グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2007年7月16日

ロースター展望 TE編

現在の能力、将来性ともにパッとせず、パッカーズの中で最も希望のないポジションかもしれない。昨季はルーキーが3人もいるOL陣を助けるためブロッキングの仕事が増え、パスコースに出るタイミングも遅くせざるをえなかった。OL陣が成長してくればダブルチームの必要もなくなり、今年はパスターゲットとなる機会が増えるかもしれない。

かつてはTDを量産したフランクスもここ数年は下り坂で、特に昨季は彼らしくないミスが目立った。パス攻撃で最も貢献したデヴィッド・マーティンはドルフィンズにFA移籍。あいにく今年はFA市場もドラフトもタイトエンドが不作で、7巡でクラーク・ハリスを指名したのが唯一の補強となった。その後のミニキャンプやOTAでは主にドナルド・リーが1stチームでプレーしていたが、フランクスが見限られたわけではなく、未知数なところの多いリーやハンフリーを試したいという意図らしい。

ロースター枠は通常3人だが、マッカーシーHCがTEを重視するためか昨年は4人だった。このようにレベルが低くては、今年4人もロースターに残すのは無駄かもしれない。スターターが誰になるかわからず、ロースター争いがどうなるかも現時点では予想がつかない。開幕直前までFA補強の可能性はある。

ババ・フランクス Bubba Franks

マイアミ大から2000年のドラフト1巡指名で入団したプロ8年目の29歳。堅実なレシーバーとしてレッドゾーンで活躍してきたがこの2年間は不振で、昨年はTDゼロとキャリア最悪のシーズンだった。確実性だけが取り柄だったのに落球率が11.3%に跳ね上がり、反則4回、ファンブル2回。仕事を減らされてちょっとクサってしまった、と本人も反省している。5人の中でブロック力は最も高いが、どうにも足が遅く、相手LBからセパレートできない。ランアフターキャッチもほとんど期待できない。

今春には解雇すべきとの声もあったが、ユニット全体のレベルがこれほど低くては、簡単に手放すわけにもいかなかった。2005年夏に結んだ7年契約では、来年から$3ミリオンほどに跳ね上がるので、実質今年が契約最終年といっていいかもしれない。

ドナルド・リー Donald Lee

プロ5年目の26歳。ミシシッピ州立大から2003年のドラフト5巡でドルフィンズに入団、3年目の2005年開幕前に解雇されてパッカーズに移り、TE陣最多33キャッチの活躍を見せた。しかし期待された2006年はわずか10キャッチ、TDゼロ、落球率23%の不振。軽量でアスレチックなレシービングTEで、ブロッキングはまずまずといったところ。ドルフィンズ放出の原因にもなった不安定さがなかなか解消されない。

不振にもかかわらずパッカーズが再契約したのは、スペシャルチームで貢献していること、26歳でまだ成長の余地がありそうなことを評価したのか。今年のミニキャンプやOTAでは上記フランクスを追い越して1stチームでプレーしているが、プレー内容そのものが目立っているわけではない。

トリー・ハンフリー Tory Humphrey

2005年のドラフト外でセントラル・ミシガン大から入団し、1年目はプラクティス・スクワッド。2年目の2006年は、NFLヨーロッパ派遣(19回206yds)を経て、4番手TEとして開幕ロースター入りを果たした。7試合に出場したがパスキャッチはなく、出番はスペシャルチームばかり。11月半ばにハムストリングを負傷してインジャリーリザーブ入りとなった。今春のミニキャンプやOTAでは、時おり1stチームでもプレーしている。

クラーク・ハリス Clark Harris

ラトガーズ大からドラフト7巡指名で入団。詳しくはルーキー紹介を参照のこと。昨季開幕前には有力TEの1人に挙げられていたものの、身体能力の低さが懸念され、7巡終盤でようやく指名となった。レシービングTEとして数字を残してきたが、ブロッキングには難があるらしい。ロングスナッパーもできるのはプラスだが、LSロブ・デイヴィスを脅かすほどの安定性はまだない。ロースターに残れなければプラクティス・スクワッドか。

ザク・アルコーン Zac Alcorn

NAIAに属するブラックヒルズ州立大(サウスダコタ州)から昨年のドラフト外で入団し、ハンフリーが戦線離脱した11月半ばにプラクティス・スクワッドからロースター昇格を果たした。父も祖父もNFLのトライアウトを受けたことがあり、3代目にして念願のNFL入りとなった。40yds走4.62秒とTEにしてはスピードがあり、パスキャッチはTE陣で最も上手いという評判。今夏はハンフリーやハリスと3番手を争うか。

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