日本のプロ野球のドラフト会議のような、会場でチーム首脳たちが丸テーブルを囲んでいる、という風景は、NFLのドラフト会議では見られません。ドラフト会議の行われるマディソンスクエア・ガーデンに送り込まれるのは、連絡を担当する代表者だけ。いわば使いっ走りです。GMやヘッドコーチなどチーム首脳は、通称 "War Room" と呼ばれる部屋を球団本部に設置して、そこにこもって指示を出すのです。
ドラフト会場に詰める連絡将校は、War Roomと回線を繋ぎっぱなしにして、ドラフトの進行状況を報告し、自チームの指名順が来たら本部の指示を聞いて、指名選手をリーグ本部に提出します。言うまでもなく、 "War Room"とは、戦争における作戦司令部に例えているわけです。チーム首脳たちはリラックスした服装で、途中でサンドイッチでもパクつきながら、この部屋で長いドラフトを戦うことになります。
War Roomの壁には、長い時間をかけて作り上げた、選手評価のランキング表がびっしりと貼り付けられ、指名された選手の札は剥がされていきます。また、トレード交渉をする場合のために、各チームの現役選手の評価リストも用意されるそうです。もちろん、いくつものTVモニターとコンピューターがあります。電話がいくつも設置され、他チームとのトレード交渉をしたり、指名した選手に最初の挨拶をしたりします。交渉担当は、さっそく指名選手の代理人へ連絡を取ったりもするでしょう。
下の写真は、昨年のパッカーズのWar Roomの様子。後ろの壁に選手の名前が貼り付けられているのが見えます。
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左はカレッジスカウト部長の ジョン・ドーシー |
右はマーク・ヘイトリー副GM 中央奥はシャーマンHCの長男マシューか |