グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2012年4月26日

FSニック・コリンズを解雇

ドラフト前日、パッカーズは先発FSニック・コリンズを解雇した。理由はもちろん首のケガだ。球団と本人の話し合いが行われたのか、詳細はまだわからないが、チームドクターは大きなケガに至るリスクを重視し、「外部のドクターがどう言おうと球団としては復帰許可を出せない」ということだと思われる。引退でなく解雇となったのは、本人が他球団での現役続行を模索するためだろう。球団によって判断基準が違うこともあるので、獲得に乗り出すチームが現れてもおかしくはない。

テッド・トンプソンGMは次のような声明を発表している。 「(治療)プロセスの初めから、我々はニックと常に連絡を取りつつ、十分な時間をかけてさまざまな医学上の選択肢を探ってきた。しかし最終的に、我々は安心して彼にまたプレーさせる許可は出せない。他の全選手と同じようにニックは我々のファミリーの一員であり、この結論に至る上でも彼をそのように考えたからだ」

「ニックは我々の中核選手の1人であるだけに、今日はパッカーズ全体にとって非常につらい日だ。このような決断を下すことは決して容易ではない。ニック・コリンズのような人物に関わることならばなおさらだ。彼はこのコミュニティにとって、チームメイトにとって、この球団にとって大きな存在だ。よき人間であり、これからもパッカーズファミリーの一員であり続けるだろう」

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ニック・コリンズはフロリダ州クロスシティ出身の28歳。ディビジョンI-AAのベスーン=クックマン大から2005年ドラフト2巡指名で入団、1年目から先発フリーセーフティを務めてきた。2年目・3年目と伸び悩んだものの、4年目の2008年に7INTを挙げて一躍プロボウラーとなり、2010年まで3年連続でプロボウルに選ばれた。特徴はなんといってもアスレチック能力を活かした守備範囲の広いパスカバレッジで、パスコースに飛び込むタイミングは素晴らしいものがある。通算21インターセプトに加え、スーパーボウルの流れを決定づけたINTリターンTDも記憶に新しい。

しかし昨季第2週パンサーズ戦、彼を飛び越えようとするRBジョナサン・スチュワートの脚が頭に当たって首が後ろに倒れる形となり、首の椎間板が破裂。フィールドで長く横たわったあと担架に固定されて退場し、第三頚椎と第四頸椎を接合する手術を受けた(図解)。今オフは現役続行を目指して何人もの専門医の診断を受けていたが、慎重な球団側を説得することはできなかった。

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今年コリンズは各種ボーナスを合わせて$4.05ミリオンを受け取ることになっており、この解雇でチームのサラリーキャップは$3.05ミリオン浮いたことになる。先日のLTクリフトン解雇で浮いた$5.5ミリオンと合わせ、現在パッカーズのキャップの余裕はおよそ$12ミリオン、とJournal Sentinel紙は計算している。

コリンズの退団により、セーフティをドラフト上位指名する可能性が高まったのは間違いない。FSモーガン・バーネットの先発の座は固まっていて、3年目の成長が期待されているところ。ストロングセーフティの暫定スターターは昨季(コリンズ負傷後)と同じチャーリー・ペプラー。彼に2年目のM.D.ジェニングスや3年目のアンソニー・レヴィーンが挑戦し、そこにドラフト指名選手も加わってくる、というキャンプになりそうだ。CBチャールズ・ウッドソンのセーフティ転向を予想する声もごく一部にはある。

カテゴリ : Contract/Personnel, Player