グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2007年7月18日

ロースター展望 OT編

左タックルのクリフトンと右タックルのタウシャーは、どちらもプロボウル一歩手前のレベルで万全といっていい。唯一の懸念は左タックルの控えだったが、4巡指名バーバーの加入もあって層が厚くなった。クリフトンの31歳がOL陣の最高齢で、伸び盛りの若手が多い。

ロースター枠はOL全体で通常9人で、10人の年もある。タックルに限れば4人が普通。クリフトン、タウシャーの両先発に加えてモールまでは当確なので、オーリン・トンプソンとジュニアス・コストンが最後の枠を争うことになりそうだ。

チャド・クリフトン Chad Clifton

テネシー大から2000年のドラフト2巡で入団。1年目の途中でスターターに昇格して以来、不動の先発左タックルとしてQBファーヴの背後を守っている。サイズもアスレチック能力も文句なく、特にパスプロテクションに優れる。昨年は15試合出場でわずか2サックしか許さず、プレッシャーを許した回数も2005年の17.5回から14回にダウン。ランプレーのバックサイドでのカットブロックもシーズン中にかなり上達した。

ここ数年ヒザなどケガが増えているのが唯一の懸念材料で、31歳という年齢もあってそろそろ後継者の育成を図る必要が出てきている。ケガさえなければ実力的にはまだまだ問題ない。

マーク・タウシャー Mark Tauscher

クリフトンと同じく2000年のドラフト7巡で地元ウィスコンシン大から入団し、同じく1年目から先発右タックルを務めている。際立ったスピードやパワーがあるわけではないがボディバランスに優れ、手の使い方など、相手をまるめ込むテクニックは素晴らしい。LTばかり選ばれるプロボウルには縁がないが、リーグ屈指の右タックルと玄人筋からの評価が高い。昨季サックを許したのは11試合でわずか1回(5試合欠場)、キャリア7年間で12回しかない。ランブロックもOL陣で最もミスが少なかった。

トニー・モール Tony Moll

ネヴァダ大から昨年の5巡指名で入団し、右ガードと右タックルで計10試合に先発出場した。大学4年でTEからOTにコンバートされ、わずか1年半でNFLの先発を務めたのだから立派なものだが、ルーキー3人の中では最も不安定だった。サックやQBプレッシャーを許した回数でもOL陣最多で、反則も5回あった。アスレチック能力には恵まれているので、あとはしっかり馬力をつけ、テクニックを磨いてプレー内容を安定させること。

ケヴィン・バリーが放出されたので、今年も彼が右タックルと右ガードの2番手を兼ねることになりそう。LGカレッジが負傷したらRGスピッツがLGにスライドしてモールがRGに入り、Cウェルズが負傷したらRGスピッツがセンターにスライドしてやはりモールがRGに入る。LTクリフトンが負傷したらLGカレッジがLTにスライドし、RGスピッツがLGにスライドし、モールがRGに入る。つまりモールがいるだけで全OLの控えがまかなえることになる。複数ポジションをこなせる選手が多いことに加え、ゾーンブロッキングのスキームでは、ガードとタックルで必要とされる資質に大きな違いがない、という事情があるかもしれない。

オーリン・トンプソン Orrin Thompson

デューク大で2年間先発DTを務め、2005年のドラフト外でドルフィンズに入団し、そこでOTにコンバートされた。昨年春にはNFLヨーロッパでもプレーしたが開幕前に解雇され、パッカーズのプラクティス・スクワッドに加わった。6フィート6(198cm)の長身に加えて腕が非常に長い。今春は大きく進歩したとコーチは口を揃えており、ライバルだったOTジョシュ・バークを先月解雇したのも、彼の成長を認めてのことだろう。現状ではロースター争いのボーダーライン上か。

ジュニアス・コストン Junius Coston

ノースカロライナA&Mから2005年のドラフト5巡指名で入団。荒削りだがアスレチック能力が高い、つまり将来性を買われて過去2年間はロースター残留してきたが、1年後輩のトニー・モールには簡単に追い抜かれてしまっており、今年はいよいよ崖っぷち。現状ではタウシャー、モールに次ぐ右タックルの3番手で、もし今ロースター53人を選ぶなら落選だろう。

アレン・バーバー Allen Barbre

ディビジョンIIのミズーリ・サザン州立大から4巡指名で入団。詳しくはルーキー紹介を参照のこと。もともと左タックル専門だったが入団後は左ガード専門でプレー。しかし次回との人数配分の関係もあって今回紹介する。40yds走4.8秒台とOLとしては飛び抜けたスピードの持ち主。LTクリフトンの控え(および後継者候補)は現状ではLGダリン・カレッジだとマッカーシーHCが明言したので、バーバーは左ガードの2番手を争いつつ、3番手LTをオーリン・トンプソンと争う。

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