRBコーチは、「多少はね。しかしもっとコンスタントにならないと。毎日毎日、同じレベルの努力を続けられるようでなければならない。今日はは本気でやるが、明日はそうでない、というようではダメなのだ。プロになるとはそういうことだ」とかなり厳しいコメント。選手をほめるのが当たり前のアメリカプロスポーツ界で、ここまではっきり言われる選手は珍しい。

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