今春ウィスコンシン大で先発QBを争っているアラン・エヴリッジは、2006年に転校する前はカンザス州立大でWRジョーディ・ネルソンのチームメイトだった。そのネルソンが2巡指名されると、彼はすぐにお祝いのメールを送っている。「僕はYouTubeでハイライト映像を見る必要などない。ジョーディの能力はよく知っているからね。このところ「このジョーディ・ネルソンってヤツはどうなんだ」と僕は質問攻めにされているんだけど、たしかに僕はよく知ってる。パッカーズはいい選手を手に入れたよ」
「まず第一に、人格的に彼以上の選手は見つけられない。フットボールフィールドでは、非常に恵まれたアスリート。6フィート3、220ポンドのデカさで、鹿のように走る。非常に力強く、フィジカルなプレーヤーだ。いい指名なのは間違いないよ」とQBエヴリッジは話している。ネルソンは最初のルーキー・ミニキャンプでも、新人離れした滑らかな動きと、しっかりしたキャッチ力でコーチ陣を喜ばせている。
セーフティからワイドレシーバーに転向して1年目の2005年にいきなり669yds・8TDを挙げたネルソンは、翌2006年はヒザのケガに苦しんだものの、2007年には1606yds・11TDと才能を開花させた。「彼は黙々と仕事をした。ヒザが万全でないときでも休まず出場し、スペシャルチームでもプレーし、全試合を頑張りぬいた」とカンザス州立大のロン・プリンスHCは振り返っている。
「我々は彼をオープンにさせるためあらゆる方法を使った。アウトサイド、スロット、イン・モーション・・・。だから、彼がパッカーズのオフェンスを習得するのに時間はかからないと思う。彼ほどのフットボール・インテリジェンスを持ち合わせている選手は滅多にいない。ウチは6通りか7通りのパーソネル・グループを使ったが、その全てが、彼をうまく動かしたり相手から見つけにくくするためのフォーメーションだった。彼はシャットアウトされたことが一度もない。どんな状況でもうまくやってのける。スラント、アウト、ポスト、ゴーといった全てのルートをこなせる。ゴー・ルートでCBアキーブ・タリーブ(1巡でTBへ)をぶち抜いたプレー? 全く勝負にならなかったよ」
しかしフィールド上での活躍にもまして魅力的なのはその人柄だ、とプリンスHCは絶賛している。「カンザスあたりの子供はみなパープルの27番(ネルソンの背番号)のジャージを着ているよ。自分の息子もあのようであってほしい、という姿そのものなんだ。彼は6年生のときからのガールフレンドと結婚した。そのエミリーは幼稚園の先生をしていて、私の子供たちも彼女に教わったんだ。まるで古きよきアメリカを見ているような、スモールタウンの物語さ。私の息子たちも、大きくなったらジョーディのようになってほしい」