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Packers Draft Notebook
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2005年4月26日
- 1巡指名のQBアーロン・ロジャースが指名翌日に早くもグリーンベイに到着。ベヴェルQBコーチの案内でランボーフィールドを見学し、チーム首脳に挨拶。記者会見を行い、地元テレビ局のインタビューに次々と応じた。(写真) (地元ニュース映像
1・2)
- 指名選手やトンプソンGM、コーチ、スカウトなどの記者会見の映像および音声はこちら。
- QBロジャース指名の経緯について、トンプソンGM。「今回の場合、決断は非常に容易だった。あれほどの選手が、我々が真剣にテープを検討するほど、下位まで残っていると予想していたかと言えば、ノーだ。しかし先週に入って、彼が24位でも残っているかもしれない、という情報があった。そこで私は改めて彼のテープを見直して確かめた。あの順位での指名に値することは、十分確信を持っている」
- 1位指名も予想されたQBロジャースが24位まで落ちてしまったことに落胆がないはずがないが(金額的にも数十ミリオンの差だ)、それを決して表に出さず、一貫してポジティブな姿勢を崩さないことに、メンタル面での評価は高まっている。
- QBロジャース。「ドラフト前にパッカーズとの面接を行った時、自分が24位までスライドする可能性は低い、とお互いに思っていた。でも彼らに、『トレードアップしてください。ぜひそちらでプレーしたい』と僕が言ったことは覚えている。(指名をじっと待つことは)決してたやすいことじゃなかった。もしこちらの思う通りに運ばず、14、15、16位が過ぎたら、だんだんとパッカーズの可能性が高くなるとは思っていた。(指名を見送られたことで)僕には証明すべきことがたくさんあるのは確かだ。全ては理由があって起きるのだ、と僕は強く信じている。ドラフトでもそうだ。これまでも僕は与えられた状況を最大限活かしてきたし、パッカーになれることをとても嬉しく思っている」
- カリフォルニア育ちのQBロジャースは、ジョー・モンタナの大ファンで、彼の引退後はファーヴが好きだったと言う。「期待のレベルが高い。グリーンベイの人々は勝つことに慣れているからね。(ファーヴが引退したら)僕はすぐにフィールドに入り、勝ち続けることを期待されている。そのことは全く気にならない。かつてスティーヴ・ヤングは、僕のアイドル、ジョー・モンタナのすぐ後にスーパーボウルを勝ったんだ」
- 獲得したディフェンス選手はマイナー校出身の無名選手が目立つが、どれも素晴らしいスピードを持った選手ばかり。完成度よりも素材重視の傾向がうかがえ、またジム・ベイツ新DCのスピード志向も反映されているかもしれない。
- 2巡指名のS/CBニック・コリンズも、4巡指名のSアンダーウッドもやや荒削りなタイプ。「3年かかるという人もいるが、決してそうは思わない。時間が経たなければわからないことだが、私は彼らを気に入っている。コリンズ指名は決して"Reach"ではない。タックルのできる非常に良いセーフティを我々は2人手に入れたのだ」とベイツDC。
- Sコリンズは手が大きく、ボールスキルに優れていてインターセプトが多い。ディビジョンI-AAのベスーン・クックマン大の出身だが、FSシャーパー(同じく2巡指名だった)がウィリアム&メリー大時代に対戦していた相手よりも、全体の競技レベルは高かった、とパッカーズ首脳は見ている。
- WRを2人も指名したことについて、「WRジャヴォン・ウォーカーが契約延長を求めてホールドアウトする可能性に備えているのでは」という見方もあったが、チーム首脳は(少なくとも表向きには)「ウォーカーがそのようにするとは考えていない」と否定している。ファーガソンの昨季最後のケガ(首のケガと脳震盪)については、「回復は順調だが今週のミニキャンプには参加できるかは未定」とロスリーOC。
- 指名されたWR2人はどちらもリターナーの能力があり、今夏のパッカーズはリターナー問題を心配せずに済むかもしれない。2巡のWRテレンス・マーフィはキックオフリターナーとして経験豊富で、6巡のWRクレイグ・ブラッグはパントリターンで優れた実績を残している。WR/KRチャットマンの立場はかなり危うくなってきた。毎年、3番手WR以降のデプスには不安があったが、このドラフトで解消できそうだ。
- 4巡指名のSマーヴィール・アンダーウッドについて、「彼はFSもCBもできる。ブリッツを入れた時にCBを任せることもできる。すぐにポジション争いができるだろう」とスカウトのサム・シール。背は低いがジャンプ力がある。嗅覚に優れ、ハードにプレーする。2巡指名のS/CBコリンズよりもシステム習得が早いかもしれない、との評価もある。スペシャルチームなら即戦力タイプ。
- 4巡指名のi・ポピンガは、DE実績もあるがパッカーズ首脳はストロングサイドLBとして考えている。4.5秒台後半のスピードがあるとのこと。「あんなにデカいLBは私は扱ったことがない。彼は素晴らしいWork ethicを持っている」とベイツDC。
- 2年間ストロングサイドで先発を務めたLBハンニバル・ネイヴィーズがパッカーズと再契約(おそらくベテラン最低額)した。ということは昨年の布陣にレイ・トンプソンが加わったことになり、即戦力LBは不要と見てのドラフト戦略だったかもしれない。
- LBポピンガはモルモン教徒(ブリガムヤングはモルモンの大学)で、1998年から2000年までウルグアイで布教活動をしていたとのこと(2年間の海外布教はよくあるパターン)。「家族や友人から離れての暮らしで、僕にとって最もつらい経験だった。そこで学んだのは、自分がいかにフットボールを愛しているか、だった。引き離されてみるまでは、自分にとってどれだけの意味を持つのかは理解できないものだ。サッカーもやってはみたけど、相手をヒットせずにただ走り回るのは好きになれなくて、やめた。僕は荒っぽすぎるんだね」 「僕は外国にも住んだし、すでに妻子もいて、その責任も果たしてきた。成熟しているということは、間違いなくアドバンテージになると思う」
- 5巡指名のC/Gジュニアス・コストンは、TEデヴィッド・マーティンの従弟。オフェンスライン全ての経験があるが、パッカーズではガードとして育てる予定。まだ荒削りで時間はかかるかもしれないが、アスレチック能力は高い、とのこと。
- 5巡指名のCBマイク・ホーキンズはアリーナリーグのダラス・デスペラードスに所属していた。サザン・メソジスト大のPro Dayのワークアウトに参加し、そこでNFLスカウトたちの目にとまった。パッカーズのスカウト、アロンゾ・ハイスミスは、「彼はおそらく、私がこれまでたくさんのワークアウトを見た中で最高のアスリートの1人だろう。これまでにも素晴らしいアスリートたちをこの目で見てきたが、彼はそれよりも一段上だと思う。ギャンブルかもしれないが、当たれば大きい」と語る。下記のように何度もコーチとトラブルを起こしてきただけに、人格面での不安は大きく、パッカーズは面接に呼んでチェックをした。「呼んでみると、彼は成熟した大人だった。彼は人生において、我々よりも多くのことを経験してきた。苦難の時期を経て成熟してきた。もし我々が彼を選手として成長させられれば、大変な拾い物となるだろう」とベイツDC。
- CBホーキンズは、わずか5年前、16歳の時に数週間、ダラスの街でホームレスの暮らしをしたことがあった。母親は麻薬中毒なので父親と暮らし、それもひどい父親だったので家を出て一人で街で暮らした方がマシ、ということだったらしい。「ちょうど夏の時期で、寒くなかったからよかった」とホーキンス。その後、受け入れてくれる養家が見つかって高校に通わせてもらい、高校2年にして初めてフットボールをプレーした。素晴らしい能力を見せて評判になり、オクラホマ大へ。しかし頻繁に練習を休み、たびたび処分を受けた。強豪でいきなり1年目から5試合に出場したにもかかわらず、1年間で退部してしまった。家族の問題でフットボールどころではなかったのだ、と本人は言う。故郷ダラスに近い大学に転校しようとしたが、オクラホマ大の側が許さず、仕方なくしばらくフットボールからは離れていた。そしてアリーナリーグへ。ここでは特に問題は起こさなかったようだ。
- 6巡指名のDE/DTマイケル・モンゴメリー。4.9秒台とDEとしてはスピードに不満が残るが、実際はその数字より速くプレーする、という評価。横方向の動きも良いが、姿勢が高すぎることがあるのが懸念材料とか。不整脈のために2年前に手術を受けたが、今はもう何も影響はない、と本人は語っている。DTをやるならもう少し体重を増やす必要があるが、パッカーズとしてはDEとして使う予定。
- 6巡指名のWRクレイグ・ブラッグ。「ドラフト前に、『どこでプレーしたい?』って人に聞かれた時、僕はランボーフィールドと答えた」とのこと。正パントリターナーの座を争え、とすでにパッカーズのコーチからは言われている。UCLA記録をいくつも塗り替えた自分が6巡まで落ちたことに本人は不満そう。4年時に肩のケガで数字を落としたことが響いており、パッカーズとしてはもちろんリターナーだけでなくWRとしての能力を評価しての指名。
- 7巡指名のLBカート・キャンベルも、ディビジョンI-AAのアルバニー大出身。同大学史上初のドラフト指名選手となった。彼はセーフティやCB、そして最後は4-4隊形のローバーをプレーしていたが、パッカーズではウィークサイドLBとしてプレーさせる予定。225ポンドとかなりの軽量だが4.42秒とスピードは抜群で、「ベイツDC好みの選手だ」とトンプソンGM。高校時代に前十時副靭帯(ACL)断裂、大学でも肩の脱臼などケガに苦しんだ。
- 7巡指名のGウィリアム・ウィティカーは、ランボーフィールドでプレーするのがずっと夢で、もし指名されなくてもドラフト外でパッカーズに入るつもりだった、と語っている。4年時にようやく活躍を認められるようになったが、シーズン最後に内側側副靭帯(MCL)を部分断裂し、オールスター戦などで十分に動けなかった。大型のサイズの割りにクイックネスとモビリティがあり、荒削りだがポテンシャルはあるという評価。体重過多の問題がある。複数のポジションを経験してきたが、ガードとしてプレーさせる予定。
- ドラフト会場に招待されたQBアーロン・ロジャースの一家は、何時間も指名を待たされ続けた。「 『私たちにとってはそれでも夢のようなことなのだ』と自分に言い聞かせました。息子はプロでプレーするチャンスを手に入れるのですから」とロジャースの母ダーラは言う。そこへドノヴァン・マクナブの母ウィルマが立ち寄り(なぜいたのかは不明)、「そんなこともあるわよ」と一家を慰めたのだという。「ええ、でも周りはもうテーブルを片付け始めてる」
- ロジャースは最初、背番号4番か8番を希望したが、4はファーヴで永久欠番確実、カレッジで着けていた8番は大学の先輩Kロングウェルが使っている。そこで12番を選んだ。「高校の時の番号なんだ。それに2ケタだと少しデカく見えるからね」
- ドラフトが終わった瞬間から、ドラフト外選手(ルーキー・フリーエージェントと呼ばれる)の獲得合戦が始まる。すでに契約は始まっているが、チームとしては獲得選手がほぼ固まってから正式発表するはずなので、こちらに掲載するのもその時に。