グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2004年1月26日

最重要FA チャド・クリフトン

今オフ、パッカーズから無制限フリーエージェント(UFA)となるスターターは、LTチャド・クリフトンただ一人。彼は骨盤の大ケガから完全復活し、今季はオフェンスの全スナップでプレー。有力なパスラッシャーたちからQBファーヴの背後を守り、被サック数でNFL3位の好成績に大きく貢献した。バッカニアーズ戦ではDTサップにリヴェンジも果たし、知名度も上がった。長くつらいリハビリ生活は、大きな実りをもたらしたと言える。

OTオグデンやOTペイスやOTウォルター・ジョーンズなどトップクラスと比べると、相手を圧倒するような派手さはない。しかし彼のように堅実なパスプロテクトをしてくれる左タックルは、それだけでチームにとって重要な存在だ。今シーズン、彼の責任で許したサックは1.5個。4年間で53試合に先発して合計8個しか許していない。かつて先発LTだったロス・ヴァーバ(現CLE)はわずか17試合で9サックを許している。

というわけで当然、「LTクリフトンとの契約延長が最優先事項」と早いうちから明言してきたパッカーズ首脳だが、実際に契約となると容易ではない。金額の目安となりそうな、彼に近いレベルのOTの契約を見てみると、昨オフに契約延長したフローゼル・アダムズ(DAL)が5年$25ミリオン(契約ボーナス$10ミリオン)、ルーク・ペティグー(NYG)は6年$30ミリオン(契約ボーナス$9.75ミリオン)。いかに大きな犠牲を払って左タックルを引き留めているかがよくわかる。

「もちろん、金額のことは僕は知らないが、チャドをキープするのは大変だろうね。彼はNFL最高のパスブロッキングLTだと思うし、需要はものすごくデカイだろう」とCフラナガンは援護射撃する。「もちろん僕らは再契約してほしいよ。このチームにいる全員がそう思ってる。でもチャドは家族にとってベストの決断をしなくちゃいけない。もし(他チームとの)金額の差が近ければ、きっと彼は戻ってきてくれるだろう。でももし年1ミリオンや2ミリオンも高い額を他チームがオファーしてきたら、彼は移籍しなければいけないだろう。大金を貰えるチャンスは多くないんだ。このリーグでは、ダメになった選手はボロクソに言われ、放り出される。だからこそ、貰える時に貰わないとね」

LTクリフトン本人は、「もし来季も、今の全員が戻ってくれば、きっと大きな仕事もできるだろう。僕は戻ってきたい。シャーマンHCも戻ってきて欲しいと思っている。あとはビジネス面に取り組んで、数字を詰め、可能性を検討しなきゃいけない。これから数ヶ月は、きっと面白いことになるよ」と手ぐすねをひいている様子。

もしクリフトン側の要求を受け入れられず契約延長を断念する場合、選択肢はいくつかあるが、どれもなかなか難しい。フランチャイズ・プレーヤー指名は、サラリーが高くなりすぎるため、まずありえない。代わりをFAで補強する場合、同等の左タックルを探そうとすればやはり同じように高くついてしまうだろう。ドラフトに頼る場合はよほど高い順位で指名しなければならず、それでも即戦力になるかどうかはギャンブルだ。そうなると、チーム内でのコンバート。以前から「左タックルも務まる」と言われていたタウシャーを左サイドに移す、というのが有力な案だ。空いた右タックルはバリーを昇格させてもいいし、FAで補強しても右タックルなら多少は安くつく。

もし契約に失敗すれば、今季好調だったオフェンスに大きな穴が空くことになるし、再契約できたとしても、サラリーキャップの空きがほとんどなくなるようでは、ディフェンスのFA補強に支障が出る。重要なのは3月3日という日付だ。FA解禁の3月3日になれば、他チームとの自由競争になってしまう。それが嫌なら、3月2日までに契約延長をしなければならない。選手の側も、FA市場に出てみたら意外に高額オファーがなかった、ということもよくあるため、リスクを避けるためぎりぎりで妥協することも多い。

カテゴリ : Contract/Personnel