グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2003年1月31日

ルーキー総括 その4

今季のパッカーズはいつになくドラフト外ルーキーが豊作だった。例年なら開幕ロースターに残れるのは、一人またはゼロ。今季はOTバリー、RBフィッシャー、LBウィルキンズの3人がロースター入りし、CBスウィニーも最初はプラクティス・スクワッドながら、シーズン中に2回ロースター入りした。また、'01年にドラフト外だったLBパリス・レノンは昨春NFLヨーロッパでプレーし、キャンプで認められ、控えLBとして1シーズンプレーした。

出番の少なかった選手は評価のしようがないので、OTバリーとRBフィッシャーの2人だけを取り上げて、今季のルーキー総括は終了ということにしよう。

OT/OGケヴィン・バリー

ドラフト外入団。アリゾナ大4年の時、HC交代に伴うスキームの変更にとまどってしまい、シーズン中盤に何試合か先発を外されてしまう。それが響いて、ドラフトで指名されなかったようだ。パッカーズと契約してからは、すぐにそのポテンシャルの高さを見せつけた。キャンプではケガのせいで最初はモタついたが、しっかり開幕ロースター入りを果たした。ウィスコンシン出身ということもあり、キャンプ中から話題の人に。

大学時代は右ガードをプレーすることが多かったが、タックルの層の薄いチーム事情もあって、右タックルとして修業することに。長期計画で育てるつもりだったはずが、RTタウシャーの戦線離脱で、RTの2番手に昇格。そして第15週の49ers戦の直前、ドットソンが腰痛を悪化させてしまい、急きょバリーが先発することになった。時おりパスプロテクションで混乱もあったが、隣を守るRGリヴェラがつきっきりでアドバイスしてくれたこともあり、無事に大役を果たし終えた。そのまま3試合連続で先発出場。彼が並のドラフト外ルーキーだったら、オフェンスラインは崩壊していたところだった。

恵まれた身体を活かしたランブロックが得意、という点ではドットソンに似ているタイプ。やや学習能力に問題があると言われていたが、ルーキーでこれだけやれれば心配はなさそうだし、先発で経験を積んだことは大きな財産になることだろう。一年目は右タックル専門でやってきたが、クリフトンの大ケガもあって左タックルが足りないため、今年は左タックルの練習をさせていくとのこと。クリフトンの回復が遅れるようだと、ひょっとすると来季の開幕戦にバリーが先発していることも、ありえない話ではない。

RBトニー・フィッシャー

ドラフト外入団。高校時代はオハイオ州の最優秀選手に選ばれたスター選手で、非常に期待されて名門ノートルダム大に進んだらしい。しかし何度もケガに泣かされたこともあって、4年間でラッシング384回1849yds。大学を出るころには忘れられた存在だった。しかしパッカーズのキャンプでは、キジャナ・カーターやジェイソン・ブルッキンズの不調を尻目に、オールラウンドな能力をアピール。第3RBとして見事開幕ロースター入りを果たした。

シーズン途中でFB兼任のダヴェンポートが2番手RBとなり、RBミーリーが解雇された時も、フィッシャーはなんとか3番手の座を守った。やがてダヴェンポートが眼窩の骨折で戦線離脱すると2番手に昇格。RBグリーンが途中退場した第13週のCHI戦では17回91yds。翌週のMIN戦は初めて先発出場し、25回96yds、1TDの活躍でエースの穴を埋めた。シーズン通算では70回283yds(平均4.0yds)。

185cm、101kgのフィッシャーは、どちらかというとパワータイプのRB。ファンブルも少ない。最大のセールスポイントは、何でもそつなくこなすことだ。パスキャッチが上手く、ブロッキングもしっかり出来て、ブリッツのピックアップも安心して見ていられる。ドラフト外ルーキーにありがちな、荒削りなタイプではないのだ。逆に言うと、突出した部分がないのがやや物足りない。RBグリーンのような一瞬のスピードはもちろん望めないし、パワーランもRBダヴェンポートほどゴリゴリいけるわけでもない。

今年もチーム側は比較的安いベテランRBと契約して競争させるだろうし、ドラフト下位でRBを指名する可能性もある。FB兼任のダヴェンポートのロースター入りはほぼ間違いないから、フィッシャーがロースターに残るには、やはり昨年と同じようにキャンプでライバルを蹴落とさなければならないだろう。

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